いきなり応用情報技術者試験 (AP) 締め切り駆動学習


1. はじめに

はじめまして。ASTPERAです。

この記事は、ITパスポート試験も基本情報技術者試験 (FE)も受けたことがない方のために、7週間もしくは3週間の対策で、応用情報技術者試験 (AP)に一発合格する方法について述べたものです。

勉強を本格化させる日をぎりぎりまで遅らせ、迫りくる試験日のプレッシャーを活かして勉強効率を向上させます。

なお、本記事は、主に勉強方法に的を絞って記述します。

予め試験の概要を公式サイト等で把握した上で、続きをお読みください。


2. この記事の対象者

基本的に、以下の条件を満たす方に向けて書いていきます。


  1. ITについて、ある程度学んだ経験がある。 (実務経験は必要ありません。)

  2. 試験直前の3週間は、最低でも3h~5h/日程度の勉強時間を継続的に確保できる。

  3. 絶対に合格するという強い意志を持ち続けられる。


条件1 (勉強した経験)について

限られた勉強時間で合格することを目標とする都合上、試験範囲の中でも比較的理解に時間がかかる分野について、学んだ経験があることを前提とさせていただきます。

理解に時間がかかりそうだと私が感じる内容を、以下に示します。

これらの意味が何となく分かる方であれば、おそらくOKです:


  • 1の補数、浮動小数点、カルノー図、パイプライン、キャッシュメモリ、M/M/1待ち行列、仮想記憶、OSI基本参照モデル、ARP、ディジタル署名、for文やif文 (プログラミングにおけるループや条件分岐)。

加えて、SQLをご存知の方は有利です。 (私は知りませんでした)


条件2 (勉強時間の確保)について

確保できる勉強時間が少ない方でも、スケジュールを前倒しさせることである程度は対応可能です。

が、締め切りから受けるプレッシャーは弱まってしまうでしょう。


条件3 (強い意志)について

プレッシャーに負けた時点で、合格を手にすることができなくなります。

最後まで自分を信じ抜きましょう。


備考

勉強をぎりぎりまで遅らせるという方針の性質上、勉強スケジュールの遅れが試験の成績にクリティカルに影響します。

このことをご理解いただき、ご自身の責任のもとで実践してください。

とにかく確実に合格したい、という方は、素直にコツコツ勉強することをお勧めします。


3. 勉強スケジュール

ここからが本題です。私の実際の経験に基づき、勉強方法を述べていきます。

本番7週間前から3週間前までは助走で、3週間前から焦って本気を出し始めます。

一日あたりの勉強時間については、本番3週間前までは1~2h/日、それ以降は3~5h/日程度が目安です。

ご自身の進捗や目指す点数に応じて、適宜調整してください。

なお、私が受験を終えた感想としては、本番3週間前からのスタートでも合格できるかもしれないと感じました。

よりスリルを求める方は、リスクを承知の上で試してみてください。


本番7週間前: 試験の全体像の把握

参考書を購入し、軽く目を通します。

どの参考書を選んでも大丈夫なので、さっさと買ってしまいましょう。

強いて言えば、ボリュームの豊富さよりも記述のわかりやすさを重視することをお勧めします。

この本とかいかがでしょうか。

詳細の理解や暗記は、後に問題演習を通じて行います。ここでは、テンポよく読んで全体的な雰囲気をつかむことを心掛けましょう。


本番6週間前: 引き続き、試験の全体像の把握

3週間かけて、試験範囲全体を少しずつ勉強します。

具体的には、応用情報技術者試験ドットコムというwebサイトの過去問道場にて、出題設定を「分野を指定して出題」とし、細かく分かれた各分野の過去問を10問ずつ解いてください。

全部で約20分野なので、1日につき1~2分野が目安です。

この時点でまったく正答できなくても問題ありません。


本番3週間前: 午前対策の本格化

このあたりから、試験が近づいてきた焦りが出てくると思います。

この焦りを味方につけて、ここから全力を出し始めます。

効率よく勉強を進めるためには、よく出題される部分を重点的に攻略することが重要です。

頻出問題集を購入し、2週間でマスターしましょう。

上記リンクはKindle版ですが、私はiPadで同書籍のアプリ版を購入しました。

アプリ版だと、正誤履歴の記録機能やランダム出題機能が使えます。

全部で約400問収録されているので、30問/日が目安です。

1問ごとに、以下の手順を確実に実行してください:


  1. 問題に答える際、正しい選択肢が分かっても、それ以外の選択肢が正解でない理由が明確に分からない場合は「誤答」とみなす。

  2. 誤答となった問題は、すべての選択肢について、わからなかった部分を参考書やインターネットで調べる。知らなかった単語や暗記できていない単語をすべてリストアップし、暗記リストを作成する。

暗記リストに追加した項目は、その日のうちに覚えましょう。

覚えるべき知識の量が多いので、暗記を後回しにすると収拾がつかなくなります。

また、一度覚えても、きっとすぐ忘れます。日をまたいで繰り返し覚えなおしましょう。

暗記リストの作成と反復的な暗記作業には、デジタル単語カードアプリ、Ankiがおすすめです:

覚えたい単語を片っ端からAnkiに登録していけば、あとはAnkiが適切なタイミングで適切な単語を反復学習させてくれます。

なお、Ankiのデフォルト設定では、一日当たりの新規出題単語数の上限が20となっていますが、これを思い切って上限を100~300くらいまで上げて、どんどん暗記していきましょう。 (でないと間に合いません)


