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22年勤めたIT系の会社を退職した話

Last updated at Posted at 2022-04-30

この記事の概要

私が退職に至った理由などが書かれています。
いわゆる退職エントリーというものです。

私は、社員数500名ほどのSIerにいました。
現時点では、ホールディングス再編のために、株式は公開されていませんが、再編開始前のホールディングスは東証一部上場企業でした。
また、SIerと自分たちでは言っていましたが、システムをインテグレーションしているのかは、疑問が残ります。

そして、この記事を、冷静に書こうと思っていますが、
退職するためのもろもろの行動を起こすには、ある程度、会社を否定するベクトルも必要なため、
転職活動を終えた現時点でも、否定方向のバイアスもかかっている可能性はあります。
それでも書こうと思ったのは、現時点で私が嫌なことを明確にしておくことが、
私の今後のキャリアにおいて、大事だと考えたからです。

会社に告げた退職理由

私が会社に報告した退職理由は以下のものです。
会社のビジネスモデルに将来性がないから

「会社のビジネスモデルに将来性がない」の背景

会社のビジネスモデルに将来性がないからと書いたのは、いくつかの背景があります。
その背景の一部を書いていきます。

背景その1 SIerにくる仕事は、マネジメントできない会社からの確率が高い

退職前に関わっていたお客さんのマネジメントはひどかったです。
どれほどのプロジェクトなのかは、以下の資料に書かれています。
https://speakerdeck.com/yasuyoono/qanannan-minnagana-de-dekiruqafalsesutairuwojian-tukeyou-qasutairuhuaindafalseshi-ifang-huikusiyon

IT業界のいろいろを含めて説明すると、
IT系の会社には、自分たちのサービスや製品を作る会社(自社サービス企業)と、お客さんのサービスや製品を作る会社(クライアントワーク企業)があります。
SIerと呼ばれる会社は、自分たちのサービスも作ってはいますが、仕事の多くはお客さんのサービスや製品を作っています。

そして、かつては、自社サービス企業にエンジニアが少なかったので、SIerがたくさんのエンジニアを提供していました。
いまや、自社サービス企業もかなり積極的にエンジニアを採用しています。
では、今もSIerからエンジニアの提供を受けている企業とは、どのような企業でしょうか?
いくつかのパターンはあると思いますが、エンジニアが採用できない、あるいは、エンジニアが定着しない会社であることも多いでしょう(急成長していて、エンジニア採用が間に合わないという場合もあるかも)。
その理由はいくつかあると思いますが、その一つがマネジメントが上手ではないことによるものだと思います。
マネジメントができる会社は、自社でエンジニアを採用し、育て、自社エンジニアの比率が高いチームで開発をしていきます。
ということは、SIerに依頼がくる仕事の多くは、マネジメントができない会社である確率が高いし、今後はその確率がさらに高くなると考えるようになりました。

そして、これはクライアントワークというビジネスモデル上、避けることができないと考えました。

背景その2 人よりも、売り上げが大事

私がいたプロジェクトは、退職者も休職者もとても多かったです。
でも、そのお客さんの売り上げが年々伸びていました。
すると、会社はそのお客さんとのお付き合いはやめません。
そんなところから、この会社は、「売り上げを上げること」>「人を大事にする」なのだと判断しました。
会社は、「たとえ、エンジニアがどんどん辞めても、補充できると考えている」とも思いました。
もう、このビジネスモデルに将来性はないなと思いました。

背景その3 プロジェクトリーダー育成で、プロジェクト計画をないがしろにする

私は会社でプロジェクトリーダー育成に関わっていました。
育成側の話し合いのなかで、育成のリーダーが「プロジェクト計画書を実際に書く機会はほとんどないので、プロジェクト計画書を教える必要はない」と言ったことがありました。
私としては、「プロジェクト計画書を書く中で、プロジェクトマネジメントに必要な要素を覚える」し、「プロジェクト計画書を書かなかったとしても、プロジェクトマネジメントでは、プロジェクト計画書の各要素を考えて進める」と思っていたので、衝撃でした。

つまりは、このビジネスモデルの中では、現場で要求されないことには価値がないと思われて、エンジニアは身に着けようとしないのだと感じました、
でも、プロジェクトのマネジメントの要素を知らない人が、お客さんのプロジェクトマネジメントの支援をできるとは思えませんでした。
このビジネスモデルの中にいたら、勉強をないがしろにしていく文化に飲み込まれてしまい、将来性はないと思いました。

背景その4 自社サービスを立ち上げると言っているが、必要なリソースを投下しない

私がいた会社は、ここ数年、自社サービスを立ち上げると言ってきました。
確かに、自社サービスを立ち上げる活動はしています。
しかし、会社が自社サービスに対して、必要なリソースの投下をしてきませんでした。

私が以前いた会社で自社サービスを立ち上げようとしていた時は、別の部門に文句を言われるほど、リソースを投下していました。
そして、言葉は悪いですが、サービスのリーダーは執念のようなものを持っていました。
正直、そのレベルで取り組んでも、立ち上げるサービスと立ち上がらないサービスがある状態でした。

それと比べると、執念もないし、リソースの投下もけがをしないレベルでした。
それでは、サービスが立ち上がるはずもありません。

今は、ホールディングス再編で社外の株主がいない状況なのですが、このタイミングなら、リソースの投下ができるはずなのに、それでもやっていません。
最後のチャンスを逃していると思いました。

このビジネスモデルには将来性がないと思わざるを得ませんでした。

会社のビジネスモデルに将来性がないの背景を4つ書きましたが、これでも実は一部です。
でも、この会社がいつか生まれ変わってほしいとは思っています。
また、新天地では、この会社のことは忘れて、楽しく一生懸命に仕事をしようと思います。

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