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MUFGデジタルアクセラレータ第3期企業として量子コンピュータ開発がすっご〜く進んだ話

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はじめに

実は最近Qiitaのブログを全て下記の

https://blog.blueqat.com/

に移動したのですが、Blueqatがオープンソースソフトウェアとして本格的に活動ができてきたので、これを機に個人的なことはQiitaに再度掲載するようにします。今回はMUFGデジタルアクセラレータと呼ばれる三菱UFJ銀行さんのアクセラレータプログラムに参加してよかったなという話を書きます。

MUFGデジタルアクセラレータとは?

MUFGデジタルアクセラレータは、金融サービスに変革をもたらす熱意を持った起業家・ベンチャー企業の方々と、フィンテックやAI、ブロックチェーンなどで革新的なビジネスの立ち上げを目指すプログラムです。

https://innovation.mufg.jp/accelerator/

三菱UFJフィナンシャル・グループの主催するFintechのアクセラレータプログラムで、主にベンチャー企業が応募をして銀行様と一緒に事業化を進めて、いい事業化ができそうなベンチャー企業が表彰されるというプログラムです。

時間はとても短期で、4ヶ月で仕上げなくてはいけません。

https://innovation.mufg.jp/detail/id=249

ビジネスは?

弊社はMDR株式会社といいまして、「量子コンピュータ」をフルスタックで開発しています。フルスタックとはハードウェアからソフトウェアまでを指していて、主にユーザーが使うフロントエンドのSDKやアプリケーションのチームと、チップを設計して冷凍機に入れて測定するハードウェアチームに分かれています。

https://mdrft.com/

現在は主に量子コンピュータ向けのアプリケーションの開発や研究調査や、その技術力を生かして業界動向を把握してビジネスコンサルティングなどを行なっています。また、アプリケーションなどは実際に実装をして納品をするというのが特徴で、量子コンピュータ向けのアプリケーションはまだまだこれからと思われているかもしれませんが、既に結構な数を納品しています。

今回MUFGデジタルアクセラレータに応募したきっかけは?

量子コンピュータ関連では実は当初から金融関係が盛んでした。金融関連の問題と2012年に登場したD-Waveと呼ばれるマシンの親和性が高いと言われていてさまざまなアプリケーションが開発されました。また、量子ゲート方式の量子コンピュータでは将来現在の暗号が現実的な時間で解けてしまうという問題もあり、金融と量子コンピュータは切っても切れない縁があります。

そんななかおかげさまでMUFGデジタルアクセラレータに応募して無事参加することができました。ちなみに当時はまだまだ会社も小さく、社員は2、3名ほどの零細でした。2019年初頭現在は急激に大きくなり20名前後がいます。MUFGデジタルアクセラレータプログラムはそれほどインパクトのあるものでした。

きっかけは知り合いからこういうのがあるよと言われて、前年も応募してすっかり忘れていたのですが、締め切り直前にまた進められて急いで資料を作ったという思い出があります。

4ヶ月のざっくりの印象は

今思い出してもとても密度が高く、とても4ヶ月とは思えない日々でした。メンターの方々も運営の方々もすごい毎週、毎日のように連絡を取り合って頑張りました。今考えても他社ではこの密度はなかなか出来なんではないかなというくらいでした。

多すぎて自分の予定が経たないくらいでしたが、それに負けじと頑張って会社の人が一人ずつ増えていく中で頑張って進めていきました。

基本的には細かいスケジュールが立っている&終わりが決まっていますので、それをとにかく全てこなすというのがありました。あとは、言われたことはすべてやる。試せることは全て試す。あとはやはりメンターの方々の言葉はかなり経験があってプラスに働くことばかりでしたので、その言われた通りに行動しました。

受験勉強ではないですが、とにかく言われた通りにこなして前に進むということをしました。

https://innovation.mufg.jp/detail/id=283

何が違ったか

印象的だったのは、現場の方々の力量がすごいということでした。流石に一流の銀行ですので、現場の方々に優秀な方々がゴロゴロしていていて、意見1つ1つに妥協がないため吸収して理解するのにとても苦労しました。なので打ち合わせはかなりつかれます。あとはプレゼン能力も基本的に自分よりも全然皆さん上だったので、その通りにやることでうまくいきました。

あとは、現場目線で物事を見るため、量子コンピュータだからとか、まだこれからの技術だよねということに対してあまり贔屓がなくて、つかえないものはつかえないという意見がとても重要でした。そしてこの現場の厳しい意見こそがMDR社を大きく前進させることに。

IBMマシンを使う

一番今回のアクセラレータで進んだのは、現場の方々の量子コンピュータ業界の常識にとらわれない客観的でドライな意見でした。当時量子コンピュータで金融といえば量子アニーリングを使うのがほぼ常識でした。なぜなら提案されていたネットワーク問題は大体が組合せ最適化問題で、ポートフォリオ組み合わせ最適化問題や、アービトラージ、その他資産運用も大体が組合せ最適化問題だったために、MDR社も当然量子アニーリングを使ってやると思っていました。

