はじめに
こんにちは、genimuraです。
これまで、色々と1on1のやり方をキャッチアップしていって、よく傾聴が大事とか、話しやすい環境を作るとか、ティーチングではなくコーチングだとかを学んできました。
ただ、実際やってみるとめちゃめちゃ難しいですよね。ということで、AIとの壁打ちを通じて見えてきた「パフォーマンスを向上させる1on1」の本質と、それを組織に浸透させるための具体的なステップについてまとめました。
なお、これは実際には半分ぐらいしか取り組めていない段階で、AIと壁打ちをしてなるほどと合点がいったことを整理したものです。
多くのマネージャーが「1on1」の導入に悩み、あるいはその「形骸化」に悩んでいます。「メンバーの悩みを聞く時間」や「キャリアについて話す時間」としては機能しているものの、それが本当にチームのパフォーマンス向上に繋がっているのか、確信が持てないという声もよく聞きます。
例えば、こんな経験はないでしょうか。
- 「毎週1on1をやっているけど、結局進捗報告になってしまう」
- 「メンバーが何も話してくれなくて、沈黙が続く時間になってしまう」
- 「1on1で話した内容が、実際の業務改善に繋がっている実感がない」
- 「『どうすればいいですか?』と聞かれるたびに、つい答えを教えてしまう」
「1on1で本当にやるべきこと」とは、一体何なのでしょうか。
この記事では、AIとの壁打ちを通じて見えてきた「パフォーマンスを向上させる1on1」の本質と、それを組織に浸透させるための具体的なステップについてまとめています。また、1on1を実践する上で大切にしたいテクニックやポイントについても触れています。
ちなみに今回は、交通整理といいますか、どうすればマネージャーとして潤滑油となれるかという観点を前提として話しています。
キャリア支援の観点での1on1もすごく大事だと思っていますが、これについては機会があればまとめてみようと思います。
1on1の「3つのP」
AIとの壁打ちを通じて見えてきたのは、多くのマネージャーが1on1で扱うべきトピックは、大きく3つに分類されるということでした。
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People(人・コンディション)
- メンバーの悩み、健康状態、人間関係など、パフォーマンスの土台となる「心理的安全性」の確保
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Priority(業務・優先度)
- 日々の業務遂行における障害、ボトルネックの特定と除去
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Progress(成長・キャリア)
- 中長期的な視点での成長支援と、本人の「なりたい姿」とのすり合わせ
3つのPのバランスを考える
重要なのは、この3つのPをバランスよく扱う ことです。メンバーの状況や成長段階によって、どのPに重点を置くかは変わってきます。
例えば、新入社員や新しいチームに配属されたばかりのメンバーには、まず「People」に重点を置き、心理的安全性を確保することが優先されます。一方で、ある程度関係性が築けているメンバーには、「Priority」や「Progress」により多くの時間を割くことができます。
また、1on1の頻度についても、メンバーの状況に応じて調整することが大切です。頻繁にコミュニケーションが必要な時期は毎週、関係性が安定してきたら隔週や月1回など、柔軟に変更していくのが良いでしょう。
各Pを扱う際のポイント
People(人・コンディション) を扱う際は、メンバーが話しやすい環境を作ることが第一です。スマートフォンは見ないようにする。場所も、リラックスできる場所を選ぶと良いでしょう。オフィスであれば、会議室ではなく、カフェや休憩スペースなども選択肢に入ります。
Priority(業務・優先度) については、後述するように「障害の除去」に焦点を当てることが重要です。タスクの進捗を聞くのではなく、「何があなたのパフォーマンスを阻害しているか?」という視点で質問をしていきます。
