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【要約】日経SYSTEMS 2019/6号


1. はじめに

以下雑誌の要約。


  • 題名:日経SYSTEMS 2019/6号


2. 部下を育てる 現場コミュニケーション術 ~部下の「やらされ感」を断つ ゴールを納得させる極意~

第1回記事:部下を育てる 現場コミュニケーション術オンボーディングで育てる ~成長には「仕方」がある~

成長のため目指すべきゴールを設定しても部下はやらされ感を持つ。上司の一方的な提案であり、具体的に何をすればよいのかが見えないからだ。大切なのはゴール設定の際、目的と目標を明確にして互いに握ることだ。


2-1. 目的と目標の違いに注意する


  • ゴールを設定してもそれが上司側の一方的な提案であり、かつゴールに向けての具体的なステップが見えない場合、何のための育成なのかよくわからなくなってしまう。

  • 目的と目標の違いは以下。



    • 目的・・・成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。


    • 目標・・・目じるし。目的を達成するために設ける。



  • つまり、目的を達成するためにどうなればよいか、何ができるようになればよいかが目標ということになる。目標がないと、具体的に何をしていけばよいかがわかりにくくなってしまう。


2-2. 目標設定は測定可能なものに


  • 目標を設定する際には、そこに求められる内容を分解していく必要がある。これには、KSAと呼ばれる観点で整理するのが分かりやすい。



    • 知識(Knowlede)・・・「顧客の業務」「保守運用」に関する知識


    • スキル(Skills)・・・「顧客と調整ができる」「新たな運用設計ができる」といったスキル。「~ができる」という表現で表すことが多い。


    • 態度(Attitude)・・・「リーダーとしてみんなをまとめている」「顧客と密に連携を取っている」といった態度



  • ポイントは以下。


    • 達成状況がわかるように測定可能な設定にすること。

    • 細かく分けすぎないこと。




2-3. ゴールを握るためのすり合わせの技術


  • 仕事上のゴール(上司の期待や仕事上で求められる期待)と個人のゴール(本人が望むこと)を重ね合わせることが、育成相手のモチベーション向上につながる。そのため、しっかりゴールをすり合わせるという時間が必要である。
    すり合わせをする際の手順とポイントを以下にまとめる。


2-3-1. すり合わせる場を設定する


  • まず、お互いの期待や認識をすり合わせるための場を持つことが必要。ミーティングの片手間に実施するのではなく、あえて時間と場所を設定することで相手にも本気度が伝わる。


2-3-2. 自分の期待を伝える


  • 相手にしてほしい役割や仕事を背景や意義とともに伝える。その際に注意することは、仕事上のゴールと個人のゴールがどう重なってくるのかを伝えることだ。

  • 相手の希望は普段から把握しておく必要がある。雑談や世間話でそれとなく探るというやり方が多いと思うが、その場でストレートに、相手の将来の期待や希望を確認しても構わない。


2-3-3. 相手の意見を傾聴する


  • 相手の個人としてのゴールは、自分が考えているものとは違うことも多い。だからこそ、期待を伝えるとともに相手の考えや意見をしっかり傾聴する。

  • 本心を語りたがらない人もいるだろうし、希望は特にないという人もいるかもしれない。むしろ、そのまま受け止めるぐらいでよい。大切なのは、自分が相手の成長を考えている姿勢が伝わることだ。


2-3-4. 自分も相手に約束する


  • 相手がコミットした内容に対して、自分は何を「握る」のかを伝えるべきである。

  • 内容は「2人でこれだけはやり抜こう」という握りでもよいし、相手の握りに対して「自分はこれを握る」ということでもよい。互いに約束を交わすという行為が重要である。


2-4. マインドマップ


3. 炎上するプロジェクト そのときどうする? ~改善要望がパワハラに発展 管理者間で対策を協議~

プロジェクト成功という目的は一致しているはずなのに、立場や力関係の違いがトラブルを招く。このような問題の対策について記載する。


3-1. 対立からのパワハラ問題


3-1-1. 問題


  • 対立がこじれるとパワハラの領域に入って職務環境が悪化してしまうことがある。そうなると、関係する両社に職場環境の改善の責任が生じる。決して当事者同士の問題ではないことは、あらゆるハラスメントに共通する。

