追記(2018/04/25)

IEEE 802.11sについて

INTERNET Watch:非対応
日経 xTECH(非会員は期間限定):準拠かどうかは明言を避け
Google Blog:対応(意訳)

と諸説あるようです。
とりあえず「他社製品との接続はできない」という認識で良いかと思います。

概要

Google Wifiについて気づいたことをまとめてみました。

前提

Google Wifiは、Google社が発売している(※国内未発売)無線LANルーターです。
特徴としては、IEEE 802.11sによる複数台の無線連携により有線LAN増設無しで通信可能範囲を拡張できることが挙げられます。
上記特徴のため、販売スタイルとしても無線LANルータとしては珍しく3台セットがあります。
Google Wifi
参考:Google Wifi - Amazon.com

気づいたこと

 記載時点でのGoogle Wifiファームウェアバージョンは9460.40.5です。

メッシュネットワークと無線LAN中継との違い

「有線LAN増設無しで通信可能範囲を拡張」とは、簡易的には下図のような構成を指します。
 通常: インターネット <-> 親機 <-> 端末
 拡張: インターネット <-> 親機 <-> 子機 <-> 端末
これにより、例えば「親機をリビングに設置すると寝室まで十分な電波が届かない」という状況を改善できます。
ただ、上記特徴はそのまま無線LAN中継にも言えるため、何が違うのかを確認してみました。

無線LAN中継機の例
WEX-733D
参考:WEX-733D - Amazon.co.jp

通信速度が速い(遅くならない)
 無線LAN中継器では、親機接続と端末接続に同じ通信規格・帯域幅を半分ずつ用いるため、通信速度が半減してしまいます。
 メッシュネットワークでは、親機接続には異なる通信規格(IEEE 802.11s)を用いているので、上記理由での通信速度減はありません。
 (ただし、一部無線LAN中継機でも2.4GHz帯と5GHz帯を使い分けることで、同様の回避をしています。)
 (IEEE 802.11sで利用する周波数帯は未確認です。)

多段構成が可能
 多段: インターネット <-> 親機 <-> 子機 <-> 孫機 <-> 端末

 無線LAN中継機では、多段接続は「できない」もしくは「制約が生じる(孫機のSSIDは親機・子機と同一にできないなど)」となります。
 恐らくですが、親機接続にSSIDとセキュリティキーを用いているため、親・子・孫全てに同一のSSID・セキュリティキーを設定した場合、子が親でなく孫を向くことがあるからではないでしょうか。

 メッシュネットワークでは、Google Wifiの販売スタイルからも分かるように、3台の多段構成も問題なく可能です。
 IEEE 802.11sでは32台程度の接続も想定しているようです。

IEEE 802.11s amendment is supported by many products, mostly for smaller meshes of under 32 nodes.

引用元:IEEE 802.11s - Wikipedia

対応機器がまだ少ない
 無線LAN中継機では、親機接続にSSIDとセキュリティキーを用いるため、特に商品やメーカーを選びません。
 メッシュネットワークでは、少なくともIEEE 802.11s対応機器でなければ接続できず、現状少なく高価です。
 (そもそもGoogle Wifi自体、国内では未発売)
 2018/04/25更新:4/26から発売されるようです。

Google Wifiの良いところ

Google Wifiには、メッシュネットワーク以外にも様々な特徴があります。
筆者個人的な感想を述べます。

小難しい設定をユーザに見せない
 設定項目は非常に少なく、あっても簡素です。
 例えば、利用周波数帯やチャンネルを、ユーザが周辺住宅との兼ね合いを取りながら選ぶ必要はありません。
 Google Wifiが状況見合いで変更してくれます。

We do the hard work, so you don’t have to.
(意訳:面倒なことはこっちでやっておくよ。)

引用元:How It Works - Google Wifi

管理はLANでなくBluetoothから
 筆者はあまりネットワークの知識がないので、ルータの設定に失敗して管理画面へのアクセスすらできなくなることがあります。
 初期化・再設定の手間を恐れ、一度設定したルータはあまり触らないようになってしまいます。

 Google Wifiでは、AndroidアプリからBluetooth接続で管理を行います。
 このため、どんなにWAN/LANの設定を壊してしまっても、Bluetooth接続には関係ないので引き続き管理画面へアクセス可能です。
 必須でも標準でもない設計なのに、利用者目線で設計されているんだなと好感を覚えます。

Google Wifiの悪いところ

割当アドレス帯を選択できない
 192.168.86.0/24しか選択できません。
 既存ルータのDHCPリースや各機器側でのアドレス要求で異なるアドレス帯を利用していた場合、変更の手間がかかります。 
 また、個人的には192.168.0.0/24が何となく好きなので、選べないのは残念です。

内部DNSの問合せ結果を書き換える
 LAN内部にDNSサーバを構築している場合、一部アドレスの問合せ結果が書き換えられます。
 主に逆引きですが、例えば
  192.168.86.1 -> testwifi.here
  一部機器 -> メーカ名+MAC+.lan.

 恐らくGoogle Wifi内に簡易なDNSサーバを持っているのだと思いますが、DNSをPrimary, Secondary共に設定しても回避できません。
 端末側に指定するPrimary DNSはルータのアドレスになっていたため、一度ルータでDNS問合せを受け、不明な場合にようやくユーザ設定のDNSへ振るように見えます。

VPN非対応
 なんで。。
 (フォーラムを見ると、上記の内部DNS結果書き換えが関連していそうに見える。)

ブリッジモードではメッシュネットワーク非対応
 DNS指定やVPN接続を別のルータに移譲して、有線でぶら下げたGoogle Wifiをブリッジモードに設定しメッシュネットワークだけ活用しようとしても、それはできません。
 メッシュ構築に必要な機能を維持できない為、親機はNATモード必須だそうです。

その他

  • 個人的なNW最良構成は「最上位NATルータから有線で複数のAPを家中に配置」から変わりませんでした。
  • 小難しい設定を隠蔽する優しさと、設定可能範囲を狭める不便さは、表裏一体だなと感じました。
    • 基本隠すが、触りたければ触れる、がベスト。
    • 自分が何か設計・提供する場合には十分注意したい。
  • Google製品や設計思想は概ね好きですが、傾倒・心酔しすぎず客観的に見るように努めようと思いました。
    • 従来のあり方を見直しシンプルに削ぎ落とすことが得意だと思いますが、ちょっと削り過ぎで使いづらいかも。
    • 数年して慣れれば新しい標準になるのかもしれないが、やはり最初は少し辛い。
    • 主にはChrome OSやGoogle Cloud Platformに心酔していたが、最近はWindows・UbuntuやAWSに戻り気味。
  • Google Wifi含め、その他メッシュネットワークのアプローチ自体は面白そうなので、今後に期待します。
    • NW主用途機器だけでメッシュせず、スマホ同士でアドホック通信とかしだすと面白そう。(多分想定内のはず)
    • 利用シーンも、現状の家庭内・ビジネスシーン以外に、もっとあるんじゃないか。
  • Qiita初投稿、Markdown初利用でした。なかなか面白いですね。
    • 引用とかリンクの貼り方に問題はないかしら。。
    • つい長文になるよね。
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