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Google Cardboardを最新の設計図で自作する方法

Last updated at Posted at 2016-08-14

ずいぶん下火になったCardboardを自作したら結構楽しめた話。

日本語のドキュメントやHowTo動画も多いんですが、どうやら古いバージョンの設計図で作っているっぽい。
今回は、現時点で最新(2015/7/20版)の設計図で作ってみました。

必要なもの

Cardboardの材料

品目 コメント
ダンボール 100均で売ってる厚紙の方が加工しやすいのでオススメ。薄いが強度は問題なかった。なお、本当は靴箱で使われるくらいの厚さ(E-flute)のダンボールがいいらしい
レンズ みんなが使ってるダイソーのルーペを使用。1個買えば2個入ってる。
マジックテープ 両面テープとかで代用せず、ちゃんとマジックテープを使うこと。100均に買える。
アルミホイル 任意。ボタンに使用。機種によってはうまく動かないこともあった。         
マスキングテープ 皮脂ですぐ汚くなるので、肌の触れるところに貼った方がいい。100均で買える。

工具その他

品目 コメント
デザインナイフ カッターより適してる。100均で買える。他の用途でも結構使えるので購入推奨
カッターマット なんでもOK
鉛筆 型紙からダンボールに線を写すために必要
コピー用紙 型紙やプロファイルに使用。B4が良いが、A4でもなんとかなる。
プリンタ なくてもコンビニで印刷可能

IMG_20160628_153546.jpg
IMG_20160628_153432.jpg

上の画像は、セリアのデザインナイフとマジックテープ。

手順

1.型紙を入手

設計図はGoogleの公式サイトからダウンロードできます。
Google Cardboard公式サイト
開発者向けキット

wwgc_manufacturers_kit.zipを展開すると、Google Cardboard IO 2015 Technical Drawingsフォルダに設計図があります。

  • Viewer - Body.pdf: 設計図
  • Viewer - Body.dxf: レーザーカッター用の設計図

2.型紙を印刷

印刷しようとすると気付くんですが、最新版の設計図ってA4サイズのフォーマットが無いんですよね。
私の場合はレーザーカッターはもちろん、プリンタすら持っていなくて、コンビニで印刷できる用紙サイズ(A4やB4)でないと困ります。

そこで以下の方法で解決しました。

1. DXFファイルを加工できるソフトをダウンロード

InkscapeならDXFファイルを開けて、編集できます。(別にPDFを編集してもいいです。)
使い勝手はクセがあるし遅いですが、必要な機能は揃っていてマルチプラットフォームなのでいつも使ってます。

2. Viewer - Body.dxfファイルを開く。

スクリーンショット 2016-08-14 16.00.01.png

3. Document Propertiesで用紙サイズをB4にする。

スクリーンショット 2016-08-14 16.09.14.png

A4だとはみ出る量が多いのでB4がオススメ。A4でも頑張ればできます。

4. 型を移動して用紙に収める

スクリーンショット 2016-08-14 16.15.30.png

こんな感じで用紙に収めて、PDFで保存します。

スクリーンショット 2016-08-14 16.16.39.png

名前は適当にViewer - Body b4-1-1.pdfとかで。

スクリーンショット 2016-08-14 16.18.27.png

PDFビューアで開くと、意図通りに保存できていることが確認できます。

はみ出ていた部分も印刷したいので、ずらして別名で保存。

スクリーンショット 2016-08-14 16.22.06.png

他の型にも同様の作業。

5.そして

出来上がったものがこちらにございます。

3.型紙を切りぬく

地味に時間が掛かります。カッターよりデザインナイフで切った方が良いです。

IMG_20160630_125133.jpg

複数枚に印刷した型は、テープのりや両面テープなどで繋げてください。

4. ダンボールに当てて写す

これを切るのか…と少しうんざりしながら書き写します。

注意

レンズの穴は、型より少し小さめに切った方がいいです。ダイソーのレンズの方が小さいため、そのまま切るとスカスカになります。

5. ダンボールを切る

IMG_20160630_171902.jpg

Amazonとかのダンボールだとキレイに切るのが難しいです。厚紙オススメ。
また、折る部分は甘く切り込みを入れておいてください。

6. 組み立てる

一番楽しい作業。
組み立てかたはこの動画がすごく参考になります。

IMG_20160630_173515.jpg

レンズは途中ではめてください。もし型通りに切ってレンズが上手くはまらなかった場合、マスキングテープ等で尻尾を付けてやればなんとかなります。

IMG_20160702_152107.jpg

IMG_20160630_234245.jpg
f

顔の触れる部分にマスキングテープを貼っておくと、皮脂汚れを防止できます。

接着するときの注意

3枚の紙が重なる場所は、両面テープ等で接着した方がいいです。ただし、そのほかの重なる部分は接着しないでください。後でマジックレンズテープを貼るため。

6.マジックテープを切って貼る。

上部と側面部にマジックテープを貼ります。

IMG_20160702_151821.jpg

IMG_20160702_152014.jpg

これでほぼ完成です。

7.ボタンにアルミホイルをつける(任意)

アルミホイルをキットのButton - Conductive Strip.pdfのような形にテキトーに切り、ボタン部分に巻きつけます。

IMG_20160702_152231.jpg

IMG_20160702_152252.jpg

IMG_20160702_152406.jpg

そうすると、ボタンを押した時に指の微弱電流が画面に伝わるようになります。

IMG_20160702_152451.jpg
押すと、

IMG_20160702_152456.jpg
ひょこっと出てくる。

ただこの機構、いくつか試しましたが出来たり出来なかったりでした。
アルミホイルじゃなくてもっと適した伝導シートがあるのかもですが、試した中ではアルミホイルが一番成功しました。いい素材を誰か教えてください。

  • うまくいった機種:
    • arrows M02
  • ダメだった機種:
    • iPhone 6
    • Experia Z5

プロファイルを作って印刷

初期設定のままCardboardデモを見ると、度がずれたメガネを付けているような状態になります。
自分の作ったCardboard用にキャリブレーションできるように、プロファイルを作成しましょう。

以下のサイトでキャリブレーション用のQRコードを作成できます。
https://vr.google.com/intl/ja_jp/cardboard/viewerprofilegenerator/

項目 説明 参考値(私の作ったやつだとこの値)
your company's name Cardboardを作った人の名前 yuto-matsum
viewer name Cardboardの名前 cardboard #1: 0.12
Primary button type ボタンの形式 Indirect Touch
Screen to lens distance (mm) スマホとレンズまでの距離 40.0
Inter-lens distance (mm) レンズ同士の距離 60.0
Screen vertical alignment スクリーンの垂直位置 Bottom
Tray to lens-center distance (mm) スクリーンの基準位置からレンズの中心までの距離 35.0
Distortion coefficients k1 レンズの曲率その1 0.120
Distortion coefficients k2 レンズの曲率その2 0.120

Generateを実行すると、こんな感じで生成されます。

スクリーンショット 2016-08-14 21.17.59.png

画像を印刷してCardboardに貼り付けておきましょう。

まとめ

適当な精度で作ってもちゃんとVR体験できる代物が出来上がります。
マジックテープで畳めるようになってるとことか、ボタンのギミックがよくできてるなぁと感心しました。

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