Progress(成長・キャリア) については、短期的な目標設定だけでなく、中長期的なキャリアの方向性についても定期的に話し合うことが大切です。ただし、これは毎回の1on1で話す必要はなく、月1回程度の頻度で深く話し合う時間を設けるのも良いでしょう。
マネージャーが陥る「Priorityの罠」
ここで、私は一つの疑問を抱きました。
「『Priority(業務)』の管理は、プロジェクトマネジメントの仕事ではないか?」
これは非常に重要な視点です。
確かに、タスクの優先順位を決め、スケジュールを管理するのはプロジェクトマネジメントの役割です。マネージャーの1on1が「進捗管理会議」になってしまっては本末転倒です。
しかし、マネージャーが扱うべき「Priority」は、レイヤーが異なるということに気づきました。AIとの対話で整理されたのは、以下のような違いです。
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プロジェクトマネジメントのPriority(タスク中心)
- 「どのタスクを先にやるか?」
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マネージャーのPriority(人中心)
- 「そのタスクを実行する上で、本人が何に詰まっているか? 」
マネージャーの役割は、進捗を管理することではなく、メンバーのパフォーマンスを阻害する「障害」を取り除く ことです。
障害の見つけ方のテクニック
では、この「障害」をどうやって見つけるのでしょうか。実は、メンバー自身も「これが障害だ」と明確に認識していない場合が多いです。
そこで有効なのが、具体的な状況を聞くこと です。例えば、以下のような質問が効果的です。
- 「最近の仕事で、何か詰まっていることはある?」
- 「今週一番時間がかかった作業は何?」
- 「もし時間がもっとあったら、何をしたい?」
このような質問をすることで、メンバーが「あ、実はこれが障害だったんだ」と気づくことがあります。
また、感情に注目する ことも大切です。「最近の仕事で、イライラしたり、モヤモヤしたりしたことはある?」と聞いてみると、そこに障害が隠れていることがあります。感情は、何かがうまくいっていないことのサインになることが多いのです。
マネージャーが気をつけるべきポイント
ここで注意したいのは、すぐに解決策を提示しない ことです。メンバーが「これが障害です」と言ったら、つい「じゃあこうすればいいよ」とアドバイスしたくなりますが、それは「ティーチング」になってしまいます。
まずは、その障害が本当に障害なのか、それとも別の何かの表面に現れている症状なのかを、質問で深掘りしていくことが大切です。
例えば、メンバーが「タスクが多すぎて終わらない」と言った場合、本当の障害は「タスクの優先順位がつけられていない」ことかもしれませんし、「完璧主義で作業が進まない」ことかもしれません。あるいは、もっと根本的には「心理的安全性が低くて、断れない環境」かもしれません。
このように、表面的な症状の奥にある、本当の障害を見つけることが、マネージャーの1on1の本質的な価値です。
なぜ「心理的安全性」が業務(Priority)に必要なのか
この「障害」こそが、1on1の核心です。
あるチームで、まさにこの本質を突く事例が発生しました。(例え話です)
メンバー: 「(業務について)もっと効率的なやり方があると思うんですが、プロジェクトの担当者になかなか言えなくて…」
マネージャー: 「なぜ言えないんだろう?」
メンバー: 「以前、似たような提案をした時に、うまく伝えられなかった経験があって…」
多くのマネージャーはここで、「頑張ってロジカルに説明しよう」とメンバー個人にティーチング(指導) をしてしまうでしょう。
私は、これがメンバー個人の「スキル」の問題ではなく、プロジェクト担当者との関係性、すなわち 「心理的安全性」 の問題であると捉えました。
AIとの対話で強調されたのは、「言っても無駄だ」「否定されるかもしれない」という環境では、知的労働のパフォーマンスは著しく低下するということでした。
