はじめに
Macに最小限の手順でtex環境を構築する手順のメモです。
Macでtexを使うための一式まとめたパッケージとしてMacTexというものがあります。
Mac上でのデファクトスタンダードのようです。
その証拠に brew search latex
を実行するとこんなメッセージが出てきます。
If you meant "latex" precisely:
Installing TeX from source is weird and gross, requires a lot of patches,
and only builds 32-bit (and thus can't use Homebrew deps on Snow Leopard.)
We recommend using a MacTeX distribution: https://www.tug.org/mactex/
Caskroom/cask/latexian Caskroom/cask/latexit
MacTexはインストーラが提供されていて、.pkgファイルをftpサイトから落としてくることができます。
しかし、MacTex自体はGUIアプリを含む様々なものが含まれていて.pkgファイルのサイズが2GBを超えています。
ダウンロードするのもだるいし、ディスク容量も圧迫するし、ごちゃごちゃと入れてしまいたくありません。
MacTexから最小限のlatex環境を取り出したBasicTexというものがあり、こちらは100MB程度のパッケージです。
後から必要なパッケージも追加することができるので、このBasicTexを使って環境を構築することにしました。
ちなみに手元のマシンはYosemiteです。
参考サイト
手順
- 事前にghostscriptはhomebrewでインストールしておく
brew install ghostscript
- .pkgファイルをFTPサイトからダウンロード
- ミラーサイトの一覧はこちらにあります。
- ダウンロードしたインストーラを実行
-
/usr/texbin
以下にインストールされ、PATHにも追加される
- tlmgr (tex live manager の略) でtex関連のパッケージをインストール
- tlmgr自身の更新と既存パッケージの更新
sudo tlmgr update --self —all
- 日本語関連のパッケージの更新(platexとか)
sudo tlmgr install collection-langjapanese
- tlmgrというのはtex関連のパッケージ管理ツール。
- (個人的に必要だっただけなので省略可)revtexスタイルファイルを入れる。
tlmgr search —-global revtex
sudo tlmgr install revtex
- extractbb の自動実行の設定
- pngなどの図をlatexに入れるには境界のサイズを
extractbb
コマンドで取得する必要があるが、毎回手動で実行するのは手間である。 - texmf.cnfファイルを編集すると自動でextractbbを実行してくれる。
-
sudo vi /usr/local/texlive/2014basic/texmf-local/web2c/texmf.cnf
- ファイルのパスは
kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
で確認できる
- ファイルのパスは
-
中身は以下のように記述する
-
編集後、
sudo mktexlsr
を実行texmf.cnf
-
shell_escape_commands =
bibtex,bibtex8,bibtexu,upbibtex,biber,
kpsewhich,
makeindex,mendex,texindy,xindy,
mpost,upmpost,
repstopdf,epspdf,extractbb
1. 日本語フォント(ヒラギノ)の設定
- `kanji-config-updmap-sys status` を実行。
- 結果にHiraginoが見つからないので以下の手順で設定する
- hiraginoフォントをおくディレクトリ作成
- `sudo mkdir -p /usr/local/texlive/2014basic/texmf-local/fonts/opentype/hiragino/`
- `cd /usr/local/texlive/2014basic/texmf-local/fonts/opentype/hiragino/`
- 以下の mkfontlink.sh のようにfontのsymbolic linkを作る
- `kanji-config-updmap-sys status` を実行して hiragino が出て来れば成功
- pdfに埋め込むフォントをヒラギノに変更 `kanji-config-updmap-sys hiragino`
```mkfontlink.sh
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" ./HiraMinPro-W3.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" ./HiraMinPro-W6.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf" ./HiraMaruPro-W4.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" ./HiraKakuPro-W3.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" ./HiraKakuPro-W6.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf" ./HiraKakuStd-W8.otf
sudo ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W3.otf" ./HiraMinProN-W3.otf
sudo ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W6.otf" ./HiraMinProN-W6.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf" ./HiraMaruProN-W4.otf
sudo ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf" ./HiraKakuProN-W3.otf
sudo ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf" ./HiraKakuProN-W6.otf
sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ StdN W8.otf" ./HiraKakuStdN-W8.otf
- latexmk のインストール
- mactexには自動で入っているが、BasicTexには入っていない模様
sudo tlmgr install latexmk
- pdfにコンパイルするときには
latexmk -pdfdvi
でコンパイルできる。
スタイルやフォントが見つからないとき
以後、追加でスタイルファイルなどを追加したいときは
tlmgr search —global foobar
sudo tlmgr install foobar
で必要な分だけインストールできます。