原付で走っていると、交差点のたびにこう思うことがあります。
ここ、どうやって曲がるの!?
二段階右折が必要なのか、原付で走ってよい道なのか、トラックの横を走らずに済むのか。
普通車向けのナビはたくさんありますが、原付のための道案内はまだ十分ではありません。そこで、OpenStreetMapとJARTICのデータを組み合わせて、原付・特定小型原付向けの専用ナビ「GenNavi」を作りました。
スライド
8/9開催のOpenStreetMapカンファレンス関西での登壇資料です。
https://countries-romantic.connpass.com/event/399792/
GenNaviでやっていること
GenNaviは、原付ドライバーが感じる次のような不安を減らすことを目指しています。
- トラックの多い幹線道路をできるだけ避ける
- 原付が走りやすい道路を選ぶ
- 二段階右折が必要な交差点を案内する
- データの確信度に応じて案内の強さを変える
- 長距離走行時の休憩地点を見つけやすくする
OpenStreetMapの道路データを活用する
OpenStreetMapには、道路の形だけでなく、道路クラス・車線数・信号・交差点の接続関係などの情報があります。
これらを使うことで、単純に最短経路を探すだけではなく、
- 幹線道路を避けたルート
- 生活道路を重視したルート
- 原付向けにバランスを取ったルート
といった複数のルートを作れるようになります。
「二段階右折です」と言い切れるか
二段階右折の案内では、データが十分に揃っているかどうかが重要です。
車線数や信号などの情報が揃っている交差点では、二段階右折が必要だと判断して案内できます。一方で、データが不足している場合に断定すると、誤案内につながる可能性があります。
そのためGenNaviでは、確信度に応じて、
- 「二段階右折地点です」
- 「標識を確認してください」
のように案内を変えています。
間違った案内をするより、分からないときは分からないと伝える。安全に関わるナビだからこそ、そこは大切にしています。
OSMとJARTICを組み合わせる
OpenStreetMapは道路の形や車線、接続関係に強く、JARTICのデータは交通規制や標識情報に強みがあります。
どちらか一方だけでは足りない情報を組み合わせることで、原付向けのより実用的な道案内を目指しました。
経路探索にはValhalla、地図の描画にはMapLibreを利用しています。できるだけオープンなデータと技術だけで、原付のためのナビを作っています。
実地検証も欠かせない
地図データだけでは判断できないこともあります。
実際に走ってみると、
- 交差点の構造
- 右折レーンの形
- 標識の見え方
- 原付から見た危険箇所
など、データだけでは分からない発見があります。
OpenStreetMapのマッピングと実地検証を繰り返しながら、少しずつ案内の精度を高めています。
おわりに
原付という小さな市場のために、大規模なサービスを作るのは簡単ではありません。
それでも、OpenStreetMapやオープンデータがあったからこそ、個人開発でも原付専用ナビを形にすることができました。
GenNaviは、2026年7月にApp Storeで公開しています。
「ここ、どうやって曲がるの!?」という原付ドライバーの不安を、少しでも減らせるナビを目指しています。
地図データの改善や、原付の走行環境について意見があれば、ぜひコメントで教えてください。
地図データ:© OpenStreetMap contributors
https://www.openstreetmap.org/copyright