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[実践編]docker + さくらのクラウドでマルチホストなoverlayネットワークしてみるよ(準備編)

Last updated at Posted at 2015-12-01

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はじめに

前回はswarmを使ってクラスタリングしてみました。
今回は一歩進んで、クラスタの構成情報を専用のネットワークに分離した上でKVS(Key-Value-Store)で管理するようにしてみます。

ネットワークの分離にはdocker1.9にて正式実装されたマルチホストネットワーク機能を利用します。
また、さくらのクラウドのスイッチ/ルーター機能を利用するため、docker-machine-sakuracloud v0.0.5を使用します。

参考情報

マルチホストネットワークについては以下の記事が参考になると思います。

Docker : マルチホスト間での仮想ネットワーク

Dockerのoverlayネットワークでコンテナを分散実行

docker-machine-sakuracloud v0.0.5について

今回docker1.9を利用するにあたりdocker-machine-sakuracloudをバージョンアップしました。
主な変更点は以下の通りです。

  • docker-machine 0.5.1で行われたプラグイン関連の後方互換性のない変更への対応
    :up: 2015/12/5:後方互換が確保されるようにdocker-machine側が修正されていました。

  • マシン作成時にカーネル3.16以降を適用

  • マシン作成時にスイッチ/ルーター接続済みのNICを設定するオプションの追加

以下のようにオプション指定することでプライベートIPを持ったマシンを作成できます。
:up: 2016/1/21:追加NICのIPアドレス指定オプションを修正


$ docker-machine create -d sakuracloud \
                        --sakuracloud-access-token [アクセストークン] \
                        --sakuracloud-access-token-secret [トークンシークレット] \
                        --sakuracloud-connected-switch [さくらのクラウドで作成したスイッチのID] \
                        --sakuracloud-private-ip [追加NICのIPアドレス] \
                        --sakuracloud-private-ip-subnet-mask [追加NICのサブネットマスク] \
                        sakura-dev

カーネル3.16以降に対応したことでdocker1.9のネットワーク機能が利用できるようになりました。

今回の手順と構成

kobito.1449061175.615776.png

手順

  1. さくらのクラウド上でスイッチ/ブリッジを作成
  2. クラスタの構成情報を格納するKVS(consul)ノードを作成
  3. swarmマネージャノードを作成
  4. swarmエージェントノードを各リージョンに作成
  5. dockerオーバーレイネットワークの作成
  6. コンテナを作成して動作確認

構成

前回の構成に加えてdockerにてoverlayドライバを利用し、
クラスタ間での通信を管理系として公開系とは別ネットワークに分離してみます。

マシン作成には前回と同じくdocker-machine-sakuracloudを使います。
docker-machine-sakuracloudの使い方についてはこちらを参照してください。

マシン一覧

役割 リージョン サーバ名 公開系IP 管理系IP
KVS(consul) 石狩第1リージョン sakura-is1a-kvs (さくらのクラウドで自動割当) 192.168.11.101/24
swarmマネージャ 石狩第1リージョン sakura-is1a-manager (さくらのクラウドで自動割当) 192.168.11.151/24
swarmエージェント 石狩第1リージョン sakura-is1a-agent (さくらのクラウドで自動割当) 192.168.11.201/24
  石狩第2リージョン sakura-is1b-agent (さくらのクラウドで自動割当) 192.168.11.202/24
  東京第1リージョン sakura-tk1a-agent (さくらのクラウドで自動割当) 192.168.11.203/24

準備

前回と違いクラスタの管理情報をconsulに格納するため、swarm用のディスカバリトークンは必要ありません。

マシンを計5台作成することになるため、入力で楽するために以下環境変数を設定しておきます。
以降の説明では環境変数設定済みという前提で記載していきます。

# コマンド入力補助用の環境変数設定
$ export SAKURACLOUD_ACCESS_TOKEN=[さくらのクラウドのアクセストークン]
$ export SAKURACLOUD_ACCESS_TOKEN_SECRET=[さくらのクラウドのトークンシークレット]