メンバーに「頑張れ」と言うのではなく、問題の根本(この場合はプロジェクト担当者との関係性)に介入し、チーム全体の「交通整理」 を行うことを選択しました。これこそが、マネージャーが「Priority(業務)」を扱う本質的な価値です。
心理的安全性を高める具体的な方法
では、1on1で心理的安全性を高めるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
まず、批判せずに聞く ことが基本です。メンバーが何か言ったとき、たとえそれが間違っていると思っても、すぐに「それは違うよ」と指摘するのではなく、まずは「そう感じているんだね」と受け止めることが大切です。そして、「なぜそう感じるの?」と質問で深掘りしていきます。
次に、沈黙を恐れない ことも大切です。メンバーが考えている間、つい話を続けてしまいがちですが、沈黙は「考えている時間」です。この時間を大切にすることで、メンバーはより深い答えを出せるようになります。
また、自分の失敗談を共有する ことも効果的です。「実は私も似たような経験があって…」と話すことで、メンバーは「自分だけじゃないんだ」と安心することができます。これは、メンバーが話しやすくなるための重要な要素です。
コミュニケーションのポイント
1on1でのコミュニケーションで大切なのは、オープンクエスチョンを使う ことです。「はい/いいえ」で答えられる質問ではなく、「どのように」「なぜ」「どのような」といった質問をすることで、メンバーはより深く考え、自分の言葉で話すことができるでしょう。
また、メンバーの話を要約して確認する ことも有効です。「つまり、こういうことだよね?」と確認することで、メンバーは「話を聞いてもらえている」と感じ、さらに詳しく話してくれるようになります。
1on1の環境設定
心理的安全性を高めるためには、環境も重要です。メモを取りたい場合は、以下のようなスタイルを試してみると良いでしょう。
スタイル1:共同編集スタイル(リモート向け)
方法: 1on1用の共有ドキュメント(NotionやGoogle Docsなど)を画面共有し、「2人で一緒にメモを完成させる」 というスタンスを取ります。
利点: 「つまり、こういうことだよね?」とメモを書きながら要約・確認できます。また、「次回話したいこと」や「アクションアイテム」をその場で合意できます。
スタイル2:冒頭宣言スタイル(対面・リモート両方)
方法: 1on1の冒頭で、「忘れないように大事なことだけメモ取るね。でもPC(画面)より顔をしっかり見て話すから!」と先に自己開示します。
利点: なぜPCを開いているのかを先に伝えることで、メンバーの「ちゃんと聞いてもらえているかな?」という不安を取り除く、心理的安全性のテクニックです。
スタイル3:アナログ(手書き)スタイル(対面向け)
方法: ノートPCは完全に閉じ、手元に小さなノートとペンだけを用意します。
利点: 「あなたに集中している」というメッセージが最も強く伝わります。タイピング音の威圧感もなく、心理的な壁が最も低くなります。(ただし、後でメモをデジタル化する手間はかかります)
また、場所の選び方 も大切です。会議室で向かい合って座るよりも、リラックスできる場所の方が話しやすくなります。可能であれば、歩きながら話す「ウォーキング1on1」も効果的です。歩くことでリラックスでき、アイコンタクトを避けられるため、メンバーが話しやすくなります。
時間についても、急いで終わらせようとしない ことが大切です。30分の予定でも、話が盛り上がっているなら延長することも検討しましょう。もちろん、メンバーの都合も確認しながらですが、時間に追われていると感じると、メンバーは話しにくくなります。
次の壁:「良い1on1」をどう組織に伝えていくか
自分自身がこの高度な1on1を実践できるようになったとして、次の課題を考えました。悩んだのは、自分が学んだ1on1の知識をリーダー層とどう共有していくかです。
「この1on1の『本質』を、どうやってチームリーダー層に伝えていけばいいのか?」
私はチームリーダー層に「傾聴は大事」「押し付けないこと」「自分で答えを導き出す手助けをすること」という「本質(WHAT)」を伝えました。