※ 略語の暗記のコツ

略語 (単語の頭文字からなる用語)は、展開して覚えた方が暗記しやすいように思います。

VANと覚えるよりもValue Added Networkと覚えた方が良い、ということです。

英単語自身の意味が、暗記を手助けしてくれます。


※ 午前対策の完了度の確認

頻出問題集の内容を完璧に頭に入れられれば、合格に必要なだけの得点力は十分につくはずです。

得点力のチェックのため、試しに試験1回分の午前問題を通しで解いてみてください。

万が一、厳しい採点結果となった場合は、過去問道場の「分野を指定して出題」モードを利用して、不得意な分野の問題を集中的に解きます。


本番1週間前: 午後対策の開始

焦りが最高潮に達しつつあるこのタイミングで、午後対策を始めます。

以下の本がおすすめです:

当日は解答必須のセキュリティ分野を含めて5問解くことになりますが、念のため6~7分野に対して対策しておくことをお勧めします。

上記の本には各分野につき5問掲載されていますが、なにせ試験まで時間がないので1分野につき2問に絞って解きます。

解いた問題中に未暗記の単語が出てきたら、これまで同様に調べて理解し、暗記リストに追加します。

そして、午後対策と並行して暗記作業を継続します。

午後の問題の選び方については、下記の記事で非常にわかりやすく解説されています:


※ 午後の問題の解き方

個人的には、まず10秒で設問を眺める → 問題文を読み、同時に文中の穴埋め問題を解く → 穴埋め問題以外を解く、の順番がおすすめです。

最初の10秒は、穴埋め問題のタイプを確認するためのものです。

穴埋め問題は、与えられた選択肢の中から選ぶものと、自分で単語を書くものとがあるので、どちらのタイプなのかをチェックします。


※ 午後対策は本当に無意味か

ネット上に、「午後は過去問と同じ問題が出題されないから無意味」といった記事が見受けられます。

しかし、私は午後対策は極めて有効だと考えます。

問題で扱われる題材は過去問と違っても、問題の形式はたいてい過去問そのままなので、事前に解き方を把握しておくことは重要です。

なお、解き方を把握できれば十分なため、午後対策についてはたくさんの問題をこなす必要性は低いと考えられます。


※ 勉強スケジュールの遅れの対処方針

勉強スケジュールに遅れが発生し、午前対策が不十分な場合は、午後対策の時間を削りましょう。

午前が何とかなれば、午後も何とかなる可能性があります。

午前で不合格になったら、午後は採点すらしてもらえません。


本番


事前準備

時計のない会場もあるので、腕時計を忘れずに。

また、お昼休みが実質35分しかないため、予め昼食と飲み物を買ってから試験会場に行くことをお勧めします。

(制度上は60分ありますが、最初の約5分は答案回収に費やされ、また午後試験の開始20分前には試験官が部屋に戻ってきます。)


午前試験

見たことのない単語が問題中に出てきても、すぐに諦めてはいけません。

ある程度は国語力で対処出来たりします。

国語力が発揮できる例:


仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。

ア: 仮想サーバで稼働しているOSやソフトウェアを停止することなく、ほかの物理サーバに移し替える技術である。

イ: データの利用目的や頻度などに応じて、データを格納するのに適したストレージへ自動的に配置することによって、情報活用とストレージ活用を高める技術である。

ウ: 複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら、利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。

エ: 利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり、不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。

出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問12


仮想サーバの何かしらを、live = 生きたまま、migration = 移住させる、ということをヒントに、各選択肢を吟味します。

ア: 「仮想サーバ」の諸々を、「停止することなく」「移し替える」ので、正答っぽさがにじみ出ています。

イ: データを移し替えてはいるものの、「生きたまま」に相当する表現が明記されていません。

ウ: 移し替えが何も行われていません。

エ: 「リソースを動的に割り当て」が、生きたまま移し替える動作っぽく感じられます。が、選択肢「ア」と比べると、「仮想サーバ」という表現が明記されていません。

ということで、答えは「ア」です。

「ア」か「エ」かで迷われたかもしれませんが、少なくとも、「イ」と「ウ」を除外することはできたのではないでしょうか。

それだけでも、正解できる確率は1/4から1/2にまで向上します。

逆に、知識がないとどうしようもないときもあります。

国語力でどうにもならない例:


サイバーセキュリティ基本法に基づき、内閣官房に設置された機関はどれか。

ア: IPA、 イ: JIPDEC、 ウ: JPCERT/CC、 エ: NISC

出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問36


こういうパターンは、フィーリングで答えを選んでしまいましょう。

ちなみに正解は「エ」です。


午後試験

こちらも、諦めない気持ちが大事です。

問題文に答えもしくはそれに準ずる記述があることが非常に多いので、神経を研ぎ澄ませて挑めばなんとかなります。

難しいと感じる問題に当たったら、


  1. あせらず深呼吸。

  2. その問題はいったん置いておいて、次の大問に着手。

  3. 心が落ち着いてきたら、もう一回その問題に戻ってくる。


4. まとめ

本勉強法をひとことでまとめると、「4週間で試験範囲を把握し、2週間で午前対策を仕上げ、ラスト1週間で午後対策を仕上げる」となります。

頑張ってください。応援しています。