結果として銀行側はかなりの調査が進んでいて、IBMマシンを使うという謎の先見性があり、当時弊社の中で常識的と思われていた量子アニーリングの検討ではなく、最終的にゲート式の検討を進めることに。

これはおそらく昨年の時点で日本で量子アニーリングが大勢(まだそうですが)の状況で、量子ゲートに踏み出すというのはかなりのチャレンジでしたが、結果としてこれが大正解でした。今まで誰もチャレンジしていないからこそ価値があるというベンチャーの価値に立ち返ることができて、ここで大きく世界のトップベンチャーに近づくことができました。

量子コンピューター、金融大手が活用へ
暗号破りに備え、運用手法の最適化も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35518520Z10C18A9EE9000/

同時に風当たりも強く

当時は大きく事業化に向けて進み、弊社でしっかりと定まっていなかった製品群が綺麗に決まってきました。当時はまだ外部に対してこれというわかりやすい形の製品がなく、なんとなく量子コンピュータ関連を手がけて受注していましたが、明確に量子アニーリング向けのSDKという形で、

wildcat

とよばれるSDKを提供し始めることができました。そして、これもアクセラレータ内での意見で、cを量子コンピュータぽくqにしたらという意見により、最終的に

wildqat

となりました。これによってMDRはさらにわかりやすい武器を手に入れて、wildqatで既存のアプリケーションをかたっぱしから動かすことができました。これまで論文や紙の上ではみんななんとなく知っていた量子コンピュータのアプリケーションが、目の前のwildqatをつかって実現することができるようになりました。

そして同時に、形になるにつれて周囲からの風当たりも強くなってきました。アプリケーションが完成するにつれて、一部からは偽物と呼ばれるようになってきて外部から反発も強くなってきましたが、そこも謎の銀行パワーによって助けられた気がします。

結果

結果として準グランプリをいただきました!量子コンピュータ企業がきちんとしたベンチャーのピッチで準優勝。。。まさかの結果でした。それほど検討内容がしっかりと体系づけられており、きちんと詳細を検討できていたと思います。

https://innovation.mufg.jp/detail/id=275

結果として弊社MDRも三菱UFJ銀行様と協業を発表することができました。

その後

その後はその翌月に量子ゲート方式のSDKのBlueqatをリリースしました。当時はまだ方向性も見えていなかったのですが、MDR社としてそのSDKを一定レベルまであげることができ、最近Blueqat+Wildqatを統合しました。

そして、最終的にBlueqatはまた最近オープンソースソフトウェアとしてMDRを飛び出してより多くのかたに使ってもらえるように歩き始めました。MDRではBlueqatを引き続きサポートして主に日本語での活用やアジアでのサポートを中心にビジネスを展開したいと思います。

Blueqatは量子ゲート方式と量子アニーリング方式を同時に利用でき、D-Wave社のマシンとIBM社のマシンに同じソフトウェアから投げられるというとても珍しい方式を持っています。さらにプログラミングが苦手な方にも短くかけますし、インストールもなるべく失敗しないように簡単に作られています。プロの方でも短くかけた方がいいと思いますので、これから世界が真似するようないい方法ができたのではと思います。

from blueqat import Circuit
Circuit().h[0].cx[0,1].m[:].run(shots=100)

というように特殊な計算がとてもコンパクトにかけます。興味ある方は下記からstarして使ってみてください。

https://github.com/Blueqat/Blueqat

現在

結局現在はあれからわずか半年で人数は20名程度。MUFGデジタルアクセラレータが始まった時から比べると10倍になりました。事業も安定しています。

特に今後強化するのが、ミドルウェアとハードウェアで、昨年の年末に国際会議で発表したとおり、本物の量子コンピュータのチップである量子ビットを作ることに成功しました。

世界でも量子ビットの設計ができて作れた企業はGoogleなどを含めて数社しかありませんので、その技術力を生かしてどんどん先に行きたいと思います。

https://mdrft.com/2018/12/13/qubit/

これからチャレンジする人や他の類似にチャレンジする人

とにかくチャレンジ時点で問題点を把握する必要があります。問題点が見えてない場合にはメンターの方々にとにかく見つけてもらってそれを解決しましょう。何か大きなことを成し遂げる前に少しずつ壁を超えて行けるところまで行けるのが大事です。そのような機会を得ることができて関係者の方々には大変感謝しています。

YuichiroMinato
最近はblueqat.comの方でもブログを書いてます。
https://blueqat.com/
mdrft
量子コンピュータのアプリケーション、ミドルウェア、ハードウェアをフルスタックで開発
https://blueqat.com/
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