最近日本ではVtuber(バーチャルユーチューバー)が人気を博しています。また、Youtuberの多様性も毎日投稿・エンタメ系・商品紹介系で金儲けるぞ!という元祖Youtuberだけでなく、いろんなジャンルのYoutuberが増えて来たように思います。英語圏でも、毎日投稿というよりは、どちらかというと普通の人(大学を出て就職してフルタイムで働いてる。)が投稿するゆるーく人生実況する系の登録者数1万〜5万くらいのSmall Youtuberがロングテールの法則通り数え切れないほどいます。
その中でも特にシリコンバレー界隈の優秀なエンジニアたちが自分のエンジニアライフを発信するVlogが熱いです。(個人の見解ですが)
日常の雑談から、エンジニアを目指す視聴者へのアドバイス、エンジニアとしてのキャリアパスなど、彼らを取り巻く人生事情をありのまま切り取った動画を眺めているだけでも、これからもIT業界を牽引していくだろうシリコンバレーの内情をミクロな視点から肌で感じることができるはずです。
英語の勉強も興味ある分野だと頭に残りやすいと思います。この記事では、プログラミングの学習用のチュートリアル系チャンネルというよりは、もっと軽く娯楽として見れる、「英語を学びたい」、「海外でエンジニアとして働きたい」、「(片思いの)友達が欲しい!」という人向けのエンジニア系Vlogを紹介していきたいと思います。
理由は分からないのですが、エンジニア系Youtuberはアジア系が多いです。今回のリストもアジア系に偏っています。
Joma
データサイエンティスト。Facebook、Notvine(彼が創業)。
University of WaterlooというCS(Computer Science)のカナダでもトップレベルの大学を卒業。Microsoft、facebook、Linkedin、Buzzfeedなどでインターンシップや勤務を経験。とても人が良さそうな雰囲気が画面を超えて伝わって来ます。ライブ放送も頻繁に行っており、視聴者とのコミュニケーションも積極的です。
5 Tips For Getting A Data Science Job
A Day In The Life Of Silicon Valley Engineers
チャンネル:https://www.youtube.com/jomatech
チャンネル2:https://www.youtube.com/channel/UCKKjxv1Y3O5j4hoRqr7ZTvw
ブログ:https://www.joma.io/
mayuko
iOSソフトウェアエンジニア。
UCSDという理系で有名な大学のCS学科を卒業。プログラミングには大学に入って初めて触れたそうです。アメリカ育ちの日本人で神戸にも一瞬住んでたらしく、おそらく家では日本語で会話するのでしょう、関西弁が喋れます。また、テック系女性Youtuberという記事に紹介されています。
How to get a Software Engineering Internship | mayuko x JoMa
a day in the life of a software engineer
Interview with an iOS Engineer (ft. Mayuko)
Jarvis Johnson
ソフトウェアエンジニア。Georgia Techを卒業。Googleでの勤務経験あり。毎週投稿という目標も最近定め、Youtubeの活動も増えていきそうです。
How to Get Into Software Engineering
First Impressions of Mayuko Jarvis and Joma!
Tech Lead
本名はPatrick Shyuさん。UCSDからUCB、東工大にも留学経験のあるというまたすごい経歴です。Googleに勤務経験もあります。
チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC4xKdmAXFh4ACyhpiQ_3qBw
All Things Japanese By Sashi
最後に日本育ちの日本人も紹介したいと思います。千葉県の高校卒業後にカナダに留学してSMUのCS学科を卒業。Microsoftでインターンも経験。就労ビザを現地で取得してエンジニアとして活躍しておられます。これくらい英語が喋れるようになりたいものです。
HOW I GOT A JOB AT MICROSOFT | INTERVIEW PROCESS AT WORLD'S BEST TECH COMPANY
チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UClxDs-wxR4dOZjbrI5V-1uA
Sierra Katow
公式サイト
言わずと知れたハーバード大学のCSを卒業。正確には彼女はスタンドアップコメディアンとして主に活動している。ただ、Githubページにプロジェクトも公開されているのでエンジニアとも言える。優秀すぎて言葉がありません。。。ただ、Youtuberではないので彼女の登場する動画を探すのは大変かもです。
ThinMatrix
今、Equilinoxと言う3Dインディーズゲームを開発しておりその進捗状況を頻繁にVlogと言う形で公開している。もうそろそろリリースと言うことで楽しみです(追記5/25:うp主さんに舌の癌が見つかったため暫くは治療に専念するとのこと。そのためリリースは遅れると発表がありました。健康になってまた再開していただけることを心から祈っております)。また、誰でも3Dゲーム開発が学べるようにOpenGLを使った3Dゲームのチュートリアルもある。
Equilinox - Two Years of Game Dev: Part 1
OpenGL 3D Game Tutorial 1: The Display
終わりに
完全に独断と偏見のリストになってしまいました。実際、Youtubeを探るとこのようなVlogチャンネルだけに止まらず、チュートリアルやインタビュー動画などエンジニア関連の動画はかなりたくさんあります。
エンジニアがYoutubeなんて!となりがちなのも、エンジニアと言えばオタクで根暗...みたいなイメージが未だに日本では根深いからかもしれません。
しかし、日本の外に目を向けてみると意外とそうでなかったりします。その理由としてまず、特に欧米ではIT系の職業の給料は非常に高い。この記事に何度も出てきたCS学科ですが、卒業生は業界経験1年未満でも米国での平均年収は$62537(=700万円くらい)。下手すると日本の倍近くかもしれません。また、理系は全体的に日本より高いです。そうなると、そういうことが好きな人が理系(英語圏ではSTEM系と呼ばれます)に進学していたのが、今やいい人生を歩む手段として様々な人を惹きつけるキャリアパスとなっています。(特に、移民の多くがSTEM系を目指します。人間関係に頼れないから手に職つけないとということだと予想しています。)
その結果、男女比も日本ほど偏らず、人種も多様というふうに、エンジニア・研究職に全体的に多様性が生まれました。そもそも多様性というものが必要なのも、これから女性や移民の社会進出が活発していくだろう世の中に製品を出す際、様々な視点からプロダクトを見れる目を持つことが重要だからです。これはプロダクトだけでなく、最近もエンジニアの男女比を巡っての炎上のようなバランスを欠いた表現を自制する効果があったりもします。
話はYoutuberに戻しますが、一日中パソコンと睨めっこするのがエンジニアではないというメッセージを強く彼らは発信しているように思います。もちろん残業や有休制度の充実などによる時間的余裕も、エンジニア系Youtuberを輩出できる要因であることも間違いありません。
英語を学んでみるという理由だけではなく、海外のエンジニアの多様性に触れることで、長年体に染み付いたステレオタイプを洗い流すことのできるいい機会になる。それが彼らを通して学べることだと思います。