DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門を読んだまとめ。
DSP/RTBだけといわず広告システムについて体系的に記されていたので小分け。
オーディエンスターゲティングについて。
総論
「枠」から「人」への大きなパラダイムシフトを理解する
オーディエンスターゲティングとは
- オーディエンスという抽象度のグループから、どのグループをターゲットにするか選択すること。
従来ターゲティングとの違い
- ターゲティング対象の抽象度が高いこと
- 従来
- 単一データ(IPアドレス、GPSデータ、クッキーIDのみ。等)に対して近しいまたは同じデータのユーザーが対象
- オーディエンスターゲティング
- 単一データを掛け合わせて「人」が判断できる抽象名の付いた概念のグループが対象
オーディエンスターゲティングに含まれるデータ
- デモグラフィックデータ・興味データ
- 検索データ
- リアルの購買データ
大別したオーディエンスデータ
- 内部データ
- 自社(広告主)が持っている情報
- 外部データ
- 自社がもっていない(売買されている)情報
->外部データは一般的に認知のフェーズで活用されるもの
内部データは一般的に欲求・獲得のフェーズで活用されるもの
オーディエンスデータ活用の手法
-
オーディエンス拡張
- CVを獲得したユーザーデータと、同じようなユーザーを探すもの。
->システムだけが機械的に判断できる情報
例)一戸建てを検討しているユーザーデータ -> マンションを調べているユーザー(同じような買切物件を考えているユーザー)
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Look-Alikeターゲティング
- CVを獲得したユーザーデータ(内部オーディエンス)が、外部オーディエンスのどこに所属していたかを探すもの
->システムと人間も判断できる情報
例)
一戸建て資料請求(CV)のユーザーデータ
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一戸建て資料請求ユーザーが含まれる外部オーディエンス(多い順)
1. 不動産オーディエンス
2. 一戸建てオーディエンス
3. マンションオーディエンス
4. 妊娠・出産オーディエンス
5. ペットオーディエンス
↓
一戸建てを検討しているユーザーはペットオーディエンスにも存在
↓
マンションより一戸建てが良いことを訴求するクリエイティブを作成したいと考えた場合、ペットオーディエンスに含まれるようなユーザーに対してはペットが一戸建てではストレスなく飼える事を訴求ポイントにした方が、効果が高い
↓
ターゲットへの特定度が高いので、メッセージ性の強いクリエイティブが作成できる
Look-Alikeターゲティングは、関連がある外部オーディエンスデータの名称が分かるため、オーディエンス拡張が直接的に関連性が強い人を出すのに比べて、今まで知り得なかった顧客像がわかる。つまりマーケターが介在する余地を多くすることができる。
書籍情報
横山 隆治, 菅原 健一, 楳田 良輝 DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門
https://amzn.to/2xUJEQ5
雑感
この辺りの表現はサービスや視点によってニュアンスが微妙に違ったりするので、手法名そのまま先に覚えるより、仕組み自体を把握しておくのが意味ありそう
オーディエンス拡張はターゲティング拡張とも呼んだりする(指すものは同じ)
Facebookなどでは「類似オーディエンス」というのがそれに近そう