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採用未経験の私が、なぜエンジニアを採用できたのか?

Last updated at Posted at 2018-12-17

はじめに

こんにちは、リンクアンドモチベーションでテクノロジー職種の採用責任者をしています@entrylmi(尾上)です。
この記事は、モチベーションクラウド Advent Calendar 2018の17日目の記事となります。
現在リンクアンドモチベーションは、テクノロジー企業化に向けて第二創業期を迎えています。
弊社プロダクトであるモチベーションクラウド及び新規プロダクトの更なる開発体制の強化に向けて、約半年前にエンジニアをはじめとするテクノロジー職種の採用を本格的に推進することにしました。
その責任者として白羽の矢が立ったのが私ですが、エンジニア採用どころか、採用自体もやったことも無い全くの素人でした。
本記事では、そんな私が何を実施しどんな失敗を経験したのか、採用活動当初に戻れるなら、何を実施すべきかについて共有できればと思います。

想定する読者

  • エンジニア採用担当者(特にこれからエンジニア採用を行う担当者)
  • エンジニア採用に関わるエンジニア・エンジニアリングマネジャー

まず実施したこと(立上げフェーズ:~3ヶ月)

とりあえずエンジニアの方々にお会いする

当初の私は「ダイレクトリクルーティングってなに?」くらいの知識量で、何から手を付けてよいのか全く分からなかったため、とりあえず「餅は餅屋に聞け!」と思い、様々なエンジニアの方々と積極的にお会いしました。とにかく多くの人と面談し自分の感覚を磨くことに注力した結果、工数は想定以上にかかりましたが、エンジニアの方々が転職先に求めることや弊社にマッチする人物像を描くことが出来ました。
小心者の私は「こんなこと聞いたら失礼かな?」「うざいと思われないかな?」と挙動不審な態度で質問していましたが、予想に反し、応募者の方は嫌な顔ひとつせずに、丁寧にフィードバックくださる方ばかりでした。話が盛り上がりすぎて後日飲みに行ったケースもあります(笑)
本フェーズでは、採用担当者が積極的に教えを乞う姿勢が重要だと思いますので、是非実践してみてください。

また、弊社にご入社頂くまでの工程が他社と比べた時に多いと感じる方もいらっしゃいます。
私たちは、弊社と応募者が相思相愛の状態で入社頂きたいという想いから、選考途中でも入社後に一緒に働くメンバーとの会食や面談を複数回設定し、相互理解を図る場を設けている為です。
このような場を設定することにより、弊社と応募者のエンゲージメントが高まり、ご入社頂く確立も各段とUPします。

本フェーズで実施した内容を次に記載します。

ダイレクト・リクルーティング

最初に実施したことは、Wantedly,BizReachにてスカウトメールを月200通程度送付し、1日2~3人の方と面談させて頂きました。面談の場では、弊社のことをお話しさせて頂いただけではなく「スカウトメール文は魅力的でしたか?修正するならどこを修正した方が良いですか?」などとフィードバックをもらえるように質問を準備していました。応募者の方々も親身になって相談に乗ってくださり、「スマホのポップアップはこのように見えるためタイトルをもう少し短くした方が良い」、「そもそも本文が長くて読む気がしないので、プロダクトの説明などはリンクで飛ばした方が良い」などと具体的なフィードバックを頂け、結果としてスカウト返信率も約20%まで向上しました。

転職エージェント

当初、10社以上の転職エージェントの方々にお声掛けしましたが、その時点ではどのような人物像が弊社にマッチするのか、求めるスキルレベルはどのくらいかを明文化出来ていませんでした。
(感覚的には分かるが言語化が出来ていない状況)
そこで、エージェントの方とも基準を一致させるためにも、求める人物像やスキルレベルを明文化しましたが、基準に曖昧な箇所も多かったため、とにかく紹介頂いた方のほとんどとお会いし、応募者の具体的なご発言やご経験を基にエージェント会社へフィードバックするように心掛けました。
それでも、まだお伝えしきれない箇所があったため、次の施策を実行しました。

  • エージェントの方が応募者へ説明するための資料/トークスクリプト作成
  • エージェントの方々への説明会開催
  • エージェントの方とのディナー/ランチを開催し、弊社のビジョンや実現したい世界感の共有
  • エージェントの方との定例MTGを実施

上記施策を実行することにより弊社が求める人物像やスキルレベルの基準が擦り合うようになり、結果として開発責任者やテックリードを採用することが出来ました。

様々なエンジニアにお会いしたが採用に繋げられなかった理由

一方、応募者の方々と面談させて頂きましたが採用に繋げられなかった理由も振り返りたいと思います。

  • 魅力的に事業・プロダクトのことを語れない
    ありがちなのが人事担当者が面談で募集内容や条件面のみを説明し、応募者へ全く動機づけ出来ていないケースです。まさに私たちもその落とし穴にはまっていました。面談者が弊社の将来像やビジョン、今後の事業の方向性を魅力的に語れなかったため、面談で終了してしまうケースがありました。将来像やビジョンを魅力的に語れるか否かが面接に進んで頂けるかの鍵になるため、トークスクリプトを作成し、毎日のように語る練習をしました。
    結果として、面談に来て頂いた方の90%以上が次に進みたいと言ってもらえるまでに改善することが出来ました。

