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夫婦子育て共働きを支える技術

Last updated at Posted at 2015-12-18

@yut_h1979 です。
この記事は 2015年 Livesense Advent Calendar 第19日目です。

昨日は @boscoworks が、家庭の協力を得ながらシステム障害と戦う姿を描いてくれました。
ちなみに 彼の風呂掃除中に同居人が障害検知する という悲惨な状況を発生させたのはたぶん私です。この場を借りてお詫び申し上げます。

さて、そんな私には現在4歳と1歳の娘がいます。そして妻はフルタイムで働いています。
そんな中、私は新卒から10年以上勤務した大手メーカーを離れ、Webエンジニアとして2015年1月からリブセンスにJOINしました。初めての転職は自分にとって大きな決断でしたが、お陰さまで充実した毎日を過ごしています。

本日はこれまでと少し趣向を変えて、夫婦子育て共働き生活を送る上での取り組みについて書こうと思います。

1. 家事の自動化・省力化

1.1 共働き三種の神器

働きながら日々の生活を回す上で、家事の負担を極力減らすことは大切です。
その中で共働き三種の神器と呼ばれる以下のアイテムを導入すると、色々と捗ります。

  • お掃除ロボット
  • 食器洗い乾燥機
  • 全自動洗濯乾燥機

これらを活用することで、「洗濯機を回して出勤する」「掃除機を回しながら洗濯物を畳む」「食洗機を回している間に子供とお風呂に入る」といった非同期/並列処理が可能になります。

これらの導入にあたり、重要な心掛けがあります。それは作業品質に100点を求めないことです。
お掃除ロボットは掃除ムラが出ます。食器洗い乾燥機はカピカピのご飯粒・ワカメや水滴が残ったりします。全自動洗濯乾燥機は素材によってはゴワゴワ/シワシワになったりします。
でもそれでいいのです。100点の大きなリリースを狙うより、80点の小さなリリースを継続的に行う方が生活は上手く回る気がします。

1.2 宅食サービス

宅食には15-30分で作れる料理キットや出来合いの惣菜を定期配達してくれるサービスがあります。
これらの良い点として、以下が挙げられます。

  • 毎日の献立を考えなくて良い
  • 少量多品目のおかずが得られる

仕事が忙しい中で献立を考えると、どうしてもワンパターンになりがちです。また、自分でおかずを作るとなるとせいぜいメイン1品・サブ1品程度になりがちです。そうなると、子供が飽きたり嫌だったりしておかずを全く口にしてくれないリスクが増大します(せっかく作ったおかずを食べてくれないのは、精神的にもダメージ大です)。宅食サービスはそれらのリスクを軽減してくれます。

また、食材や調味料を余らせずに使い切れるので、完全手作りと比べても経済的にそこまでの差はないんじゃないかと思います。(スーパーで食品や調味料を買うと、なんだかんだで家族1食1,000円超えちゃったりするので)

1.3 家事代行サービス

月に1, 2回ピンポイントで何かを片付けたいときは、思いきって家事代行サービスを利用するのも手です。

サービスによっては家庭内の家事だけでなく、買い物などもしてくれます。
自宅の鍵を預けたりするので不安もあるかもですが、実際どんなものかまずは一度試してみるのもアリだと思います。

2. タスクのリスト化・分割・分担

2.1 リスト化

二人三脚で生活を回すためには、家事・育児の協業が肝心です。
家庭でのタスクを夫婦で分担するために、まずは日常的に行なっている作業をリスト化すると良いと思います。
例えばこんな感じです。

  • 朝食の支度
  • 食器洗い
  • 子供の着替え
  • 子供の歯磨き
  • 子供の園送り
  • 子供の園迎え
  • 日用品の買い出し
  • 夕食の支度
  • 子供の遊び相手
  • 子供のお風呂入れ
  • 子供のパジャマ着せ
  • 子供の歯磨き
  • 子供の寝かしつけ
  • 園日誌の記入
  • 食器洗い
  • 掃除
  • 洗濯

