はじめに
私は10年以上前から個人でwebサービスを開発してきた。
20~30程度公開してきたが、ヒットしたと言えるものは1つしかない。
その収益は大きいものだったので今はそれで生活できてしまっている。
最近は読書も飽きたので、毎日のようにゲームをして遊んでいるけれど、ときどきはてブをみると個人アプリ開発ノウハウ系の記事を目にする機会がある。
その中で語られていることの半分は嘘である、という話を最初にしておきたい。
これからアプリ開発に夢をみている人のための記事であり、私の暇つぶしのための記事でもある。
また、こうやれば成功率をあげられるよという話も最後にしておきたい。
この記事は、まだヒット作がない個人アプリ開発者のための記事だ。
アプリ開発ノウハウ系記事の嘘
ノウハウ系の記事を書いているおじさん達は悪意があって記事を書いている訳ではないと思う。
おじさん達は、第一に成功体験を語って誰かに褒めてもらいたいという感情があるだろう。
または、有名人になってツイッターのフォロワー数を増やしたいというのもあるだろう。
もう1つ大事なポイントは作ったアプリにもっと”無料”でアクセスを集めたいという思いがある。
どこの誰かもわからない人のために、自分が培ってきた経験を無料で配るということは普通に考えてありえない。
ゆえに、はてブに載りそうことを書いてバズらせることを念頭においている。(何年も頑張ってきたとか、努力の証)
また、単に宣伝目的にやると利用規約に違反するので、初心者でなければ誰でもわかるような技術的な話を練り込んでくる。
つまり、読者に対して本当に有意義な情報を与えることなんてあまり考えず(2割ぐらい)8割は自分が作ったアプリの宣伝記事になっている。
少なくとも私にはそう見えて仕方ないし、その作戦は正しい。
営利目的か趣味か
アプリを作っている人たちはだいたいは2つのパターンだ。
・営利目的
・非営利、(趣味または腕試し、スキルアップ目的)
この記事では営利目的の人のための記事だ。
趣味でアプリを作っていて、あわよくばお金を得たいぐらいの人たちはコツコツ作っていればいい。
営利目的で個人アプリを作って成功させるには、なにより宣伝が命
何十ものノウハウ系の記事が何年にも渡って書かれてきた。
基本的には、「数撃ちゃ当たる」だ。
企画だとか、その時代にあったものとか、アプリのデザインが〜とかいろいろあるが、結局そういうのは後からで問題ない。
むしろ、デザインがクソすぎるアプリでさえ毎日数万人が使っているものも存在している。
一番のキモは宣伝だ。
最近では、投銭サービスがリリース直後に炎上したが、あれがある意味では正しい戦略なような気がしている。あれだけニュースになってダメ出しされて「すいませんでした」といって一時停止する。数ヶ月後にちゃんとやりましたので使ってください!とやれば最初からユーザーが集まるという仕組みだ。賢い。このアプリ開発の海をうまく渡っているように私には思えた。
でも、私からすると「このアプリはくそだ!」といってくれる人がリリース直後にいること自体恵まれている環境だと思う。
※もちろん炎上目的で作れなんていっているわけではない
宣伝するにはお金がかかるということを無視しているおじさん達ばっかりでウンザリ
個人アプリであれ、企業アプリであれユーザーを集めるにはお金がかかる。
「数撃ちゃ当たる」という言い回しで記事を書いている人たちは宝くじを買う層なのかもしれない。確かに数撃ちゃあたることもあるが、10個失敗の連続でも心が折れないだろうか。
私としては良いアプリが日の目を見ないまま死んでいくのが辛い。
だから、ちゃんと宣伝費を最初から確保してからアプリを作って欲しいと思っている。
「学生の皆さんにはお金がないと思うからコツコツやるしかない」ではなく「アルバイトでもしてお金をためてからアプリ開発をしてくれ」が正しい。
何も宣伝しなければ3年かかることを計算に入れる
これはアプリだけではない。
個人ブログでもyoutuberでも全部そうだ。
宣伝せずにコツコツやっているだけでは無理。何が無理かというと3年も待てない。
たぶん三ヶ月ほど頑張ったところで「才能がない」と思って放置するパターンになるだろう。
私はそれは違うと思っている。才能がないのではなくお金(宣伝費)がないのだ。
営利目的でアプリを作っているのに宣伝費をかけて赤字になったら目も開けられない
たぶん個人アプリ開発者の気持ちはこうなんだと思う。
でも待ってくれ、アプリがヒットしたら月にいくらぐらいは入る見込みなのだろうか?