  • お互いカルチャーマッチしない
    弊社のカルチャーで重視している例として、STYLEという行動指針がありますが、その指針にあまり共感頂けない方もいます。私たちは、この行動指針に従って日々の業務を行っており、且つこの行動指針はエンジニア文化と非常に密接な関係があるため、今後のエンジニア文化形成の礎として大切にしていきたい指針です。詳細については、技術アドバイザーとして参画頂いているレクター社の広木氏へのインタビューをご参照頂ければと思います。
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次に実施したこと(拡大フェーズ:~半年)

リンクアンドモチベーションをテクノロジー企業として認知してもらう

一般的なリンクアンドモチベーションのイメージは「コンサル・営業会社」であり、それを「テクノロジー企業」に認知を変えるために採用広報活動を本格的に行うことにしました。
採用広報活動を開始した当初は、3ヶ月程度広報施策を打ち続ければ、自然と応募も増えるため、応募から採用出来れば良い程度に考えていましたが、応募数は採用広報活動を行う前とほぼ変わらず、目に見える効果は現れませんでした。今となれば当然ですが、採用広報活動は、中長期的に実施することにより効果が現れます(はずです)

採用広報活動において、実施した内容を次に記載します。

採用広報戦略策定

まず、誰に対してどのようなメッセージを届けるかを3Cを用いて整理しました。特に競合と比較し、自社の強み・弱みを整理し、自社のポジショニングを明確にした上で、ターゲットへのメッセージを抽出したことがポイントになります。
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リンクアンドモチベーションの世間からの印象を細分化し、それを払拭するようにメッセージを詳細化しました。
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最後に、メッセージをどのチャネルでどの順番で届けるかを整理し、アクションに反映しました。
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Twitterの活用

私自身リンクアンドモチベーションに転職する際に、入社前に接点を持った人事の方から会社の雰囲気やカルチャーを感じたのを思い出し、その会社で最初に出会い最も深くかかわる人事担当者のパーソナリティーが採用において、とても重要な役割を果たすと考えています。
そこで、弊社で最初にエンジニアの方々にお会いする可能性の高い私のパーソナリティーを、より多くの方々に知って頂くために、Twitterを利用することにしました。
リンクアンドモチベーションの雰囲気やカルチャー及び私自身のキャラに親近感を感じて頂き、一回くらい会ってやっても良いかなと思って頂けるように日々ツイートを発信しています。

ブログの配信

ブログは、Wantedlyを用いて配信しています。
まだまだ、上手く記事化出来ていないため、改善の余地が沢山ありますが、今後はイベントレポートからインタビュー記事まで幅広く掲載していく予定です。

イベント開催・協賛
  • 銀座Rails
    リンクアンドモチベーションは、技術交流の場の提供を目的に、GINZA SIXのイベントスペースを提供しています。現在、銀座Railsに毎月利用頂いており、
    少しずつではありますが、リンクアンドモチベーションというブランドが技術界隈にも浸透し始めてきました。
    元々はイベントオーナーの河野氏にご協力頂き、弊社GINZA SIXのイベント会場を利用してもらうことから始めたことをきっかけに、現在ではRuby on Railsに関わる様々なイベントへの繋がりを広げております。
    Ruby on Rails界隈でリンクアンドモチベーションの名をより広く認知させていく為に、
    2019年も様々なイベントへの協賛を予定しています。

  • 銀座寿司会
    銀座寿司会は、エンジニアの方々が技術の悩みを有識者に相談出来る場があったら良いと考え、弊社オフィスが銀座にあることから(銀座と言えば寿司!ということで)、銀座寿司会というイベントを開催しました。
    有識者にはエンジニアリング組織論への招待の著者である広木氏だけではなく、他の著名の方々にもお越し頂ける何とも豪華な場にすることが出来ました。
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  • Ruby関連のイベント協賛
    Rubyを活用している企業として、Rubyの発展と貢献を目的にRuby AssociationRails Girls、に協賛させて頂きました。これからも積極的にRuby関連のコミュニティやイベントに協賛し、技術の発展に貢献します。

この半年を振り返り、当初から実施すべきだったこと

採用チーム以外の協力を積極的に仰ぐ

立上げフェーズでは、短期施策であるダイレクト・リクルーティングや紹介エージェント経由をメインに活用しており、拡大フェーズでは、中長期施策である採用ブランディングをメインで実施してきましたが、当初からブランディングを実施すべきだったこと、拡大フェーズでも短期施策に注力し続けるべきだったと内省しています。
以前は、採用担当の工数不足を理由に、施策を絞らざるを得ないと考えていましたが、採用活動は採用チームだけが実施するのではなく、全社的に実施するものだと再認識しました。今では、開発チーム全員がスカウトメール送付に協力してくれ、返信率も向上しています。
短期施策と中長期施策の両立を実現するためにも、他チームのメンバーも採用活動に協力してもらえるよう意識を醸成することが重要だと感じています。

当初からあらゆる採用手法を試行しPDCAを回すべきだった

当初からTwitterでの採用活動は知っていたのですが、Twitter経由でのブランディングや採用に懐疑的だったため利用していませんでした。もし、当初からTwitterを利用しておけば、ブランディングも加速していたかもしれないと内省しています。

おわりに

弊社では、採用を最重要業務として位置づけられているのですが、入社当初は正直ピンと来ていませんでした。
しかし、実際に採用責任者として採用させて頂く上で、その人がいなかったら会社の未来が変わっていたかもしれないと感じることが多々ありました。
裏を返せば、採用出来ていないということは、採用出来ていればプラスに変わったかもしれない会社の未来を摘んでいることになります。
また、採用した人が入社後に活躍する姿を見ることが、採用責任者としての一番のご褒美だと感じています。
これからも、採用活動を通じてリンクアンドモチベーションの未来を創っていきます。

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