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【阪田和典】コードの向こう側で見た風景

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先週、私は普段と違う角度でコードを書いていた。普段は機能を実装することに集中しているが、ふとした瞬間に「コードそのものが風景のように見えないか」と思い立った。エディタの中の文字列、変数名、関数呼び出しがまるで街の通りや建物のように、並び方やリズムで風景を描くのではないかという発想だ。

そう考えると、バグも単なるミスではなく、風景にある“違和感”として捉えられる。例えば無限ループは川が滞留している場所のように感じられ、処理が重くなると、通りの交通渋滞を見ているような感覚になる。デバッグはただの作業ではなく、街を歩きながら異常を探す探検のようだと気づいた。

さらにGitの履歴を眺めると、それは建築現場の設計図の変遷のようにも見える。誰かが関数を追加したり削除したりした痕跡が、まるで新しい家が建ったり古い家が取り壊されたりする様子と重なり、開発チームの活動がひとつの街の変遷を映し出しているように思えた。

この視点を持つことで、普段単調に感じる作業も、新鮮に見える瞬間が増えた。コードレビューは通りを歩きながら街の雰囲気を確認する感覚になり、テストケースを書くことは地図を描く行為に似ている。機能の実装だけでなく、コード全体の“景色”を意識することで、新しい発想や改善点が見えてくる。

こうした意識は、個人開発だけでなくチーム開発でも役立つ。メンバーが書いたコードも、単なる文字列の羅列ではなく、ひとつの風景として捉えることで、理解やコミュニケーションが変わる。問題を指摘する際も、否定ではなく「景色の違和感」として伝えられるので、より建設的な議論が生まれる。

結局、私はプログラミングの楽しさを、新しい視点から再発見した。コードの中に広がる風景を感じながら書くことで、作業の質も、学びの深さも変わってくる。これからは単に機能を作るだけでなく、コードの向こう側にある風景を楽しむことを意識して開発を続けていきたいと思う。日々の小さな発見が、次のアイデアの種になるからだ。

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