NetBSDポートの最初の一歩

NetBSD/armではhoge_start.Sから始まります。

実際始まってるか確認してみましょう。

m83xxxのuartは0x10090000の物理アドレスにあります。

u-bootで確認してみましょう。

Comcerto-1000 > mw.b 10090000 4e
NComcerto-1000 >

文字が出ますね。

ではカーネルコードで同じことをしてみます。

--- a/sys/arch/evbarm/mindspeed/m83xxx_start.S
+++ b/sys/arch/evbarm/mindspeed/m83xxx_start.S
@@ -48,6 +48,9 @@ RCSID("$NetBSD: m83xxx_start.S,v 1.7 2020/11/28 14:29:31 skrll Exp $")
        .global _C_LABEL(m83xxx_start)
 
 ENTRY_NP(m83xxx_start)
+       ldr     r2, .Luart
+       mov     r1, #78
+       strb    r1, [r2]
        cpsid   if, #PSR_SVC32_MODE
 
        /*
@@ -126,4 +129,6 @@ ENTRY_NP(m83xxx_start)
        .word   0x80000000|L1_S_AP_KRW|L1_S_C|L1_S_B|L1_TYPE_S
 .Lio_pde:
        .word   0x43f00000|L1_S_AP_KRW|L1_TYPE_S
+.Luart:
+       .word   0x10090000
 END(m83xxx_start)

これでビルドしたカーネルを起動してみます。

## Booting image at 81000000 ...
   Image Name:   NetBSD/m83xxx 
   Image Type:   ARM NetBSD Kernel Image (uncompressed)
   Data Size:    3850320 Bytes =  3.7 MB
   Load Address: 80100000
   Entry Point:  80100000
   Verifying Checksum ... OK
OK
## Transferring control to NetBSD stage-2 loader (at address 80100000) ...
N

文字が出たので、ちゃんと実行が移っていることが確認できました。これでビルドシステムが正常なことが分かります。

"## Transferring..."はu-bootのNetBSDサポートコードが出しているようです。

この後のstartは/sys/arch/arm/arm32/locore.Sにあります。

実はこれは古い方法で、arm/arm/armv6_start.Sというv6以降の共通ルーチンが用意されたようです。こちらに変更してm83xxx_start.Sは消しました。

v5以前ついては個別のstart.Sが必要です。

古い実装はhoge_start.Sとhoge_machdep.cというコードをそれぞれのターゲットごとに用意していたようです。hoge_machdep.cにはinitarmがあり、かなりがりがり書かれていました。ほとんど同じ処理なのでarm/arm32/arm32_*.cに共通化したコードがあるので、これを呼ぶだけでよくなっています。

実はcomcertoの実装で同じ1136なimx31をコピーしていじったのですが、imx31はまだがりがり書かれたままのコードでした。なぜかv5なimx21の方は共通コードになっていたので、こちらも参考にしました。

arm32_*.cは後から作られた物っぽいですがFDTの非対応でも使えるようです。

すでに対応のあるアーキテクチャのSOCをポートする時はuart,割り込み,timerがあればrootのマウントまでたどり着けます。

uartは設定はu-bootがおこなっているので、まずはputcだけを用意すればよいです。

アーキテクチャ固有の処理が終ると、kern/init_main.cのmain()が実行されます。

新しいSOCにポートする時は既存のコードをコピーして始めますが、コピー元がメンテされてて筋が良いものを選ぶのが重要です。また対象のターゲットのアーキテクチャがシンプルなものがいいです。見極めるのは結構難しいです。NetBSDは疎いので結構はまりました。

Redbootでputcharはこうします。

RedBoot> mfill -b 0xc8001000 -l 4 -p 0x4e
NRedBoot>

c2kではこうでした。

Barebox-C2K >/ memset 0x96400000 0x4e 1
NBarebox-C2K >/ 

現実的に使えるようにするには最小限、uart,割り込み,タイマー,Ether,ストレージ(USB)の実装が必要です。