目的
この記事では 2016 年 2 月に販売開始された Raspberry Pi 3 Model B の初期セットアップ手順を紹介します。この記事の前提としては、母艦に macOS を使用し、Raspbian をインストールします。
Raspbarry Pi とは
Raspberry Pi は Raspberry Pi Foundation によって開発されたシングルボードコンピュータです。Raspberry Pi は公式のドキュメントが充実していますので、基本的には公式ドキュメントに記載のある手順に沿っていけば簡単にセットアップが可能です。
ハードウェアのセットアップ
セットアップガイドに従って必要なものを準備します。最低限セットアップに必要なものは以下の 5 つです。
- Raspberry Pi 3 Model B 本体
- SD カード
- HDMI 接続可能なディスプレイと、HDMI ケーブル
- キーボードとマウス
- USB 電源ケーブル
ソフトウェアのセットアップ
Raspberry Pi を使用するためには、まずオペレーティング・システム(OS)をインストールする必要があります。OS のインストールには NOOBS(New Out Of Box Software) という管理ソフトウェアを使用する方法が便利で、簡単に様々な OS をインストールすることが出来ます。今回は Raspbian を選択してインストールしていきます。
まずは NOOBSのユーザーガイドに沿って SD カードへ NOOBS を展開します。
NOOBS のインストール
- ダウンロードページから NOOBS をダウンロードする
- ダウンロードしたファイル(ex. NOOBS_lite_v2_4.zip)を適当なディレクトリへ展開する
- SD カードを FAT 形式でフォーマットする。
diskutil list
コマンドで対象のデバイスを特定し、diskutil eraseDisk
コマンドでフォーマットする - 今回の場合は
/dev/disk2
が対象の SD カードなので、これをFAT32 へフォーマットする - 展開したファイルを SD カードへコピーする
diskutil list
sudo diskutil eraseDisk FAT32 NOOBS MBRFormat /dev/disk2
Raspbian のインストール
- NOOBS を展開した SD カードを Raspberry Pi へ挿入する
- ハードウェアのセットアップに記載したデバイス(キーボード、マウス、ディスプレイ)を Raspberry Pi へ接続する
- USB 電源ケーブルを接続する。Raspberry Pi が起動し、続いて NOOBS のウィザードが表示される
- Wifi または LAN へ接続する(インストールイメージのダウンロードに必要)
- インストール可能な OS の一覧が表示されるので、"Raspbian Lite" を選択する
- インストールが成功すると "OS(es) Installed Successfully" と表示される。"OK" を選択すると再起動した後で Raspbian が起動する
Raspbian の設定
この記事では raspi-config で設定する最低限の初期設定と、SSH によるリモート接続の手順までを説明します。
raspi-config
raspi-config コマンドは Raspberry Pi の設定を行うためのツールです。実行するためには、コンソールを開いて以下のコマンドを実行します。
sudo raspi-config
- "Update" から raspi-config を最新版へアップデートする
- "Change User Password" からデフォルトユーザー "pi" のパスワードを適宜変更する。
- "Hostname" から Raspbian のホストネームを適宜変更する。
- 主に SSH 経由で接続して使用するので、"Boot Options" から "Console" を選択する
- "Boot Options" の "Wait for Network at Boot" を "Yes" に設定する
- "Localisation Option" の "Change Locale" からロケールを適宜選択する。今回は "en_US.UTF8" と "ja_JP.UTF-8" を選択し、デフォルトを "en_US.UTF8" に設定した
- "Localisation Option" の "Change Timezone" からタイムゾーンを適宜選択する。今回は "Tokyo" を選択する
- "Localisation Option" の "Change Keyboard Layout" から接続したキーボードに合うレイアウトを適宜選択する
- "Localisation Option" の "Change Wi-fi- Country" から使用する国を選択する。今回は "Japan" を選択する
- "Interfacing Options" の "SSH" から SSH 接続を有効化する
IP アドレスの固定化(オプション)
今回の場合はネットワークにて DHCP を使用しているので、Raspberry Pi に割り当てられる IP アドレスを固定化するようにルーター側を設定しました(この手順はネットワーク環境によって異なります)。ifconfig コマンドで無線 LAN インタフェースの MAC アドレスを確認することが出来ます。
ifconfig
Raspbian の更新
Raspbian にインストールされたパッケージを最新版へ更新する。
sudo apt-get update
sudo apt-get dist-upgrade