皆さんは、毎日の頭脳労働の中で次の様な状態に陥った事は無いでしょうか?
- 集中力が無くなり、思考が停滞する。
- 作業を進めるための情報が少なく、遣り方が見えない。
- 何かに躊躇していて、重大な事でなくとも決定できない。
- 段取りが抜けていて、次の作業へ直ぐに移れない。
- 思考がループしていて抜け出せない。
- 今出来ない一寸、横に退けていよう。
ここに載せた様なことが頭脳労働のムダです。
の頭脳労働のムダを是正する方法についてご紹介します。
二人一組での作業
常識的、論理的に考えると、一つの仕事を二人で担当する事は、大変な非効率と考えられますが、頭脳労働者(=知識労働者:状況に応じて異なる意思決定と行動が取れる労働者のこと/ピーター・ドラッカー(経営学者))にとっては、必ずしもそうでは有りません。
皆さんも経験があると思いますが、人に話す(声を出して考える)と自分の考えが意外にも、すらすらとまとまる事はありませんか?
また話すことによって人から自分の論理の矛盾を指摘された事は有りませんか?
頭脳労働者が二人で仕事をすると、思考錯誤や思考ループ等のムダを排除でき、結果的には、二人分以上の生産性を出す事が可能です。
さらに自身の理解度も判り、その時点での不足知識を浮き彫りにも出来ますので、品質に対するムラも排除できます。ソフトウェア製造において採用されるアジャイル開発のプラク ティスであるペア・プログラミングでも同様なことが言えます。
タイムボックス(決められた時間での作業)
従来の仕事の仕方は、なるべく良い結果を得る為に、熟慮を重ねて漏れの無い様にと考え時間に対して最大限(ある種無制限に近い)に使用するといった考え方が主流でした。(正解主義に通じる)
作業者の行動基準は、何らかの作業の一区切りを作業単位として考えています。頭脳労働にこの考え方を適用するとエンドレスになる危険性があります。それは作業が一区切り着くまでは作業完了と見なされないからです。
また、人夫々によって完了に至る時間がまちまちである為に、頭脳労働をチームで実施する場合は、この考え方が計画を大幅に狂わせる原因の一つとなります。
時間は有限なリソースであると言う考えに立って、一定の時間内で作業を完了させると言う意識変革が作業者に求められます。
これは別の表現をすれば作業者は常に時間を守る為に意思決定を迫られるという事です。今判っている事による結果出しをすすめる適応主義になるということです。
ソフトウェア製造において採用されるアジャイル開発のプラクティスであるイテレーショ ン・スプリント等でも同様なことが言えます。
簡単に説明してきましたが、頭脳労働そのもの自体を『見える化』してムダとりをするのではありませんが、二人一組の作業スタイルやタイムボックスという時間枠を採用する事 で頭脳労働の改善を進めることが可能なのです。
この活動を従来の上下関係で実施するのでは効果よりも『やらされ感』による弊害が出 ますので注意いただきたいです。
『二人一組での作業スタイル』と『タイムボックス(決められた時間での作業)』は様々な頭脳労働の現場で適用できることが分かっており、私も日々の実務の中でも実施しております。
ぜひ、皆さんの現場でもチャレンジしていただきたいとお勧めします。