SMSを導入しようとしてもどれが良いかわからない、導入しても運用がうまくいかないといった課題をうまくのりこえられず、導入が頓挫したり導入後に徐々に運用されない場合が多くあります。導入した経験から幾つかのキーポイントを列挙したいです。(2分で読めます)
☆要点
1:安い価格を選ぶ
2:セグメントを行う
3:送信者名仕様に惑わされない
4:ルートをたくさん保有している会社を選ぶ
5:APIがしっかりしている会社を選ぶ
6:偽SMSをブロックしてくれる会社を選ぶ
☆詳細
1:安い価格を選ぶ
ビジネスツールですので、お金が絡んできます。郵送費用より安く、Emailよりコンバージョンが良いということで、15円や10円で導入される企業が多いと思います。導入時はそれでも良いのですが、導入後まで考えると高いです。導入後はお客がどれだけ獲得したか、どれだけアクセスしたかなど導入前と基準が異なります。ある人材紹介会社では送った金額に見合う反応がなかった、契約したけど使用しなかったなどの声が散見されます。またある通販会社では高くて採算が見合わない、資金があるIT企業でも「う~ん、毎年のコスト削減で。。。」と声が聞かれます。海外では一方通行のSMSは1通数円で初期月額がないのが普通です。また安い価格を提示できるのは、採算がとれていて、取り扱い通数が多く、設備もしっかりしている証でもあります。価格(単価)はプロジェクト損益に直結する要素ですので、安い価格(単価)をできるだけ選ぶことが良いと考えられます。
マーケット的には、プラスメッセージ(RCS)でLineと同じようなことを行う方向に目が向いていますので、今後ますますこの傾向が顕著になるのではと個人的には考えています。
2:セグメントを行う
日本ではバルク(一斉)的に送る傾向が多いです。Webマーケティングや通常のマーケティングではよくこういう層でこういう条件を兼ね備えた顧客をターゲットとしてやっていこうと決めますが、現在の日本のSMS送信者ではそうではなさそうです。海外ではセグメントを行うことでコンバージョン率を上げている例が多くあります。このセグメントはエクセル上でもよいですし、CRMやプラットフォーム上で行う方法もあります。是非このセグメントを行うことをおすすめします。SMSは、ハードウェアーや家電とは異なり導入しただけでは、効果は限定的です。セグメントなどを行うことで本来の効果が出始めてきます。あるSMS会社では、プラットフォーム上でセグメントを行える機能を備えていたりしますので、是非このセグメントを行って見てください。
3:送信者名仕様に惑わされない
日本は長く国内通信(電信電話公社)と国際通信(国際電信電話)に棲み分けられていた経緯があり、国内向けと国際向けではその仕様に違いがあり今もその制度上なごりを残しています。
日本では03などで始まる国内電話番号表示されますが、海外から日本に入ってくる国際通信ではアルファベットや乱数で表示されます。日本の法令ではこの仕様から送信者名をこのようにしてくださいという制限はなく、携帯通信会社と日本のSMS会社間でこのような仕様で送信してくださいと民間レベルでの取り決めがある程度です。ですので、乱数表示されていてもなんら問題がないのです。
ここをはき違えると「1.安い価格を選ぶ」に影響を与え本末転倒になってしまいます。
また、SMS送信後に受信者からのCallBackを期待するあまり電話番号表示を選択する顧客もいらっしゃいますが、現実の世界では異なるようです。送信者名よりも、セグメントやタイミング、文面がキーになります。電話番号表示に依存すると当初の予想期待と異なり、思わぬ落とし穴にはまるケースが多くあるようですのでご注意ください。
4:ルートをたくさん保有している会社を選ぶ
通信の世界ではITシステムの不具合から通信がストップすることはつきものです。特にパスワード、PINコードやReminderを送る場合は送信がその時点でストップすると消費者の購入機会を失うばかりでなくビジネスが継続されないので、気をつけるべきです。昔は国際SMSはゲートウェイでブロックされるなどと言われたものですが、現在ではそのようなことはなくなりました。寧ろ国際SMSの方がバックアップがしっかりしている場合が多いです。それはSMSはヨーロッパで生まれたメッセージ形式で様々な自体を想定して運営しているからです。
次に携帯通信会社へ回線を直接収納すると高いと言われますが、取り扱い通数が多いと高くはならない為、「直収だから高い」という文言を聞いたら通数取り扱いが少ないと思った方が良いと個人的に考えます。
3点目として、着信率をよく比較項目に上がりますが、内外比べてもあまり意味がないレベルになっているようです。
5:APIがしっかりしている会社を選ぶ
それぞれの会社がAPIを保有しています。APIはその会社の技術レベルを判断する一つの材料で、どれくらい簡単に接続でき、将来どれくらい拡張できるかを示していると思われます。なぜなら、SMSはあくまでメッセージングの機能の一つでしかなく、SMSで反応がない人は他の方法で連絡するしかないからです。現在のところ接続は1日で行えるのが通常です。
6:偽SMSをブロックしてくれる会社を選ぶ
有名企業の名前を語り、現金やプリペイドカードをだまし取る犯罪が一時より減りましたがまだ後を絶ちません。お化けのように「出た!」では済まされず、折角高い価格で物やサービスを売れるようにブランド化した努力が水の泡になったり、SMSで顧客に連絡する手段を奪われるなどの実害に発展します。SMSが進んでいる海外では、詐欺文句などが入ったり、同じ送信者名を使わせないようにブロックする会社があり、安心感からかその会社がシェアーを伸ばしています。私が調べた限り日本では外資系2社で自主的にブロックしています。お化けのように夏だけ出てくれれば良いのですが、実際は季節を選ばずに出てきますので対策されると良いです。
以上6点ですが、SMSをご検討や運用される方の参考になればと思います。