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EV3RT用mrubyサンプルコードの使い方

Last updated at Posted at 2015-05-16

この記事はETロボコン関係者(参加者含む)向けに、Ruby(mruby)をお試しいただくために作成しました。
そのため、ETロボコンの公式サイトで解説している部分は省略しています。
ESEC 2015のデモはこのコード(旧タイヤ版)を利用していました。

(2018/04/19追記)
2018年度からの新しいタイヤ版用に修正しました
(2018/05/05追記)
EV3RT β7-1でもたぶん大丈夫と思いますが、私の方で動作確認はまだできていません

(2018/06/23追記)
EV3RT β7-1は(toppers-etrobo 112) Bluetooth PANで転送後,アプリの起動が失敗するが未解決のため動作確認をしていません。EV3RT β7を使用してください。
(2019/05/03追記) 上記現象に対応したものがβ7-2になります。よってETロボコン2019ではβ7-2を推奨します

必要なもの

2019年度も2018年度way(mrb_way_2018)を使用してください (名前付けに失敗しました…)

mrubyのビルド

mrubyの取得

GitHubのmrubyリポジトリは日々更新されています。
最近の更新状況を考慮して1、2019年度の技術教育は(今後致命的なバグを見つけない限り)リリース版2.0.1を推奨にしようと思っています。
なので、個人的には今年は2.0.1がおすすめかな…

https://github.com/mruby/mruby/releases/tag/2.0.1
こちらからSource code(zip)またはSource code(tar.gz)をダウンロードして使いましょう。

もちろん、GitHubのmrubyリポジトリからmrubyを取得して使うこともできます。

$ git clone -b 2.0.1 https://github.com/mruby/mruby.git

EV3RT用のmrbgemsの取得

こちらはGitHubからgit cloneしてください。
(要望により機能追加する場合があります。その際、git pullで更新できると便利です)
mrubyと同じ階層に置く前提です。
ex. /Users/xxx/git/mruby なら /Users/xxx/git/mruby-ev3rt

$ git clone https://github.com/yamanekko/mruby-ev3rt.git

mrubyのMakefileをEV3RT用に変更

/mruby/makefileRAKE=をEV3RT用のbuild config 用に変更します。

RAKE = MRUBY_CONFIG=../mruby-ev3rt/build_config_ev3rt.rb ruby ./minirake

RAKE=MRUBY_CONFIG=../mruby-ev3rt/build_config_ev3rt.rb ruby ./minirake

もともとは RAKE = MRUBY_CONFIG(略) と=の前後にスペースを入れてましたが、紛らわしいかなと思って削除しました。お好みの方でどうぞ

※ minirake を使えばRakeがインストールされてなくてもOKです

build_config_ev3rt.rb の設定内容を環境に合わせる

  • EV3RT_PATH = hrp2のパス
  • GNU_TOOL_PREFX = arm-none-eabi-gcc のパス

GCC ARMにパスが通っている場合は
GNU_TOOL_PREFX = arm-none-eabi-
でよい。パスが通っているかは、以下のコマンドで確認できます。
arm-none-eabi-gcc -v

バランサーのコードの追加 (wayのみ必要)

2017/3/27追記
最近はETロボコンのバランサーライブラリは公開されているようなので、他のサンプルに倣って同梱しました。

mrubyをmakeする

cd (mrubyのディレクトリ) 
make

mruby用サンプルプログラムのビルド

(以下バイトコードを利用するバージョンのサンプルコードの使用方法です。Rubyのファイルを読み込んで実行するバージョンについてはEV3RT用mrubyサンプルコード(*.rbファイル読み込み版)を参照してください。)

Rubyのコードは、mrubyをビルドすると生成されるmrbcコマンドを使ってmruby独自の"バイトコード"と呼ばれているものに変換します。
C/C++との違いは、makeする前にこのバイトコードを生成するところのみです。
※ バイトコードはRubyのコードを変更した場合のみ再作成すればよいです。

