初めまして、tabiwaトラベル のPdMを担当している新居です。
今回はサービスへの参画をきっかけに実施したフィールドワークについて書きたいと思います。
はじめに
私は長年、toC向けのメディアサービスにPdMとして携わってきましたが、
その多くはSNSやブログなど、画面内で体験が完結するものでした。
旅行や観光など画面では完結しない「リアル」の移動・体験と密に関わるサービスを担当することとなったことをきっかけに、
・サービスと人との接点
・どのように活用され、どのような感情が生まれるか
など、基礎的な情報インプットの一環としてフィールドワークに出ることを決めました。
tabiwaのチケットについて
tabiwaには各種の交通手段がセットになった「周遊パス」や「観光施設の見学」「グルメ割引」など、旅行を充実させるための様々なチケットを提供しています。
今回は、数日の余暇を使ったプチ一人旅というイメージで、
岡山県の自然豊かな山あいの地域を散策することにしました。
せっかくなので個人的にも訪れたことのなく、
tabiwaでも周遊パスが充実している岡山県を目的地にしました。
購入したチケットは『津山・因美パス』で、
地元の電車、バス、乗合タクシーがそれぞれ1日乗り放題で利用できます。
(※こちらは現在終売となっております。)
対象エリアを地図アプリでもチェックしたのですが、
JR津山駅を中心とした、周辺の異なる地域を広くカバーしており、
日常の交通手段としても利用できるよう設計されていると感じました。
JR因美線とデマンド交通で津山を巡る
今回のフィールドワークを、以下のルートに決め、
チケットを利用し往復しました。
①JR津山駅から因美線を利用し美作加茂駅へ。
②美作加茂駅からデマンド交通(乗り合いタクシー)で、散策路の入り口へ。
電車の乗降
JR津山駅で駅員の方にパスを見せ、改札を通過し電車に乗りました。
利用した因美線はワンマンカーのコンパクトな電車で、降車時に切符を渡すため、運転士の方にパスを見せて降りました。
周遊チケットは利用機会が多いのか、駅員・運転士も確認作業はスムーズで乗り降りすることができました。
デマンド交通利用
デマンド交通を利用するためには前日予約が必要であることがチケットページに記載されていたため、因美線の時刻表を見て、散策ルートと時間、デマンド交通の乗り降り場所や時刻を決めました。
※乗り降り場所の設定操作はかなり操作が難しく、今後の改善ポイントにもなりそうです。そういったことも学びです。
現場で得た「安心」と過疎地域を支える人々の力
目的地の美作加茂駅周辺は行き交う人々も少なく、過疎地域のエリアです。
閑散とした風景を見て、デマンド交通が時間通りに来てくれるか、少々不安な気持ちがありました。
実際は、駅員の方の誘導もあり待機場所に迷うことなく移動し、乗り合い交通も時間通りに到着、全て予定通りに利用できました。
車を待つ間は駅員の方と会話することもでき、地元の方とシフトを組んで、駅業務を行なっていることを知りました。
また、因美線の本数がかなり少ないことから、駅の利用者へ帰りの時刻についての声がけもされていました。
このような細かなサービスの付加価値を体験すると共に、過疎地域の交通を支える現実も知ることができました。




※駅構内には時刻表とともに、移動生活ナビアプリ「WESTER」でのデジタルサービス提供案内を知らせるポスターも掲示されていました。
デマンド交通の乗車中でもサービスに関連する質問をすることができました。
・お年寄りの方が通院のために利用する機会が多い
・tabiwaの周遊パスはなかなか見ない
・サービススタート時は電話予約しかできず、不便だった
ここにも、実際に足を運んでみて手にする情報がありました。
また、運転手の方による手作り観光マップをいただくなど、素敵なおもてなしも受けました。
学びをプロダクト改善へ
今回のフィールドワークを通して、
ユーザーの様々な年代層や生活地域、周囲の交通事情を考慮した企画の検討、
様々な年代にとって操作しやすいUXの提供の重要性など、
実際に足を運んだことで貴重な情報や示唆を多数得ることができました。
また、人々の日常・非日常に対して密接に関わるサービスに携わっていることを
改めて実感しました。
これらをサービス改善に向き合う素地とし、「画面」の先に生まれる「体験」にも
常にイメージを働かせながら、企画や仕様検討に活かしていきたいと思います。