  • 「精神的な攻撃」「人間関係の切り離し」「過大・過小な要求」「個の侵害」といった、厚生労働省が示すパワハラの類型を構成してしまう状態になると大きな問題となる。


3-1-2. 鎮火法


問題を認識・共有する


  • まずは発生した事態を冷静に分析する。観点は、起こっていることが「プロジェクトの課題として検討すべきこと」に「パワハラなどの要素が含まれているのか」である。

  • 例えば、プロジェクト進行に対する指摘中で、相手の「スキル」「態度」「人格」などを攻撃するような発言がないかを見る。攻撃する側にも、強い攻撃の自覚はないかもしれない。

  • プロジェクトの人間関係や職場環境を悪化させる問題なのか、といったことをまず判断し、関係者や管理者で共有する必要がある。


当事者の話を聞く


  • 判断が難しい場合には、当事者の話をよく聞く。「これぐらいの圧力は、この仕事では当然のことだ」などと、自分の経験や性格から決めつけてはいけない。

  • 他の人にとってはささいなことであったとしても、本人が感じる威圧感や恐怖が、正常な能力発揮を妨げているのだとしたら、それは解決すべき問題となる。


改善方法を協議する


  • 職場環境の問題を協議するため、当事者以外の代表者がで協議を行うのが適切。当事者同士で話し合いをさせたりしては、対立と環境悪化を助長するだけ。

  • プロジェクトに対する問題と職場環境の問題は明確に切り離す。


3-1-3. 発生防止策


教育


  • プロジェクトに参画するメンバーや管理者が、各種ハラスメントやアンガーマネージメントなどについて正しい知識と認識を持つ。


相談窓口の明示


  • 顧客との関係においては、自分に原因があるという思いから、真面目なメンバーほど、相談をためらっているうちに傷口を広げてしまうことがある。

  • 顧客との関係に問題が出てくる場合、身近に接しているPMや上司、同僚などが窓口として機能することが重要。


3-2. 立場の違いによる問題


3-2-1. 問題


  • 組織が異なれば、立場や目的の違いが出てくる。ユーザーはなるべくコストをかけずシステムを手に入れたいと考えるし、ベンダーは、適切な利益を上げたいと願っている。そのため、対立が生じるのも仕方のないことである。

  • 立場の違いは違いとして、Win-Winの結果を生むという共通目的に向かえるよう、対立関係をリセットする必要がある。


3-2-2. 鎮火法


役割合意を再確認する


  • 信頼関係が崩壊するまでに対立が激化すると、お互いに極論が出やすくなる。「ユーザーは理不尽なわがままばかり言う」「ベンダーはお金を取ることしか考えていない」といった、一方的な決めつけになってしまう。

  • 疑心暗鬼を解消するために、相互の立場と役割を再確認すべきである。「ベンダーは、プロジェクトを成功させるための手段・計画を提案する」「ユーザーは、立て直しのための納期調整に協力する」といったことである。

  • 「できない」と言い続けることは建設的ではありません。「できない」ではなく、「こうしたらできる」という提案をして、相手を説得する必要がある。


立て直し方針を合意する


  • 信頼関係が崩れ始めているとき、プロジェクトは立て直しが必要になっていることが多い。立て直しの局面では、「納期を優先するのか」「スコープを優先するのか」「追加コストは容認するのか」といった厳しい決断が必要となる。

  • 「コストをかけてでも納期を守る」「一部機能を諦めてもリリースを早める」「品質リスクを容認してテスト計画を見直し、検証期間を圧縮する」といった方針を決めて合意する覚悟がなければ、炎上プロジェクトの立て直しは難しい。


コミュニケーション強化策を講じる


  • 役割と方針に合意したら、また疑心暗鬼や相互不信に陥らないように、コミュニケーションを強化する。

  • 誰がいつ、何をしなければならないのか、それはなぜなのか、といったことを確実に共有して、プロジェクトの合意を得るようにする。


3-2-2. 発生防止策


  • 鎮火法と同様のことをあらかじめ実施する。


3-3. マインドマップ