みんなサイドプロジェクトに取り組んでいる?
StackOverflowが2015年に行った大規模調査があります。
その調査によると、驚くべきことに9割のエンジニアが毎週1時間は何かしらのサイドプロジェクトに取り組んでいて、その内半分の人はなんと7時間以上もそういった活動を行っています。もちろんこの調査結果には「StackOverflowのアンケートに答えるような人」というバイアスが掛かっている訳ですが、サイドプロジェクトという言葉の定義次第ではあながち嘘ではない気がします。
サイドプロジェクトと言うとコードを書いて公開するいわゆるオープンソース活動みたいなのを思い浮かべるかも知れません。ですが、ここではもっと大きく捉えましょう1。
僕のまわりで行われているサイドプロジェクトを考えてみました。
ボランティア活動
エンジニアとしてのITリテラシーを生かして社会に貢献する、といったところでしょうか。東日本大震災をきっかけに始まった Hack for Japan の取り組みなどが代表的です。
チームでアプリ開発
会社組織を離れて有志でチームを作ってアプリ開発を行う人たちがいます。Webサービスやモバイルアプリを分担して作ることが多そうです。例えば、先日Yahoo! Japanが開催した Hack Day 2016 でグランプリを受賞した AdriaBlue チームみたいに色々なハッカソンに出ては景品をかっさらいつつその成果を公開する、みたいなのも楽しそうですね。
オープンソース活動
自分でコードを公開したり、他人が書いたコードを手伝ったり。最近だと GitHub のおかげでだいぶやりやすくなりました。
面白ガジェットでひたすら遊ぶ
海外で発売されたガジェットを輸入してはいじり倒している知人がいます。本人はプロジェクトという意識を持っていないと思いますが、塵も積もればなんとやら、最先端のものに触れるというのは得難い経験です。お金かかりますが
情報発信する
Qiitaやブログに記事を書いたり、StackOverflowで質問に答えてみるなども、見方によっては立派なサイドプロジェクトです。
どこから始めるか
モチベーションを感じるのであれば何だっていいと思いますが、いきなり世界を変えるような凄いことを始めても限られた時間の中で形にするのは難しい。まずは身近な問題に取り組んで見るのがいいと思います。
ネタを考えるときに使えるアプローチの一つは日常でふと感じる「面倒だなー」に着目することです。残念ながら99%のサイドプロジェクトは誰からも見向きされません。しかし、この方法の良いところはそのプロジェクトの成果物を少なくともあなた自身は使うということです。
最新のテクノロジーに触れよう
仕事で携わる歴史あるプロダクトではほいほいと新しい便利ツールを試すということが難しいかも知れません。その点、一度限りのハッカソンや、自分だけが使うライブラリで使ってみるのは敷居が低いのでやりやすいと思います。
成果は公開する
特にオープンソース活動の場合ですが
Done is better than perfect.
を肝に銘じて、不完全なものだったとしても公開しましょう。99%のサイドプロジェクトは誰からも見向きもされませんが(大事なことなので2回)、それでもその成果は外部に向けて発信すべきです。
(おそらくQiitaを見ている人の大多数が所属するであろう)Web業界は人材流動性が他業種に比べて非常に高い業界です。外から見える活動が多いほうが得をすることは多い気がします。
おわりに
こういう話題になると必ず「とくに作りたいものがない」「やりたいものがない」という反応が返ってきます。その気持はよく分かるのですが、少なくともこの記事を読んでいる時に思いつかないからと言って匙を投げるのは早ぎます。
サイドプロジェクトの根本には「コードを書くのが好き」とか「この活動が楽しい」という想いがあるはずです。そんな主体的に取り組めるサイドプロジェクトを探してみてはいかがでしょう?なんせ9割の人が何かしらやってるんですからきっと見つかるはずです。
-
StackOverflowのアンケートで使われたサイドプロジェクトという言葉と一致するのかは調べていないので分からないです。 ↩