はじめに
大規模言語モデル(LLM)を用いたコーディング手法は日々進化しています。多くの Tips が共有される一方で、「結局どこから手を付ければいいのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。私自身もその一人でした。
しかし、Webエンジニアとしてこの先生き残るためには、バイブコーディング(直感的な対話による開発) や エージェンティックコーディング(AIエージェントを活用した開発) は避けて通れないと感じています。
今回は「小さく始める」をテーマに Claude Code を導入し、実際に試した工程を備忘録としてまとめます。
1. Claude アカウントの作成と準備
まずは Claude の公式サイトでアカウントを作成し、Proプランを契約しました。
最初にブラウザ版のチャット機能やデスクトップアプリを試してみたところ、HTML ファイルやドキュメントをその場で生成してくれる精度に驚かされました。特にデスクトップアプリの Cowork 機能でローカルファイルを整理してもらった際は、日常業務でも活用できるポテンシャルを感じました。
一方で、ファイル生成など処理の重い操作を続けると、プランの使用制限に達しやすいことも分かりました。オンボーディングのやりとりでドキュメントを生成を複数回したら相応のトークンを消費する印象です。使い始める前に制限への心構えはしておくほうが良いでしょう。
2. Claude Code のクイックスタートを実施する
自分のポートフォリオを管理している GitHub リポジトリを対象に、Claude Code の公式クイックスタートの手順に従って導入を進めました。インストールからログイン、最初のセッション開始までスムーズに進み、最初のタスクとして「Lint を実行する GitHub Actions のワークフロー作成」を依頼しました。
実際に使ってみて印象的だったこと
クイックスタートを通じて特に感銘を受けたのは以下の点です。
- 柔軟な Git 操作: コミットメッセージが意図と違う場合、チャットで伝えるだけで即座に修正してくれる
-
高度な CLI 操作: 普段自分ではほぼ使わない
gh api graphqlコマンドを使いこなし、GitHub の情報を的確に取得する -
一連の PR ワークフロー: PR の作成・説明文の記述・コードレビューの実施、さらにレビュー内容を
git commit --fixupで取り込み、マージ直前にgit rebase -i --autosquashでコミット履歴を整理するという高度な一連の操作を完遂してくれる
3. CLAUDE.md によるコンテキストの共有
クイックスタートを通じた対話内容をもとに、プロジェクト固有のルールを記述する CLAUDE.md を作成しました。
CLAUDE.md は Claude Code がセッションをまたいで参照する指示ファイルです。以下の規約を対話の内容から自動で整理してもらいました。
- ブランチ命名規則
- コミットメッセージのフォーマット
- PR 説明のフォーマット(What / How / Why / Ref)
- PR ワークフロー全体の流れ
このファイルを用意しておくことで、AI が文脈に沿ったアウトプットを出してくれるようになります。事前に「コードベース上でわかりにくい事柄を書いておくと効果的」と聞いていましたが、実際に対話の内容から自動生成してもらえたのは便利でした。
4. Skills によるコマンドの独自拡張
頻繁な操作を効率化するために、以下の Skills を作成しました。
| コマンド | 役割 |
|---|---|
/create-pr |
What / How / Why / Ref フォーマットで PR を自動生成 |
/review-pr [PR番号] |
セキュリティ・破壊的変更・パフォーマンス観点でレビュー |
/fix-review [PR番号] |
指摘の一括修正 + fixup コミットの作成 |
/merge-pr [PR番号] |
autosquash してマージ |
これらは対話形式で調整しながら作成しました。
作成直後はコマンドが反映されていないことがあります。Claude Code を再起動すると使えるようになりました。
Dependabot の PR で実戦投入
Skills の動作確認として、Dependabot が作成した PR に対して「レビュー → 修正 → マージ」のフローを試しました。問題なく動作し、Claude Code 上から離れることなく GitHub 操作を半自動で完結できる手軽さを感じました。
5. settings.json での権限設定
より快適な操作環境を整えるために、settings.json も作成しました。このファイルでは自動許可するコマンドや、逆に制限するコマンドをあらかじめ定義できます。都度許可を求められるストレスが減り、実装に集中できるようになりました。
おわりに
「小さく始める」をテーマに触り始めた Claude Code ですが、短時間で多くの可能性を感じることができました。今後はカスタムエージェントの構築やエージェントチームによる開発など、LLM を活用したコーディングの可能性をさらに探っていきたいと思っています。
導入にハードルを感じている方も、まずは個人リポジトリで公式クイックスタートから小さく始めてみてはいかがでしょうか。