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データインフォームドな組織を作る時に犯すよくある5つの間違い

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「データインフォームドな組織を作るには?」シリーズの最終回です。

これまでに、ビジネスの中でプロダクト・アナリティクスが育っていく過程、そしてプロダクト・アナリティクスがデータインフォームドな組織の中で果たす役割をみてきました。

  • データ・インフォームドな組織のつくり方 - Part 1 : プロダクト・アナリティクスができるまで - Link
  • データ・インフォームドな組織のつくり方 - Part 2 : 組織の特徴 - Link

そこで、それではいざデータインフォームドな組織を作ろうした時に、多くの場合失敗に終わってしまいます。肩書きはできたりするのですが、全く機能していない、ビジネスの成長につながっていないというパターンです。

これでは、せっかくの号令と予算と時間をかけて発車したのはいいが失望という終着駅についてしまうことになってしまい、その後組織の中の「データ分析」に対するネガティブな記憶を塗り替えるのがぎゃくに難しくなってしまいます。

そこで、今回はよくある5つの間違いを、「データ・インフォームドな組織の作り方」の中から抜粋して、以下にまとめました。

以下、要訳。


1. 組織のトップがデータ・インフォームドの文化をしっかりとサポートしない。

彼らがデータの力を信じなかったり理解していなければ、素晴らしいデータ・インフォームドな企業を作るのはほぼ無理です。

2. アナリティクスが間違ってコンサルティング機能になっている

アナリティクスはプロダクトチームの中に深く統合されているべきです。これは外部のコンサルタントの仕事ではありません。

アナリティクス・チームのゴールはプロダクトのゴールとしっかりと結びつけられているべきです。アナリティクス・チームが成功しているか失敗しているかというのはプロダクトが成功しているか失敗しているか次第なのです。

3. アナリティクス・チームの役割の定義が狭すぎる

最悪の場合、アナリティクス・チームは組織の中でただ単にデータを引っ張ってくるチームとして扱われています。

しかし本来は、アナリティクス・チームはプロダクトが成功するためのゴールを定義し、ロードマップを作り、戦略を構築していくことにこそ力を発揮することができるのです。

4. データエンジニアリングのチームが弱い

データサイエンスのチームをスケールさせる(大きくさせる)ためには優れたデータエンジニアリング・チームの存在は欠かせません。

一人のデータエンジニアに対するデータサイエンティストの数の割合が増えすぎると、本来は価値のあるインサイトを提供するための分析を行うデータサイエンティストがデータを引っ張ってくる仕事ばかりしているという状況に陥ってしまいます。

5. ツールを作り、提供するための優れたチームがいない。

アナリティクス・チームを大きくするには優れたツールが必要になります。

これはデータをきれいにするツール、ETLのためのツール、サイエンスを行なうためのツール、分析ツール、データの可視化のためのツールなどいろいろあります。

こうしたツールにアクセスすることができなければ、アナリティクス・チームが前に向かって大きく進んでいくことは難しいでしょうし、大きくなることなどもってのほかです。


以上、要訳終わり。

あとがき

私が日本に行くたびに、クライアントを回ってお話を聞かせてもらう時に驚くのが、データ分析をやっている人たちにツールを自由に選ぶ権限が与えられていない会社が多いということです。

最近のスタートアップであれば、さすがに「エンジニア」職は自分たちがいいと思ったツールを使うことができるらしいのですが、そうでない職や部門(例えば、マーケティング、営業、人事など)となると会社レベルで一括導入しているツールでないと使わせてもらえないという、悪夢のような話もたまに聞きます。

今のように、みんなが当たり前のようにiPhoneを仕事以外でも使っている時代、つまりITのコンシューマー化(Consumerization)が当たり前になっているような時代において、管理とコスト削減にしか興味のないIT部門とテクノロジーの進化を理解できないトップのせいで、ビジネスの成長の原動力になるはずの人たちが自分で勝手にデータ分析を効率的に行なうためのツールを選ぶことができないのでは、シリコンバレーから次から次へとやってくるデータ先進企業に勝てるはずがありません。

しかし希望の光は、そんな過酷な世界においても、草の根で変えていこうとする人たちがいることです。こういう人たちが日本を変えていくのだなと思うとともに、私もできる限りのサポートをしていければなと思います。何事もあきらめてはいけませんね!


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