昨日は一元配置分散分析について書きましたのでその続きです。
二元配置分散分析
2 つの要因 A, B にそれぞれ水準があるとします。 2 つの要因が互いに無関係だとしたとき、各水準の母平均に差があるか検定するのが二元配置分散分析です。
水準の組 (Ai, Bj) の母平均 μ_ij は
\mu_{ij} = \mu + \alpha_i + \beta_j
と表され、
\sum_{i=1}^{\alpha} \alpha_i = 0 \\
\sum_{j=1}^{\beta} \beta_j = 0 \\
とします。
データの構造式として次式を考えます。
x_{ij} = \mu_{ij} + \epsilon_{ij} = \mu + \alpha_i + \beta_j + \epsilon_{ij}
ただし ε_ij は互いに独立に正規分布 N(0, σ^2) に従います。
仮説 | 説明 |
---|---|
帰無仮説 | 要因 A,B の効果が無い、つまり α_1 = α_2 = ... = α_α = 0, b_1 = b_2 = ... = b_b = 0 |
対立仮説 | 要因 A,B の効果がないという仮説を否定する根拠となるほどに差が大きい |
解法としては総平方和を次のように分解します。
S_r = \sum_{i=1}^\alpha \sum_{j=1}^\beta (x_{ij} - \overline{x})^2 \\
= \beta \sum_{i=1}^\alpha(\bar{x}_{i・} - \overline{x})^2 + \alpha \sum_{i=1}^\beta(\bar{x}_{・j} - \overline{x})^2 + \sum_{i=1}^\alpha \sum_{j=1}^\beta (x_{ij} - \bar{x}_{i・} - \bar{x}_{・j} + \overline{x})^2
右辺第一項を A 間平方和 S_A
右辺第ニ項を B 間平方和 S_B
右辺第三項を残差平方和 S_e
と呼びます。
残差平方和の自由度は
\phi_T - \phi_A - \phi_B = ab - a - b + 1
となります。
参考
日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学
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