月収10万ぐらいは稼げると思っているなら二ヶ月分の20万ぐらいは初期投資してもいいのではないだろうか。
アプリというものは、ヒットしたあとは宣伝は減らしてもユーザーは残ってくれる。
初期投資をせずに使ってもらえないまま死ぬよりもお金をかけて宣伝して、ユーザーからクレームなんかをもらってから死んだほうが次へつながる。これがとても大事であって、この記事でいいたいことだ。
また、一度宣伝しておくとツイッターのフォロワー数を増やせることができるので、次のアプリをリリースしたときに投資を回収できる可能性がある。
個人アプリをリリースするのはそもそも起業の範疇であって遊びではなく仕事
10年以上前、パソコンとネット回線だけあれば広告収入が得られるといった謳い文句でブログやアフィリエイトをやらせようとしていた人たちがいる、もちろん今もいるかもしれない。
今だとパソコン1つでどこでも移動しながら仕事ができるとかなんとか。
一部のヒットしたあとの人はそうかもしれないが、ヒットしたことがない人にとっては嘘の話だ。
パソコンとネット回線と「宣伝費」が必要だ。
アプリがヒットしてお金を稼ぐと確定申告をしなければいけなくなるだろう。
そこで宣伝費は経費にできることもお忘れなく。
お金を稼げば税金との戦いも始まるのだ。
数撃ちゃ当たる? そもそも玉が飛んできていない
個人ブログをやってもアクセスは集まらない。
個人アプリをリリースしてもアクセスは集まらない。
ヒットするには宣伝が必要であって誰か有名人か有名ニュースサイトが一方的に紹介してくれる日を延々と待つという作戦に出るのはおかしい。
自信があってアプリを作っているのであればなおさら、赤字覚悟で宣伝しよう。
「私が作ったアプリがヒットしないんです」的な相談をされると、SEOを頑張れとかいう話にもっていく人がいる。アプリ内検索でも似たような「ASO」といった単語もあるぐらいだ。あほくさ。
金かけてねえから、ヒットしないだけだ。
ベンチャーのアプリ企業がなぜ投資家をさがしているのかというと宣伝費がないからだ。
開発者はいてアプリの開発はできても、宣伝する金がないから投資家を探している。
ヒットした後の人生は立場が逆になることをお忘れなく
最初は頭を下げ倒して作ったアプリを宣伝してもらうが、ヒットした後は今度は頭を下げらる側になる。
「あなたのアプリに広告を載せて欲しい」とったような依頼がわんさかくるようになるのだ。
日本にはこれほど広告代理店があったのかと驚かされる。
また個人からのメールもくるかもしれない。
そこまでいけば今度は回収の作業になる。初期投資に50万ほど使ったとしてもその後ラクラク回収はできるはずだ。
アプリの種類にもよるが。
私のアプリが成功した理由はただ1つ
昔々の話になる。
3年ぐらいろくな宣伝もしていなかったサービスがある日突然ヒットした。
その理由は簡単で、偶然ネトゲで知り合った人が有名ブロガーで「実はこんなことやってるんですよ」みたいな話をしていたら紹介してあげるよということになって、そこから人生が変わった。
早い話、その人のブログにメールで連絡をとって◯◯万円あげるので宣伝してくださいと作った初日にお願いしていればそれだけ早く成功できたに違いない。
リリースしてからデザインも何もかえていないサービスが紹介によってヒットし、サーバーを変えなければいけないぐらい人がわんさかくるようになったという経験をしているからだ。
そういう人が友達にいるなら、あとは「数撃ちゃ当たる」というレベルに入っているが、何もコネもないという人が宣伝費をけちっていれば宝くじに当たるぐらいの確率しかないだろう。
そういった意味でも横のつながり、いわゆる人脈はとても大事だ。
ちゃんと宣伝してもうまくいかなかったら、そこで失敗を認めることができる
まずは最初に使ってくれるユーザーを100人集めることを考えたい。
既にフォロワーが1000人単位でいるのであればツイッターで告知するだけでその目的は達成できる。
しかし、普通のまだヒット作がない個人アプリ開発者にとってはそれすらない。
だから、アルバイトでもしてお金をためて宣伝して欲しい。
