量子コンピュータ

【コラム】人工衛星と量子コンピュータで空から全世界を最適化する


はじめに

MDRでは昨年より人工衛星を活用した画像認識に取りかかっています。このテーマはNASAもD-Waveを使ってQboostというアルゴリズムのリバイバルを通じて地表面の二値分類をしています。興味のある方は論文を読んでみてください。

Deploying a quantum annealing processor to detect tree cover in aerial imagery of California

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0172505

一昔前でしたら途方もない話ですが、最近はSpaceXによる衛星の打ち上げも活発化し、衛星ベンチャーも珍しくなくなってきました。米国Vectorのようなサービスを展開している企業も魅力です。

https://vector-launch.com/


空から分析する

空から分析する手法は一昔前は手探りでしたが最近はディープラーニングのおかげでだいぶ方向性が決まってきました。弊社MDRでは主にGPUを活用した物体認識の既存機械学習・深層学習アルゴリズムを活用し精度と速度のバランスを見ながら地表面の物体認識を進めています。

物体認識アルゴリズムは量子コンピュータではまだそこまで進んでおらず実用性に劣るので、部分的にQboostのような量子ビット数を活用できるモデル(ボルツマンマシンはきつい)を活用も進めています。

空から分析するということは物事を俯瞰し、インフラへの影響や経済動向が一目瞭然になります。

1.png


空から最適化する

イジングマシンのようなものを活用する際の情報は俯瞰的な情報を使うことがおいいです。例えば羽田空港から新国立競技場までの最適化は、衛星情報を使います。

2.jpeg

上記は弊社の作った交通混雑計算アプリですが、自動車の配置と目的地を活用することで、最適化をすることができます。コスト関数と呼ばれる指標は主に道路ネットワークの混雑を見ますので、混雑を見ることで解消をすることができます。量子コンピュータを活用するためにはそのデータ取得方法も問題になります。

特に量子アニーリングマシンは瞬時の計算ができるので、逐一計算に優れていますので、道路ネットワークの問題では量子シミュレーションを行う汎用ゲートマシンよりも優れているかもしれません。

かつ渋滞がひどくてクラスタができている状態を相転移によって解消するというのに優れているかもしれません。どちらにしろ空から情報を取るということは量子コンピュータにとってとても大事です。


膨大なデータ量

地表面を分析するということは特定のエリアの分析から船の航路のような広範囲にわたるような分析までを自動化する必要があります。複数の技術を組み合わせることでようやく何ができるかが見えてきました。

まだ量子コンピュータでは入出力含めてそこまで大きな計算はできませんが、イジングマシンは少しずつ規模も大きくなっています。量子ビット数と接続数を拡大したまま計算精度が改善できればとても優位な状況が作れるでしょう。


今後の展望

まだまだ衛星画像を利用した取り組みは始まったばかりです。物体に新規はGPUをメインに使い深層学習のアルゴリズムを活用します。一方エリア分析には部分的にイジングマシンが使えます。ゲートマシンの活用はまだもう少しかかりそうです。ハイブリッドを活用して広範なデータ分析をして最適化をすることで見えてくるものがありそうなので、引き続き研究開発を進めます。