Docker ONBUILD を使ってクロスビルド環境を構築する

はじめに

主にやりたいことは、以下 2点です。

• Gitlab CI で クロスビルドをするための Docker イメージを構築する
• ONBUILD で ツールチェインを取り込む

ツールチェインは Yocto で生成しているため、割愛します。

Docker ONBUILD とは

ONBUILD で指定された処理 (ADD/RUN/etc...) は、次のイメージ作成時に行われる。

今回は、ツールチェインとなるバイナリの取り込みをONBUILDする。

手順

以下のような形になります。
1. ベースとなるイメージを作成 (ONBUILDを使ったDockerfileから作成)
2. クロスビルド環境のイメージを作成 (ベースイメージを指定したDockerfileから生成)

1. ベースとなるイメージを作成

Dockerfile

FROM ubuntu:14.04
MAINTAINER yuu

ENV DEBIAN_FRONTEND noninteractive
RUN apt-get update && \
    apt-get install -y --no-install-recommends \
    bzip2
ENV DEBIAN_FRONTEND dialog

RUN ln -s /usr/bin/python3 /usr/bin/python

ONBUILD ADD toolchain.sh /
ONBUILD RUN chmod +x toolchain.sh && /toolchain.sh -y && rm /toolchain.sh
ONBUILD RUN /toolchain.sh -y

RUN ln -fs /bin/bash /bin/sh

Docker Hub を見ていると大体イメージ名に -onbuild を付与していますね。

docker-onbuild

$ docker build -t crossbuild-onbuild:0.0.1 .

2. クロスビルド環境のイメージを作成

Dockerfile

FROM crossbuild-onbuild:0.0.1
MAINTAINER yuu

CMD source /opt/fsl-imx-fb/3.14.52-1.1.0/environment-setup-cortexa9hf-vfp-neon-poky-linux-gnueabi && \
    source /opt/fsl-imx-fb/3.14.52-1.1.0/sysroots/x86_64-pokysdk-linux/environment-setup.d/qt5.sh && \
    bash

toolchain.sh を同じディレクトリに配置 (シンボリックリンクでも可)

docker-build

$ docker build -t crossbuild:0.0.1 .

今回の docker build で Dockerfileに記述していない処理(ONBUILD処理)が走るのが確認できると思います。

まとめ

• ONBUILDを使うことで、フレキシブルなベースイメージを作れる

注意事項

クロスビルドの確認まで起こっていません。
そのため足りないパッケージ(cmake,autotools,...)が発生する可能性があります。