また、宣伝してユーザーから不具合があるだとか、こうしたほうがもっとよくなるといった連絡がくるぐらいではないと、完全なる一人遊びになっている。リリースしてもしなくても同じだという意味だ。次につなげるためにもちゃんとユーザーに使ってもらえるようにお金をかけよう。
5万円使って10万円回収するというのがスタンダードになってほしい
口コミだけで100万ヒット!みたいな言葉をときどき見るし、そういうのは開発者にとっては実力が認められたような気がして嬉しいものわかる。
ただ、口コミだけで100万でも宣伝して100万でも同じだ。黒字ならすべてが成功なのだ。
勝てば官軍という言葉をもう一度思い返して欲しい。
ドメインにはお金がかかるし、レンタルサーバーにもお金がかかる。
それと同系列でアプリを宣伝するには5万円が必要だみたいな空気になればもっとヒットするアプリが生まれると思う。(※5万という数字は適当だから突っ込むな)
巷にある無料宣伝サービスはほとんど使う意味がない。
ワンチャンあるとするならば、ゲームだ。
ゲーム紹介ブログにこういうゲームをリリースしたので遊んで欲しいと連絡をすると紹介してくれるかもしれない。
その一方で需要があるアプリなら自然とヒットすることも体験している
お金目的ではなく暇つぶしで現在進行形でアプリをリリースしている。
去年の12月からゲームの合間にやっているが、その中の1つがヒットしている。
といっても、最初は当然1(私のみ)からスタートし、放置状態にもかかわらず1日500アクセスぐらいくるようになっている。毎月最大アクセス数が更新しているwebアプリだ。
そのアプリから見るに、まずはグーグルから人がきて「これめっちゃ便利じゃん」ということでフォロワー数数千人いる人がツイートしてくれた(2人)そこからちょくちょく口コミで人がきている。
(ツイートボタンなんて一切ないアプリだ)
散々宣伝費をかけろと書いてからこういうことを書くにはどうかと思うが、ちゃんとやれば宣伝費なしで当たることもあるかもしれない。ただ、そのアプリは10個作ったうちの1つであり、まぐれのなにものでもない。ちゃんと収益を得たいのであれば宣伝するところまで考えてからリリースするようにしてほしい。
もし真面目に作るなら宣伝から考えてアプリをつくる
アプリのアイデア〜とか企画の話をしたがるおじさん達がいる。
とても素晴らしいが、問題は宣伝だ。
フェイスブックと全く同じアプリをあなたが作って完成させていたとしても宣伝しなければ利用者は0だ。
もし、今後アプリを作ってヒットさせたい(しかも無料で!)というのであれば、何かしらのコンテストに応募したり、◯◯作ったら宣伝してやるよーと有名人がいっているのに乗っかるのが良いだろう。
草一本生えていない状態からアイデアを思いつき、形にし、宣伝もしないまま放置するというのだけはおすすめしない。
まずはどうやって認知を広めていくか?というところからアイデアをスタートさせよう。
そして、1つヒットを飛ばし、フォロワー数が数千、数万となったあとは「数撃ちゃあたる」作戦に出ればよいのだ。初期投資をしない人たちが山ほどいるうちに、逆に宣伝をしっかりして有名人側に入ったほうが10年後を考えたときにおいしい立場になれる。
また、最初から何十万もお金をつかうと思ってアプリを開発するなら緊張感もあるだろうし、少しでも良い状態でだそうとするからレベルアップにもつながるのではないかと思う。
宣伝費をかけろはわかった。いくらかければいいのだ? どこの媒体がいいのだ?
それはそういう専門書があるから読め。
また、これはビジネスであるから失敗することのほうが多い。
なにもかも授業料だと思って100万円ぐらいは赤字を覚悟してアプリ開発をして欲しい。
アプリをヒットさせるにはマーケティングも勉強しなければならない
アプリ開発者のみなさんプログラムだけできればヒットすると思っていませんか。
残念だけれど、お金を稼ぐのはもっと面倒なことみたいだ。
会社には開発部と営業部があり、個人アプリではその両方をやらなければならない。
まとめ
・アプリを成功させるには宣伝が必要で、宣伝にはお金がかかる。
・宣伝してもあとで回収できるので思い切って宣伝しよう、ここでケチるとバッターボックスにたったのにボールが飛んでこない一人素振り状態になる。
・宣伝費をケチらない状態で数打てばいつかあたる。これが正解。