タスク出しは一方に任せるのではなく、夫婦共同で行うと良いと思います。
一緒にやることでチーム感・自分事感が醸成されますし、日々のボリューム感も肌で分かります。

ちなみに私が初めてこの作業を行ったとき、妻とケンカになりました。
「わかってる?私はこんなにやっているのよ!」
「なんだと!俺は俺なりに頑張ってるんだよ!」

今思えば「俺は俺なりに」とか意味わかんないですね。
そして妻は何もやっていなかった私を責めていたのではなく、これだけ多くのことを日々行っていることを理解して欲しかったのだと思います。(これに関しては 4.2 の信頼関係構築で述べます)

2.2 タスク分割

タスクを洗い出したら、必要に応じて分割を検討します。
例えば、「洗濯」のタスクは以下のようなサブタスクに分割できます。

  • 洗う
  • 干す
  • 取り込む
  • 畳む
  • しまう

適切にタスク分割することで、タスク分担の柔軟性が向上します。
例えば妻の帰宅が早い&夫の帰宅が遅い家庭の場合、以下のような連携プレーが可能になります。

  • 妻 -> 出社前に洗濯物を干す
  • 妻 -> 帰宅後に洗濯物を取り込む
  • 夫 -> 帰宅後に洗濯物を畳む&しまう
  • 夫 -> 帰宅後にナイトモード/予約モードで洗濯機を回す

2.3 タスク分担

日々のタスクをリスト化・分割したら、それらをどちらが担当するかを決めます。

このとき、必ずしも負荷を平等にする必要はないと思います。
お互いが家事・育児に使える時間は全く同じではないですし、その時々のウェイトバランスは仕事や家庭のフェーズによっても変わってくるので、分担は適宜見直しを入れるのが良いと思います。

分担の多少よりも、担当をはっきりと決めてそれをお互いが理解している状態が重要だと思います。
私の家庭では当初、「家事・育児の分担を決めなくてもきっと助け合える」と、お互いの良心をアテにすることで失敗しました。(そんなものはお互いの余裕が無くなれば簡単に吹っ飛びました)

担当をはっきり決めることで、「このタスクは(相手が担当だから)私はやらなくてもいい」と安心できます。私の家庭では、洗濯物干し・取り込みは妻が担当し、畳み・しまいは私が担当しています。私が洗濯物を畳まないと洗濯カゴに洗濯物がどんどん溜まっていきます。仕事が忙しい時などは数日分をまとめて処理したりもします。でもそれが私の家庭にとってはお互い健全でいられる状態です。

ただし、仕事の忙しさや体調不良などでどうしても自分の担当タスクを遂行できない場合があります。
そういう場合は相手にタスクをお願いします。その時は「代わりにやってくれてありがとう!」という感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です(が、余裕がない時はこれがなかなか難しい…)。

3. 情報共有・見える化

3.1 収納場所

夫婦のうちどちらか一方しか把握していないこと(=属人性)を極力減らすことは、家事・育児協業の上で重要です。
この属人性の例として意外に盲点なものの一つが収納場所です。例えば妻(夫)の衣類・食器・子供の衣類・おもちゃなどをどこにしまえば良いか、です。

これに対してはお互いに口頭で情報共有するアプローチもあるのですが、
収納場所はどちらか一方の事情や気分で他方の知らないうちに変わっていたりします。

そこで、収納場所を見える化するアプローチもあります。写真の例ではクリヤーケースにラベルシールを貼り、子供の衣類をどの引き出しにしまえば良いかを見える化しています。
こうすれば、事前共有していなくても何をどこにしまえば良いか一目瞭然になります。
image_1.png

3.2 スケジュール

お互い仕事をしている以上、お互いの仕事スケジュールを共有しておくことも重要です。
定時外の会議や会社イベントなどは、Googleカレンダーなどで共有します。(当然ですが具体的な会議名など社外秘に抵触することには注意します)

大体自分のアカウントで自分の予定を書き込むのですが、
たまに「これよろしく!」的な意味で自分の予定が相手からスケジューリングされていることもありますw

3.3 TODO

補充する日用品・突発タスクなどはTODOとして共有・見える化します。

最近は Wunderlist などのスマホアプリを使う家庭が多いかも知れないですが、
私の家庭では、冷蔵庫にホワイトボードという古典的な運用をしています(日に一度は必ず目にする場所だからです)。
デジタル/アナログ含めて何の手段を使うかは、好みの問題だと思います。

