2015年4月11日(会場:株式会社サイバード)に、早稲田大学マニフェスト研究所とE2D3主催によるイベント「Political Data Visualization Hackathon Vol.1 E2D3とマニフェストスイッチで新しい政治の見せ方を考えよう!」が開催されました。
早稲田大学マニフェスト研究所はローカル・マニフェストによって地域から新しい民主主義を創造することを掲げています。E2D3は、Excelの拡張アプリを開発しているチームで、プログラミング知識がなくとも、普段のExcelで誰もがD3.jsを簡単に使いこなし創造的なデータ可視化ができる世界を目指しています。
「政治に関心が低いのは政治がわかりづらいからなのではないか」という問題意識から、両者が協力してオープンデータとデータビジュアライゼーションで「わかりづらい政治」を「わかりやすい政治」に変えることを目指して開催されたのが本イベントです。
国の省庁や自治体でもオープンガバメントが進み、活用できるデータが増える中、政策のオープンデータ化をすすめる「マニフェストスイッチプロジェクト」が3月にスタートしました。ただ、政治データのビジュアライゼーションを誰もが簡単に出来るツールはなく、オープンソースのビジュアライゼーションソフト「E2D3(Excel to D3)」を拡張して「政治のデータビジュアライゼーションツール」をつくることを目指しています。
研究所にお勤めの方、市民がアプリケーションを作り行政サービスを改善することを目指す「Code for Japan」の方、日頃より草の根的に活動をされている方、若年投票率向上を目的に活動する「NPO法人ドットジェイピー」の方、大学の先生、大学院生など様々なバックグラウンドの方が参加しました。
イベントは午前中にマニフェストスイッチの説明とE2D3の説明があり、何について開発するのかをブレーンストーミングの後、チームビルディングが行われました。
ブレーンストーミングでは基本2人1組となり、テーマは各自で自由に議論されました。
話し合ったテーマを元に発表がされました。
①有権者の投票者を助ける、トピック分類
②データ構造化、男女別、新人等で分析、予測モデル
③人気中の活動、総時間、使った金額、地域ミクロ課題
④予算と政策のギャップ
⑤日本の財政の逼迫具合
⑥自分が重視する項目選択→マッチング、地域の強み、若者
その後、参加者の皆様が発表者の方々に質問する時間を取り、入りたいテーマのチームに参加いたしました。午後はそのチームで実際に開発をスタート。
各チームで企画を考える方、実際にプロダクトを作るエンジニアの方と分かれ、白熱した議論が交わされていました。「今回のハッカソンでできる段階と、今後の目標」とイベント以降についてもプランニングしているチームから、実際の地図に表現しているチームと、それぞれの特徴が見えました。政治に関心のある方が集まっていることもあり、具体的な課題をどうにかしたい、という思いが伝わってきました。18時に発表予定でしたが、参加者の皆様はよいものを作ろうと開発に集中。予定よりも少し遅れての発表となりました。
・Word Cloudでパっと見で分かるマニフェスト
・マニフェストデータの自由文回答からの候補者マッピング
など発表がされ、発表をもとに白熱した議論が展開されました。
地方選挙の立候補者データをマッピングした発表がされた際に「データを提示する場合は、解釈する方に配慮して注釈は必須である」といった意見や「表示されたデータがそれぞれ近すぎて投票行動に迷いが生じる」など意見が飛び交いましたが、発表者の意図は「形作ったデータをもとに一次判断をしていただくことを目的としている」と説明があるなど、活発に意見が交わされました。
またメディアの方も多く駆けつけていました。皆様の発表に鋭い質問を投げかけ、それに対し発表者の方も専門的な回答をされており、イベントレベルの高さが伺えました。
1日という大変短い制限のある中で素晴らしい成果物を残された参加者の皆様。最後は元気に「日本をよくするぞー」との掛け声で集合写真を撮影しました。
今回作成された成果物は、政治の良い取り組みを表彰する「第10回マニフェスト大賞」の応募作となり、受賞者は11月に六本木ヒルズで行われる表彰式に出席できるとのことです。
E2D3は今後も定期的にイベント開催をしていきます。「データを使って新しいプロダクトを作ってみたい方」「社会をよくしたい思いをお持ちの方」はぜひ参加してみて下さい。E2D3 三回目のハッカソンは5月10日小学生が楽しいと思うグラフを作るぞハッカソン organized by GreenHack & E2D3です。
(文章・撮影:浜崎 正己)