しかし、チームリーダー層からすれば「本質はわかった。でも、具体的にどうやれば(HOW) いいのか?」がわからず、結局、自分が楽な「ティーチング(答えを教える)」に戻ってしまうという課題がありました。
伝える際の注意点
ここで重要なのは、一度にすべてを伝えようとしない ことです。完璧な1on1の型を一気に教えようとすると、チームリーダー層は「難しすぎる」と感じて、結局実践できません。
また、理論だけでなく、実践の場を作る ことも大切です。資料を配布するだけでは、なかなか身につきません。実際にメタ1on1を実施し、その場でフィードバックをすることで、チームリーダー層は「こうすればいいのか」と実感を持てるようになります。
さらに、失敗を許容する ことも重要です。最初から完璧な1on1ができる人はいません。失敗しても「次はこうしてみよう」と一緒に考える環境を作ることで、チームリーダー層は安心して実践できるようになります。
よくある失敗例
組織に1on1を浸透させようとする際によくある失敗として、以下のようなものがあります。
- 完璧主義になってしまう : 理想の1on1を求めすぎて、実践できなくなる
- 一度にすべてを変えようとする : 小さな変化を積み重ねるのではなく、大きく変えようとして失敗する
- フィードバックが批判的になる : メタ1on1で「ここがダメだ」と指摘ばかりして、チームリーダー層が委縮する
- 時間が取れないことを理由にする : 忙しいからとメタ1on1を後回しにして、結局やらない
これらを避けるためには、小さな成功体験を積み重ねる ことが大切です。「今日はこの質問がうまくいったね」と褒めることで、チームリーダー層は「自分にもできる」と自信を持てるようになります。
段階的な導入方法
段階的に導入するためには、まず1つのテクニックだけ を徹底することが有効です。例えば、「メンバーが話したら、『なぜそう思うの?』と聞く」という1つの質問だけを意識してもらう。これができるようになったら、次のテクニックを追加していく。
このように、一歩ずつ進める ことで、チームリーダー層は無理なくスキルを身につけることができます。
答えは「メタ1on1」と「プチ・ロープレ」
組織に浸透させることとは、「研修」や「資料配布」のことではありません。AIとの対話で明確になったのは、それは 「練習」と「ふりかえり」の「仕組み化」 だということです。
この壁打ちを通じて、チームリーダー層がこのスキルを身につけるための、現実的なステップにたどり着きました。
① ハードルを下げる(いきなり完璧を目指さない)
まずはチームリーダー層に「GROWモデル」のような完璧な型を押し付けるのをやめることが大切です。「メンバーが話したら、『(なぜ)そう思うの?』『(具体的に)何があったの?』 と、質問で深掘りすることだけを徹底してくれ」と伝えるのが良いでしょう。
② 「メタ1on1」を導入する
これが組織に浸透させるための鍵です。
マネージャーが、チームリーダー層と 「1on1について話し合うための1on1(=メタ1on1)」 を定期的に実施するのが良いでしょう。
- 「先週のメンバーとの1on1、どうだった?」
- 「どの質問がうまくいった?」
- 「あ、その部分は『ティーチング』になってたかもしれないね。もし『どうすればいいと思う?』って聞いてたら、相手はどう答えたかな?」
このように、マネージャーがチームリーダー層の1on1をコーチング することで、スキル向上を支援できます。
③ メタ1on1の中で「プチ・ロープレ」を行う
チームリーダー層自身も「どう質問すればいいかわからない」と悩んでいることが多いです。
そこで、この「メタ1on1」の中で、短いロープレを行うのが効果的です。
- マネージャー: 「もしメンバーが『最近モチベ上がらないです』って言ってきたら、最初の一言、なんて返す?」
- チームリーダー: 「えっ…『なんで?』ですかね?」
- マネージャー: 「『なんで?』だと詰問に聞こえないかな? 例えば『そう感じるんだね。具体的にどの仕事でそう感じる?』って聞くのはどう?」
チームリーダー層を集めた大掛かりなロープレ大会は、テーマ設定も難しく、心理的ハードルも高いでしょう。しかし、信頼できるマネージャーとの1対1の「プチ・ロープレ」であれば、チームリーダー層も安心して「型」を練習できます。
