目次
はじめに
最近はClaude Cli、Codex Cli、Gemini Cliなど、
ターミナルで動くツールの方が活発な気もしますが、
私はコーディング支援ツールであるRoo Codeを使っています。
ただ、コーディング支援ツールとして有名なのはCursorですし、
お小遣い制の私にとっては悩んでしまう時もあります…。
そのため無料で使えるVSCode + Roo Codeを専ら使っています。
更に、モデル「code-supernova-1-million」は(2025年10月10日現在)まだ無料!ということもあり、Roo Codeの簡単な説明とRoo Codeで作ったWebサイトの簡単な紹介です。
記事の目的と概要
Roo Codeの全体像を理解し、実践的な活用方法を学ぶ
本記事の主な目的は以下の通りです:
- Roo Codeの基本概念の理解: 多モードアーキテクチャの仕組みと利点を詳しく解説
- 実践的な活用方法の習得: 各モードの具体的な使い方とベストプラクティスを紹介
- 実際のプロジェクト事例の紹介: Next.jsベースの技術トレンドサイト構築プロジェクトでの活用例を詳細に解説
- MCPサーバー連携の活用: 外部ツールとの連携による開発効率向上手法を説明
導入から実践例まで、具体的な事例を交えて解説
記事の構成は以下の通りです:
- Roo Codeの概要と特徴的な機能説明
- 5つの専門モード(Architect, Code, Ask, Debug, Orchestrator)の詳細解説
- MCP(Model Context Protocol)の革新的機能紹介
- 技術トレンドサイト開発プロジェクトでの実践事例
- まとめと今後の展望
Roo Codeの概要と特徴
Roo Codeの基本概念
Roo Codeは、Clineの拡張版として、VS Code拡張機能として動作するAIコーディングアシスタントです。最大の特徴は、単一のモードではなく、開発プロジェクトの様々なフェーズに対応した複数の専門モードを備えている点にあります。
従来のAIコーディングツールは、コード生成や補完に特化していましたが、Roo Codeはプロジェクト全体の開発プロセスを支援することを目的としています。特にOrchestratorモードの追加により、自身で小さなタスクに分解しつつ、各モードにタスクを割り振ってくれます。
革新的な多モードアーキテクチャ
Roo Codeの最大の特徴は、以下の5つの専門モードにあります:
🏗️ Architectモード
- 役割: 計画立案・設計に特化
- 活用場面: システムアーキテクチャの設計、技術選定、開発計画の策定
- 特徴: 高レベルな視点からプロジェクト全体を俯瞰し、最適な設計を提案
💻 Codeモード
- 役割: コード生成・編集に最適化
- 活用場面: 新機能の実装、バグ修正、リファクタリング
- 特徴: 詳細なコード生成と正確な編集を支援
❓ Askモード
- 役割: 質問・調査に強い
- 活用場面: 技術調査、ドキュメント作成、問題解決
- 特徴: 広範な知識と正確な情報提供を活用した調査支援
🪲 Debugモード
- 役割: トラブルシューティングに特化
- 活用場面: バグ解析、エラー解決、パフォーマンス問題の診断
- 特徴: 体系的なデバッグ手法と問題解決のアプローチを提供
🪃 Orchestratorモード
- 役割: 複雑な複数ステッププロジェクトの調整に使用
- 活用場面: 大規模プロジェクトの管理、複数の開発タスクの調整
- 特徴: 複雑なワークフローを自動的に調整し、タスクを効率的に割り当て
これらのモードは、プロジェクトのフェーズやタスクの複雑さに応じて自動的に選択・切り替えが可能で、効率的な開発ワークフローを実現します。また、モードはRoo Codeのマーケットプレース経由で追加・カスタマイズすることもできます。
MCP(Model Context Protocol)との連携
Roo Codeも最近流行りのMCP(Model Context Protocol)が使えます。
MCPサーバーもRoo Codeのマーケットプレースで増やしたり、
自分でjsonファイルに追加することも可能です。
私が使っている主なMCPサーバーとしては以下を使っています。
- serena: セマンティックコード解析ツールを提供
