1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

シリコンフォトニクスに代表される光集積回路(Photonic Integrated Circuit:PIC)のデバイス解析では、複雑な構造をどう効率よくモデリングするかが大きな課題になります。

本記事では、Pythonベースのオープンソースツール:GDSFactoryを用いて光コンポーネントのレイアウトを自動生成し、フォトニック解析ソフトウェアであるAnsys Lumericalに連携して解析を行うワークフローをご紹介します。

複雑な形状のモデリングを手作業で行うのが大変だと感じている方の参考になれば幸いです。

GDSFactoryとは?

GDSFactoryは、Pythonで大規模な光集積回路のレイアウトを自動生成できるツールとして、世界中で利用されているオープンソースのCAD生成ツールで、以下のような特徴があります。

  • 豊富なComponent Libraryを標準で提供
  • GDSII形式でのファイル出力に対応
  • 自動生成・パラメトリック設計に強い

公式ドキュメント・インストール方法はこちらをご参照ください。

今回、GDSFactoryを使ってモデルを作成し、それをAnsys Lumericalで読み込んで解析してみましたので、一連のフローをご紹介します。

ワークフロー概要

今回紹介するワークフローは、大きく以下の2ステップです。

Step1: GDSFactoryでモデル作成(GDSII出力)
方向性結合器(Directional Coupler)を例にモデル作成し、GDSII形式でのファイル出力を行います。

  • GDSFactoryの Component Library からコンポーネントを呼び出し
  • Pythonスクリプトで形状パラメータを設定
  • GDSII形式(例:directional_coupler.gds)でファイルを出力

Step2: Ansys Lumerical FDTDで解析

Step1で作成した GDSIIファイルをLumerical FDTDにインポートし、解析を行います。主な設定内容は以下の通りです。

  • 材料設定
  • 高さ(厚み)寸法の設定
  • 解析領域・境界条件
  • ポート設定
  • 電磁場モニタ設定

⚠️ 注意点
GDSIIファイルには「材料情報」や「厚み情報」は含まれません。これらはLumerical側で設定する必要があります。

実行結果

Step1: GDSFactoryでモデル作成(GDSII出力)

今回使用したスクリプトは以下になります。

import gdsfactory as gf

c = gf.components.coupler(gap=0.236, length=20, dy=4, dx=10, cross_section='strip', allow_min_radius_violation=False, bend='bend_s').copy()
c.plot()
c.write_gds("directional_coupler.gds")

GDSFactory Component Libraryに各種コンポーネントに対応したスクリプトや形状パラメータなどの詳細説明が公開されています。

作成されたモデルは以下になります(dx、gapなどの寸法情報は筆者が書き加えました)。

方向性結合器のモデル.png

このモデルがGDSII形式で出力されます(ファイル名:directionarl_coupler.gds)。

Step2: Ansys Lumerical FDTDで解析

Step1で作成したファイルをLumericalで読み込みます。

方向性結合器のモデル2.png

方向性結合器の厚さは220nm、材料はシリコンに、周囲材料はSiO2に設定しました。光源は、基本TEモードの1440~1660nmのブロードバンドの光としました。電磁場モニタの他、ポートを設定することでSパラメータも取得できるようにしました。

解析結果の例としてPort1から光を入力した際の電磁場分布とSパラメータ(S31、S41)を示します。

解析結果.png

全て手作業で行う場合に比べて、モデル作成~解析までの一連の流れを非常にスムーズに行うことができます。

まとめ

GDSFactoryのComponent Libraryを活用することで

  • 複雑なPIC構造のモデリングを 大幅に簡略化
  • パラメトリック設計や自動生成が容易
  • Lumerical FDTDとの連携で解析までスムーズに実施可能

というメリットがあります。

特に、手作業でのモデル作成に時間がかかっている方や、光集積回路の設計・解析をPythonで効率化したい方には非常に有効なアプローチだと思います。

※本記事は筆者個人の見解であり、所属組織の公式見解を示すものではありません。

参考リンク

別の記事では、GDSFactoryを使って、レイヤー設計も含めたCADパターンを作成する方法についてもご紹介してますので、こちらも是非ご覧ください。

【GDSFactory×Klayout×Python】光導波路のCADパターンをPythonで作成

問い合わせ

光学シミュレーションソフトの導入や技術相談、
設計解析委託をお考えの方はサイバネットシステムにお問合せください。

光学ソリューションサイトについては以下の公式サイトを参照:
👉 光学ソリューションサイト(サイバネット)

光学分野のエンジニアリングサービスについては以下の公式サイトを参照:
👉 光学エンジニアリングサービス(サイバネット)

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?