メタ1on1を実践する際の注意点
メタ1on1を実施する際は、批判的にならない ことが大切です。「ここがダメだ」と指摘するのではなく、「この部分はどうだった?」と質問で振り返ってもらうことが重要です。
また、具体的な場面を振り返る ことも有効です。「先週のメンバーとの1on1で、どんな質問をした?」と聞くことで、チームリーダー層は自分の行動を振り返ることができます。そして、「その質問で、メンバーはどう反応した?」と聞くことで、質問の効果を自分で気づくことができます。
さらに、小さな成功も見つけて褒める ことも大切です。「この質問は良かったね」「メンバーが話しやすそうだったね」と具体的に褒めることで、チームリーダー層は「自分にもできる」と自信を持てるようになります。
フィードバックの与え方
メタ1on1でのフィードバックは、質問形式で与える ことが効果的です。「もし、こう聞いていたらどうだったかな?」と質問することで、チームリーダー層は自分で答えを見つけることができます。
また、選択肢を提示する ことも有効です。「次回は、この質問か、この質問か、どちらを試してみたい?」と聞くことで、チームリーダー層は自分で選ぶことができ、主体的に取り組めるようになります。
記録の取り方
メタ1on1の内容を記録することも大切です。何がうまくいったか 、次回試してみたいこと を記録しておくことで、次回のメタ1on1で振り返ることができます。
また、メンバーとの1on1の記録 も残しておくと良いでしょう。メンバーが話した内容、次回話したいこと、アクションアイテムなどを記録しておくことで、1on1の継続性が保たれます。
ただし、記録を取ることに集中しすぎて、1on1中にメモを取り続けるのは避けた方が良いでしょう。メンバーは「話を聞いてもらえているのかな?」と不安になります。重要なポイントだけを簡潔にメモし、詳細は1on1の後で記録するのが良いでしょう。
1on1を始める前に
良い1on1を実践するためには、事前の準備も大切です。ここでは、1on1を始める前に意識しておきたいポイントをまとめます。
事前準備の重要性
1on1は「その場で何となく話す」ものではなく、準備をして臨む ことで、より効果的な時間になります。
マネージャー側としては、前回の1on1の記録を確認し、メンバーが話していたことを思い出しておくことが大切です。また、メンバーの最近の仕事の状況や、チーム内での様子なども観察しておくと、1on1で話すきっかけになります。
メンバー側にも、事前に準備を促すと良いでしょう。「次回の1on1で話したいことがあれば、事前にメモしておいてもらえると助かります」と伝えることで、メンバーも1on1を有効活用できるようになります。
アジェンダの共有
1on1の開始時に、今日話したいこと を確認することも有効です。「今日は何について話したい?」と聞くことで、メンバーは自分のペースで話すことができます。
また、マネージャー側からも「実は、この件について話したいことがあるんだけど」と伝えることができます。ただし、これはメンバーの話を優先することが大切です。メンバーが話したいことがあれば、それを先に聞くようにしましょう。
時間の確保
1on1の時間は、他の予定に侵食されないように 確保することが大切です。カレンダーに固定の予定として入れておくことで、1on1を優先することができます。
また、急な予定が入っても、1on1は変更しない という姿勢も重要です。これにより、メンバーは「1on1は大切な時間なんだ」と感じることができます。
環境の整備
スマートフォンはサイレントモードにして、通知を気にしないようにしましょう。メモを取りたい場合は、上記の「1on1の環境設定」で紹介した3つのスタイルを参考にしてください。
場所についても、静かで落ち着ける場所 を選ぶことが大切です。オフィスであれば、会議室よりも、カフェや休憩スペースの方が話しやすくなります。リモートワークの場合は、ビデオ通話でも良いですが、可能であれば顔を合わせて話す機会も作ると良いでしょう。
1on1で避けるべきこと
良い1on1を実践するためには、避けるべきことも知っておくことが大切です。
進捗管理になってしまう
