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TeX(LaTeX)で虫食い算を作る方法(6)(musikui.styの説明)

Last updated at Posted at 2018-03-29

はじめに

タイトルは「TeX(LaTeX)で虫食い算を作る方法(6)」です。つまり、割り算だけではなく、掛け算についても言及します。
2018/04/29にCTANに上がり、TeXLive2018に取り込まれました。

さっそく本題

前回の記事では、割り算のパッケージを作成したことについて説明していましたが、今回、掛け算のパッケージと統合することに成功しました。
それがこちらです。

構成に関するコマンド等

musikui.styではmusikui環境を提供しています。これは虫食い算一つにつき一回ずつ使います。

そして\kake\wari\musi\senの系4つの表現に必要なコマンドを提供しています(穴に関するコマンドは後述します)。
以下、その説明を行いますが、このパッケージが提供するいくつかのコマンドにわたす引数の特徴として、要素を表の&でつなぐ必要があります。注意してください(例としては{1&2&3}などです)。

\kake

\kakeコマンドには3つの引数をわたしてください。前から順に掛けられる数掛ける数です。

\wari

\wariコマンドには\kakeコマンドと同様に3つの引数をわたしてください。前から順に割られる数割る数です。

\musi

\musiコマンドには2つの引数をわたしてください。前から順に一つの段の穴右端からのマス数です。

\sen

\senコマンドには引数はいりません。これを書いたら横線が引かれます。

\bubunsen

\bubunsenコマンドには引数が2ついります。前から順に線の長さ右端からマス数

穴のコマンド

musikuiパッケージでは穴に関して6つのコマンドを提供しています。それは以下のとおりです。

  • \eaten
  • \noneaten
  • \halfeaten
  • \halfnoneaten
  • \hhalfeaten
  • \hhalfnoneaten

\hhalfeaten\hhalfnoneaten以外のコマンドには引数は一つで、その穴の中に入れたい数ないし文字です。

機能について説明すると、\eatenは普通の穴です。わたした引数の中身が穴の中央に出ます。この穴はここに書いてある内容と基本的に同じです。\noneatenは線が無い\eatenです。

\hhalfeaten\hhalfnoneaten前の記事で書いた\halfeatenです(紛らわしくてすみません)。つまり、縦にながり長方形が2つ並んだ形の穴が出て、その中にわたした引数が入ります(穴が2つなので当然引数も2つ)。

\halfeaten\halfnoneatenは、\hhlafeatenの縦に長い長方形の穴が1つだけ出ます。使いみちは1\halfeaten{}みたいなものを予想しています(n進法虫食いでしか使わないかな?)。

(余裕があれば後で実例を加筆しておきます。)

描き方

musikui環境の中には\kake\wariを必ず一番最初に書いてください。
後は上から順に\musi\senを書いていくだけです。

オプションとかとか

musikuiパッケージでは、いくつかの数値を\renewcommandによって変えることができます。

変えられる数値とその意味は以下のとおりです。

  • \musiwidth-穴の幅
  • \musiheight-穴の高さ
  • \musidepth-穴の深さ
  • \musihgap-穴と穴の横の距離
  • \musivgap-穴と穴の縦の距離
  • \musirule-線の太さ

デフォルトでは上の数値は以下の通り

  • \musiwidth 1.2em
  • \musiheight 0.96em
  • \musidepth 0.24em
  • \musihgap 0.4em
  • \musivgap 0.4em
  • \musirule 0.4pt

少しばかり例を書いてみます。
結果は後で加筆するかもしれませんがコンパイルしてみてください。

\begin{musikui}
\wari{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}
{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}
{\eaten{}&7&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{4}
\sen
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{3}
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{3}
\sen
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{2}
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{2}
\sen
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{0}
\musi{\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}&\eaten{}}{0}
\sen
\musi{0}{0}
\end{musikui}

おわりに

これでようやく快適にLaTeXで虫食い算を表現することができるようになりました。
嬉しい限りです(さあCTANにあげるための英語の勉強の始まりです)。

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