- context7: ライブラリのドキュメントとコード例を取得
私の環境のRoo Codeでは「chrome-devtools」は使えませんでした。
マーケットプレースにもないので、これからかもしれません。
これらのサーバーと連携することで、コード解析、ドキュメント検索などの機能をRoo Code内でシームレスに利用できます。
実践例:技術トレンドサイト開発での活用
ここでは、私の実際のプロジェクト(Next.jsベースの技術トレンドサイト)での活用例を紹介します。このプロジェクトでは、以下の技術を実装しました:
- GitHub API連携によるリアルタイムトレンド取得
- 多言語対応(日本語・英語・中国語)
- AWS Lambda連携によるサーバレス機能
- チャート表示によるトレンド分析機能
Architectモードの実践活用
プロジェクトの初期段階でArchitectモードを活用し、サーバレスアーキテクチャの設計を支援してもらいました。以下のようなプロセスで進めました:
- 要件分析: プロジェクトの目的と技術要件を明確化
- アーキテクチャ設計: AWSリソースの構成とセキュリティパターンを策定
- 技術選定: 使用する技術スタックとフレームワークの決定
結果として、効率的なAWSリソース構成とセキュリティパターンを短時間で策定できました。特に、以下のような設計上の決定がArchitectモードの支援により迅速に行われました:
# AWSリソース構成例
- Lambda関数(データ取得・処理)
- DynamoDB(データ保存)
- CloudFront(CDN配信)
- S3(静的資産保存)
Orchestratorモードによるプロジェクト調整
複数の開発タスクを並行して進める際には、Orchestratorモードが特に有効でした。このモードの活用により、以下のような複雑なワークフローを効率的に管理できました:
- タスク分解: 大規模な機能を小さなタスクに分解
- 優先順位付け: タスクの依存関係を分析し、最適な実行順序を決定
- モード割り当て: 各タスクに最適なモードを自動的に割り当て
- 進捗管理: 各タスクの進捗を監視し、必要に応じて調整
Codeモードによる効率的な開発
Reactコンポーネントの自動生成では、Codeモードの力を発揮しました。特に、複雑なチャートコンポーネントの開発では、以下のようなプロセスで効率的に実装できました:
- 仕様定義: コンポーネントの機能要件とインターフェースを明確に記述
- コード生成: Codeモードによる高品質なコードの自動生成
- カスタマイズ: 生成されたコードの調整と最適化
この点はモデル依存の影響も大きいですが、仕様を伝えるだけである程度動作できるコードを生成してくれました。
MCPサーバー連携の実践例
serena MCPサーバーの活用
serena MCPサーバーを活用したコード分析により、プロジェクト全体の構造理解が格段に向上しました。以下のような活用例があります:
- シンボリック検索: 関数やクラスの定義を効率的に検索
- コード構造解析: プロジェクト全体の依存関係を把握
- リファクタリング支援: コード変更時の影響範囲を分析
まとめと所感
Roo Codeは、多モードアーキテクチャとMCPプロトコルにより、開発効率を根本的に変えるツールだと思います。
最近は色々なツールの勢いもすさまじく、どれを使うか迷いますし、どれが天下を取るか分からない状態です。
私もGemini Cliなんかと併用しつつ使っています。
ただ、Roo Codeについては、開発コミュニティのDiscordでも、結構な頻度でアップデート通知が届くため、まだまだ発展するツールだと思っています。
Roo Codeで実際に作った私の技術トレンドサイトはこちらです。
気軽にGitHubトレンド
・Roo Codeからの「code-supernova-1-million」の利用は
執筆時点(10月10日)では無料ですが、
期間限定のため使用不可になる前にお試しください。
所感
他の競合の勢いや知名度が高くなってきてRoo Codeはあまり表に出にくくなってしまったのかなという印象ですが、MCPサーバーの拡張性や日本語対応している点なども含めてかなり将来性はあるツールだと思っています。
特にchrome-devtoolsは早々に公式対応して欲しいですね…。