1on1は「進捗管理会議」ではありません。タスクの進捗を聞くのではなく、メンバーのパフォーマンスを阻害している障害を見つけることが目的です。
「このタスクはいつ終わる?」と聞くのではなく、「このタスクで、何か詰まっていることはある?」と聞くことで、障害を見つけることができます。
自分の話ばかりしてしまう
マネージャーが自分の経験談やアドバイスを話しすぎると、メンバーは「聞いてもらえていない」と感じます。1on1はメンバーの話を聞く時間 です。
経験談を共有するのは良いことですが、それはメンバーが話した後に、適度に 共有することが大切です。自分の話が長くなりすぎないよう、意識しましょう。
解決策を押し付けてしまう
メンバーが何か悩んでいると、「じゃあこうすればいいよ」とすぐに解決策を提示したくなりますが、これも「ティーチング」になってしまいます。
まずは、メンバー自身が考えられるように、質問で導いていくことが大切です。それでも解決策が見つからない場合は、一緒に考える姿勢を持ちましょう。
評価やフィードバックの場にしてしまう
1on1は「評価の場」ではありません。評価やフィードバックは、別の時間に設けることが大切です。
1on1で評価の話をすると、メンバーは話しにくくなります。1on1は、メンバーが自由に話せる時間として確保しておきましょう。
メモを取りすぎる
記録を取ることは大切ですが、1on1中にメモを取り続けると、メンバーは「話を聞いてもらえているのかな?」と不安になります。
重要なポイントだけを簡潔にメモし、詳細は1on1の後で記録するのが良いでしょう。あるいは、メンバーに「メモを取ってもいい?」と確認してから取ることも大切です。
1on1の効果を測る
1on1を実践していると、「本当に効果があるのかな?」と疑問に思うこともあるでしょう。ここでは、1on1の効果を測る方法について考えます。
メンバーからのフィードバック
最も直接的な方法は、メンバーからフィードバックを聞く ことです。「この1on1はどうだった?」「役に立ったことはある?」と聞くことで、メンバーの感じていることを知ることができます。
ただし、これは毎回聞く必要はありません。定期的に(例えば、3ヶ月に1回程度)聞くことで、メンバーの負担にもなりません。
チームのパフォーマンスとの関係
1on1の効果は、チームのパフォーマンス にも現れます。メンバーのパフォーマンスが向上しているか、チーム全体の生産性が上がっているかなどを観察することで、1on1の効果を測ることができます。
ただし、これは短期的には見えにくいかもしれません。1on1の効果は、長期的に現れることが多いと言えるでしょう。
メンバーの行動の変化
1on1で話した内容が、メンバーの行動の変化 に現れることもあります。例えば、1on1で「プロジェクトの担当者に意見を言いにくい」という話をして、その後、メンバーが意見を言えるようになったとすれば、それは1on1の効果と言えるでしょう。
継続的に改善する
1on1の効果を測ることは大切ですが、完璧を目指さない ことも大切です。完璧な1on1は存在しないと考えられます。大切なのは、継続的に改善していく ことです。
毎回の1on1で「今回の1on1はどうだった?」と振り返り、次回はどうすれば良くなるかを考える。この小さな改善の積み重ねが、長期的には大きな効果をもたらすでしょう。
まとめ
「1on1は難しい」のは事実です。しかし、それはマネジメントと組織開発の「本質」が詰まっているからだと言えるでしょう。
- まず、マネージャー自身が「3つのP」を意識し、特に「Priority(業務の障害除去)」と「心理的安全性」を結びつけることが大切です。
- 次に、そのスキルをチームリーダー層に伝えていくために、「メタ1on1」と「プチ・ロープレ」という「練習の仕組み」を導入することが有効だと思いました。
メタ1on1やプチロープレ等を今後やってみて良い結果が出たらその振り返りも記事にして見ようと思います。
冒頭でも触れた通り、これは実際には半分ぐらいしか取り組めていない段階で、AIとの壁打ちを通じて合点がいったことをまとめて自分なりに考えてみたことです。同じように悩むマネージャーの皆さんの「交通整理」の一助となれば幸いです。