4. 信頼関係構築

4.1 職場

子育て共働きを成立させるには、職場の理解が不可欠です。
そのためにまずはやることやって成果を出して、周囲から認められることが大事だと個人的には思います。

私は今の職場で子供のお迎えのため週一回17時に退社させてもらっているのですが、入社してから最初の数ヶ月間はその話は持ち出さず、良い仕事ができるよう必死で頑張りました。そしてある程度認められるようになってきたかなというタイミングで上司に話を切り出しました。当たり前かもですが、「こいつは大丈夫だ」という信頼を獲得してからの方が色々意見は通りやすくなると思います。(そして意見を通して頂いたことへの感謝は忘れずに)

4.2 妻

これは全然できていなくて耳が痛いのですが、自戒の念も込めて書きます。

  • お互いに完璧を求めないこと
  • 感謝の気持ちを相手に伝えること(思っているだけではダメ)
  • 相手が今「何を抱えているか」「何を頑張っているか」「何が大変か」を知ること

うん、自分で書いていて本当に耳が痛いです。。。

4.3 子供

シンプルですが「大好き!」を表現すること、これに尽きると思います。(あ、もちろん妻にも **)

また、子供は基本的に自己主張のかたまりなので、今日の出来事などを聞くと喜んで色々話してくれます。そのことで、自分の知らなかった事実や世界が広がることもあります。(例えば家のすぐ近くにすごくいい感じの施設や公園があった、など)

付録: 育休のススメ

これができるかは職場にも拠ると思うのですが、もしとれるなら一週間、可能なら数ヵ月間の育休を取得することをオススメします。
私の場合、幸運にも前職では2度の育休(それぞれ1ヶ月・2ヶ月)を取得できました。そしてリブセンスでは、私の知る範囲でも育休取得中・取得予定の男性社員が4, 5名ほどいます。

事前準備

育休取得に際しては、当然のことながら極力会社や職場に迷惑が掛からないように、取得時期や引き継ぎ等をできる限り早く計画します。
また、可能であれば、育休期間中にメールやその他の手段で職場・上司とのコミュニケーションを定期的に取れるようにしておくと良いです。そうすることで復帰後の仕事がスムーズになったり、育休中の仕事に対する不安感が軽減したりします。

取得目的の明確化

何のために育休を取得するのか、その目的を明確にしておくと良いと思います。
私の場合、1度目の育休は「来るべき共働き生活に備え、掃除・洗濯・料理の家事スキルを修得すること」、2度目の育休は「ガチ子育てを体験し、その大変さを身を以て知ること」を目的にしました。いずれも自分にとってはハードな期間で、特に2度目の育休はトラウマレベルの経験でしたが、世の中の主婦の苦労や偉大さが身に沁みて分かりました。

環境変化の体験

育休中の体験によって得られることは多くあります。
社会人生活から突如仕事がない日常に身を置く「劇的環境変化」はそうそう体験できるものではありませんし、平日日中に地元のお店・人々の動き・街の表情などを肌で感じることも新鮮な体験です。妻との会話(や、ケンカ・衝突)の時間も増えるかも知れません。
それらの体験は今後の子育て共働き生活を支えるだけでなく、自分の人生や仕事の幅を広げる上でも役立つと思います。

おわりに

以上、「夫婦子育て共働きを支える技術」と題して日々の取り組みを書きました。
偉そうなことも色々と書きましたが、自分はまだまだ全然ダメダメで、つまらないことで妻とケンカしますし、家事・育児の面でも妻に色々負担を掛けていると思います。夫として・親として・社会人として、スキル的にも精神的にも、日々精進あるのみです。

会社によって文化や価値観が異なるように、夫婦の価値観や家庭の在るべき姿もその数だけ存在すると思います。そんな中で、本記事が一部でも何かの参考になれば幸いです。
また、「他にもこんなツール/サービス/プラクティスがあるよ!」というのがあれば是非コメントとかで教えてください。

最後に、周囲の理解・協力があってこそ、仕事も家庭も充実した日々を過ごせています。
家族と職場に改めて感謝いたします。


明日は @ganta-viii@github が何か面白いことを書いてくれるはず!

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