サンプルコードの取得

  • 2018年度way用
$ cd (ev3rtのパス)/hrp2/workspace/
$ git clone https://github.com/yamanekko/mrb_way_2018.git
  • 旧way用
$ cd (ev3rtのパス)/hrp2/workspace/
$ git clone https://github.com/yamanekko/mrb_way.git
  • trike用
$ cd (ev3rtのパス)/hrp2/workspace/
$ git clone https://github.com/yamanekko/mrb_trike.git

※ wayの方には、以下のバイトコードの作成からEV3RTのビルドまでを実行するシェル(build_mod.sh)が入っています。利用する際にはご自身の環境に合わせてパスを変更してください。(こちらを使用する場合にも次の「Makefile.incの修正」は必要です)
詳しくはbuild_mod.shの中のコメントを参照してください

$ cd (ev3rtのパス)/hrp2/workspace/mrb_way_2018
$ ./build_mod.sh

Makefile.inc の修正

修正箇所はwayもtrikeも同じです。

APPL_LIBS += (mrubyをインストールしたパス)/mruby/build/EV3RT/lib/libmruby.a -lm
INCLUDES += -I(mrubyをインストールしたパス)/mruby/include
※先頭の-Iを消さないようにね

ev3rt.h の修正

ちょっと強引かもしれないですが、デフォルトのスタックサイズを増やしてしまう方法です。
ev3rt.hの79行目あたりの #define STACK_SIZE 40964096 から80960 に変更します。

/*
 *  タスクのスタックサイズ
 */
#ifndef STACK_SIZE
#define STACK_SIZE  80960
#endif

この修正をすると、どのアプリもSTACK_SIZEが増えることになります。

app.hにも

#ifndef STACK_SIZE
#define STACK_SIZE      4096
#endif /* STACK_SIZE */

という記述がありますが、こちらを変更しても、先にev3rt.hが読み込まれているため、STACK_SIZEは既に定義済みとなり、反映されないので注意しましょう。
アプリ個別で変更したい場合は、app.cfgのタスクの定義のスタックサイズ(以下のコード例のSTACK_SIZEのところ)に適当な大きさの数字を入れましょう。(各タスクごとに個別に設定なので注意しましょう)

Ex.
CRE_TSK(MAIN_TASK, { TA_ACT , 0, main_task, TMIN_APP_TPRI + 1, STACK_SIZE, NULL });

バイトコードの作成

mrbcコマンドを実行します。(2018年度mrb_wayの例)

$ cd mrb_way
$ (mrubyをインストールしたパス)/mruby/bin/mrbc -g -Bbcode -oapp_ruby.h app_ruby2.rb
$ (mrubyをインストールしたパス)/mruby/bin/mrbc -g -Bcyccode -obalance_ruby.h balance2.rb
$ (mrubyをインストールしたパス)mruby/bin/mrbc -g -Bwatchcode -owatch_ruby.h watch.rb

コマンドの説明

-g : デバッグ情報を生成
-B : 直後の文字列がバイトコードの変数名(この名前でmrubyのコードから呼び出します)
-o : バイトコードを出力するファイル名
最後がバイトコードに変換したいRubyのファイル名

バイトコードの修正

mrubyの修正でバイトコードに
extern const uint8_t
が出力されるようになっており、ビルドエラーになります。
生成した*.hから上記1行を消してください。
ruby delete_extern.rb
を実行しても消去できます。
(mrubyのバージョンによって上記出力されないバージョンもあります。出力されていないバージョンのバイトコードにdelete_extern.rb を実行しても特に問題はありません。)

EV3RTのビルド

C/C++と同様に mod=xxx または app=xxx を使用してmakeしてください。

$ cd (ev3rtのパス)/hrp2/workspace/
$ make app=mrb_way_2018

  1. ビルドが通らないです!とか問題に突き当たったときに問題の切り分けが大変なので… 

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