実施

手順1. さくらのクラウド上でスイッチ/ブリッジを作成

各リージョンにスイッチを追加し各マシンへ接続します。
さくらのクラウドの管理コンソール上から作業してください。

スイッチの追加

管理コンソール左ナビのメニュー内の「スイッチ」から追加しておきます。
ここではスイッチ名「switch_is1a」としておきました。

kobito.1448789763.629505.png

後ほどスイッチのIDが必要になるため控えておきます。

スイッチ.png

石狩第2ゾーン、東京第1ゾーンでも同様にスイッチを追加しておきます。

ブリッジの追加とスイッチとの接続

リージョン間のスイッチを接続する「ブリッジ」を追加します。
同じく管理コンソールから作成しましょう。

ブリッジ作成後、ブリッジの詳細画面からスイッチとの接続をお忘れなく。

ブリッジは全リージョン通じて1つだけ作成すればOKです。
他のリージョンではスイッチとの接続のみ同様に作業しておいてください。

手順2. クラスタの構成情報を格納するKVS(consul)ノードを作成

KVS(consul)を稼働させるマシンを作成します。
管理系IPとして192.168.11.101/24を割り当てます。

# 石狩第1リージョンにKVS用のマシン構築
$ docker-machine create -d sakuracloud \
        --sakuracloud-connected-switch [手順1で控えたスイッチのID] \
        --sakuracloud-additional-ip 192.168.11.101 \
        --sakuracloud-additional-subnet-mask 255.255.255.0 \
        sakura-is1a-kvs

作成したらconsulを起動しておきます。
起動時に管理系IPにexposeするようにpオプションをIP付き指定しておきます。


# dockerで作成したマシンを使うように設定
$ eval "$(docker-machine env sakura-is1a-kvs)"

# consul起動
$ docker run -d -p "192.168.11.101:8500:8500" -h "consul" progrium/consul -server -bootstrap

手順3. swarmマネージャノードを作成

続けてswarmマネージャノードを作成します。

swarm管理情報の格納先として、先ほどのconsulのIPアドレス+ポート192.168.11.101:8500を指定しています。

また、--engine-optを指定しdockerデーモンへクラスタ管理情報の扱い方を指示しています。
cluster-storeでクラスタ管理情報の格納先を指定し、
cluster-advertiseでクラスタ管理情報をやり取りするNICとポート番号を指定しています。

$ docker-machine create -d sakuracloud \
        --swarm \
        --swarm-master \
        --swarm-discovery consul://192.168.11.101:8500 \
        --engine-opt="cluster-store=consul://192.168.11.101:8500" \
        --engine-opt="cluster-advertise=eth1:2376" \
        --sakuracloud-connected-switch [手順1で控えたスイッチのID] \
        --sakuracloud-private-ip 192.168.11.151 \
        --sakuracloud-private-ip-subnet-mask 255.255.255.0 \
        sakura-is1a-manager

手順4. swarmエージェントノードを各リージョンに作成

石狩第1、石狩第2、東京リージョン各リージョンにswarmエージェントノードを作成します。
--swarm-masterの指定がないことと、
各リージョンでスイッチのIDが異なることに注意してください。

# 石狩第1リージョン
$ docker-machine create -d sakuracloud \
        --swarm \
        --swarm-discovery consul://192.168.11.101:8500 \
        --engine-opt="cluster-store=consul://192.168.11.101:8500" \
        --engine-opt="cluster-advertise=eth1:2376" \
        --sakuracloud-connected-switch [手順1で控えたスイッチのID] \
        --sakuracloud-private-ip 192.168.11.201 \
        --sakuracloud-private-ip-subnet-mask 255.255.255.0 \
        --sakuracloud-region is1a \
        sakura-is1a-agent
        
        
# 石狩第2リージョン
$ docker-machine create -d sakuracloud \
        --swarm \
        --swarm-discovery consul://192.168.11.101:8500 \
        --engine-opt="cluster-store=consul://192.168.11.101:8500" \
        --engine-opt="cluster-advertise=eth1:2376" \
        --sakuracloud-connected-switch [手順1で控えたスイッチのID] \
        --sakuracloud-private-ip 192.168.11.202 \
        --sakuracloud-private-ip-subnet-mask 255.255.255.0 \
        --sakuracloud-region is1b \
        sakura-is1b-agent

# 東京第1リージョン
$ docker-machine create -d sakuracloud \
        --swarm \
        --swarm-discovery consul://192.168.11.101:8500 \
        --engine-opt="cluster-store=consul://192.168.11.101:8500" \
        --engine-opt="cluster-advertise=eth1:2376" \
        --sakuracloud-connected-switch [手順1で控えたスイッチのID] \
        --sakuracloud-private-ip 192.168.11.203 \
        --sakuracloud-private-ip-subnet-mask 255.255.255.0 \
        --sakuracloud-region tk1a \
        sakura-tk1a-agent

ここまでで計5台のマシンができているはずです。
以下コマンドで確認しておきましょう。

$ docker-machine ls

sakura_overlay_—ubuntu_sakura-dev___—-bash—_130×35.png

それぞれのマシンにSSH接続し、管理系IP宛でpingが通ることも確認できます。

$ docker-machine ssh sakura-tk1a-agent
$ ping 192.168.11.201 #東京から石狩へpingが届く

ここまででクラスタを構成するマシンの準備ができました。
次回はいよいよdockerでoverlayネットワークを構築してみましょう。

本日は以上です。

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