LoginSignup
7
6

More than 5 years have passed since last update.

Windows10とBashとVisual Studio Codeで整えるChef Cookbook開発環境

Last updated at Posted at 2016-09-10

この記事は、「クラウド時代のシステム管理」の記事を転記したものです。

前回の記事でWindows10のBash on Ubuntu on Windows環境がChef Workstation環境としてはおすすめだと書きました。今回は、実際にCookbookをビジュアル的、効率的に開発するための環境を準備するためにVisual Studio Codeを使います。

1. 開発環境の概要

本記事で構築するChef Cookbook開発環境に登場するツールは以下の通りです。

  • Bash on Ubuntu (Windows Subsystem for Linux)が有効化されたWindows10の端末
  • Bash on Ubuntu上で構築されたCehef Workstation環境
  • Visual Studio Code
  • Visual Studio CodeのChef Extension
  • CentOS7上で構築されたChef Server
  • Chefで管理される対象(Chef Client)

これらを使うと、Cookbookの開発からChef Serverへのアップロード、Chef Clientへの展開までを一つのWindowの中で実行することができるようになります。これまで過去何回かWindows上でChef Workstation環境を構築してきた理由は、このVisual Studio Codeによる統合開発環境を使いたかったためです。(もちろん、私がMicrosoft好きなのも理由ですが)

2. Visual Studio Codeのインストール

Visual Studio Codeのインストールは非常に簡単です。こちらのサイトの手順に書かれているインストーラーを実行するだけです。インストーラーが実行され、インストールが完了したらデスクトップにアイコンが作られていますので、一度Visual Studio Codeを実行します。すると次のような画面が表示されます。

VSCode First

この後、BashのTerminalを表示する際に色が見にくくなるので、配色テーマを「High Contrast」に変えておきます。Window左上の「ファイル」>「基本設定」>「配色テーマ」の順にメニューをたどり、表示された選択肢からHigh Contrastを選択します。

3. Chef Cookbook開発のためのVisual Studio Codeの設定

3-1. Chef Extension for Visual Studio Codeのインストール

Visual Studio Codeには様々なExtensionを追加する機能があります。ここではChefのCookbookを書く際によく使うDSLをIntellisenseで自動補完してくれる「Chef Extension for Visual Studio Code」をインストールします。

インストールのためには、画面左側のバーの5番目にある「拡張機能」アイコンをクリックします。すると現在インストールされているExtension一覧と検索窓が表示されるので、ここに「Chef」と入力します。すると対象のExtensionが見つかるので「インストール」ボタンをクリックします。インストールが完了するとVisual Studio Codeの再起動を求められる場合がありますので、そのまま再起動を行います。

ChefExtension

3-2. 統合ターミナルのBashへの変更

Visual Studio Codeには統合ターミナルという機能があり、画面右下にコマンドプロンプトを表示させ、コンパイルや動作確認などの操作が可能です。しかし、今回Chef Cookbookを開発する際はBashを使いたいので、統合ターミナルの設定を変更して、Bashがデフォルトで使われるようにします。

設定を変更するためには、画面左上の「ファイル」>「基本設定」>「ユーザー設定」の順にメニューを進み、ユーザー設定をクリックします。すると既定の設定と変更用の「settings.json」の2つがエディタで開かれます。画面右側に表示されるsettings.jsonにて以下の内容を記述して保存します。

{
    "terminal.integrated.shell.windows": "C:\\Windows\\sysnative\\bash.exe",
    "termnial.integrated.shell.unixlike": "bash.exe"
}

設定を保存してVisual Studio Codeを再起動すると設定が反映されます。設定反映後、画面上部の「表示」>「統合ターミナル」をクリックするか、ショートカットキー「Ctrl + @」を押すとBashが画面右下で起動します。

bash-terminal

これで画面内でChefのKnifeコマンドなどを実行できるようになります。

4. 動作確認

4-1. 動作確認

ここまでVisual Studio Codeの設定編集などを行いましたので、今度は実際のCookbookを開いてみます。画面左のバーの内番上にある「ファイル」アイコンをクリックします。次にBash内での/mnt/c/Users/(ユーザー名)/chef-repo、WidowsでのC:\Users(ユーザー名)\chef-repoを指定します。すると次のようにフォルダが左側に表示されます。

folder-open

以後、Cookbookの開発を画面左や上のエディタ部分で行い、右下のBashでUploadや実行を行います。試しに前々回WindowsにIISを導入したCookbookをChef Serverからダウンロードしてみます。

root@MYCOMPUTER:chef-repo# su - chef-admin                                                
chef-admin@MYCOMPUTER:~$ cd /mnt/c/Users/aniku/chef-repo/                                 
chef-admin@MYCOMPUTER:chef-repo$ knife cookbook download IIS
(以下略)
chef-admin@MYCOMPUTER:chef-repo$ mv cookbook/IIS-1.0.0 cookbook/IIS

4-2. Gitの管理機能

Cookbookのダウンロードを行うと、Git管理下にファイルが追加されるため、画面左の3個目のアイコンであるGitアイコンに変更されたファイル数が表示されるようになります。そこで、ステータス確認のためGitアイコンをクリックします。

git1

変更されたファイル一覧が表示されており、メッセージ入力欄とその上にチェックマークがあります。ここにメッセージを入力したうえでチェックマークをクリックすると、git commitされます。

git2

このように、一つのWindowの中でCookbookの編集、アップロード、Git処理がすべて完結します。

4-3. Tips(自分のための備忘録)

Visual Studio CodeのWindow内でのテキストのコピーと貼り付けは、統合ターミナル内かどうかでショートカットキーが異なります。さらに、Visual Studio Codeのバージョンが1.4以上か、1.3以下なのかでもショートカットキーが異なります。

場所 コピー 貼り付け
統合ターミナル以外 Ctrl + c Ctrl + v
統合ターミナル(v1.4以上) Ctrl + Shift + c Ctrl + Shift + v
統合ターミナル(v1.3以下) Ctrl + Insert Shift + Insert

これまでOpen Sourceの世界にいた方はLinuxなどのテキストベースの開発環境のほうがなじむと思いますが、逆にWindowsベースで開発をされてきた方はVisual Studioから出発したほうがスムーズにChefの学習ができるのではないでしょうか。また、Open Sourceの世界の方にも、Visual Studio Codeで統合開発環境(IDE)の良さを体感できるのではないかと思います。

7
6
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
6