はじめに
MacでARSDKのiOS版サンプルアプリケーションをコンパイルする手順でつまずいた点について記しています。WindowsでAndroid版サンプルアプリケーションをコンパイルするうえでは、役に立たない話かもしれません。
Parrot社のドローン
多くのメーカー製ドローンとおなじように、Parrot社が開発しているドローンは、スマートフォン上のアプリケーションから操作できるようになっています。
Parrot社はスマートフォンアプリケーション用SDKを一般に公開しているため、ドローンをプログラムで操作するスマートフォン用アプリケーションが開発できます。
それではさっそく...
アプリケーションを開発してみようと言いたいところですが、まずはせっかくサンプルプログラムを公開してくれているので、そちらをコンパイルしてみましょう。
ARSDKのサンプルコンパイル手順
iOS版、Android版ともこちらに記されています。
手順どおり、gitからプロジェクトをcloneしてXCodeでプロジェクトを読み込み、実機もしくはシミュレータ向けにコンパイルすればよいのですが、手元の環境ではiOS版のコンパイルで一箇所だけうまくいかなかったところがあるので、そちらについて記します。
コンパイルが失敗する
gitから取得したDroneProject.xcodeprojをxcodeで開いてビルドすると失敗しました。キャプチャを取り忘れてしまいましたが「ARSDK3_iOS_3_11_0.zipがみつかりません」のような内容がエラーメッセージに含まれていました。
wgetがない
さきほどのエラーメッセージを読んでみると、Macにwgetがインストールされていないせいで、プリコンパイルしたARSDKがgithubからダウンロードできずにビルドが失敗しているようです。
Macにはwgetがデフォルトではインストールされていません。代わりにcurlがインストールされています。コマンドラインからのhttp、ftpによるダウンロードはcurlでことが足りてしまうので、忘れがちな事実です。
wgetをインストール
Macにwgetをインストールすればこのエラーは解決しますが、ここで注意しなければならない点がひとつあります。wgetは、SSL通信に対応したものを用意する必要があります。SSLに対応していないwgetをインストールしてビルドすると、「wgetに-no-check-certificateを指定してね」という趣旨のエラーメッセージが出力されてしまいます。
SSL通信に対応したwgetを手に入れる方法は、主に次の2つではないでしょうか。
- opensslを使ってSSL通信が可能なwgetを一からコンパイルする。
- homebrewでwgetをインストールする。
1については、opensslをインストールして、さらにconfigureでopensslを利用するためのオプションを設定してmakeする必要があります。
2については、opensslを利用する形でwgetをインストールしてくれます。opensslのインストールも併せて実行してくれます。
今回は「より楽に」ということでhomebrewでwgetをインストールしました。
ビルドと実行
wgetをインストールしてサンプルプログラムをビルドすると、問題なく実行されるはずです。