このエントリは IE の現状と今後について理解を(ちょっとだけ)助ける物です。時事性とポエム成分(願望)が含まれているため一部の興奮しやすい方々はご注意ください。
IE のサポートポリシーは 2016/01/13 から "その OS における最新の IE のみ" に変化し、サポート期間が大幅に短縮されています(こちらは広く知られている情報です)。
- 新しい IE のサポートポリシーを参照してください
それに加え、 2016/01/15 の MS の発表「条件付きで Windows 7/8.1 のサポートを短縮します」 により、 IE のサポート期間が更に短縮されている状態です(こちらはまだ余り知られていない情報です)。
- 新しい Windows のサポートポリシーを参照してください
- 2017/07/17 以降は Windows 7/8.1 をサポートしません
- Skylake 以降のCPUを搭載した PC のみという条件が付いています
- Windows のサポートサイクルは当初予定されていた年数より3〜5年ほど短縮されます
- これがそのまま IE のサポート期間の短縮になっています
- 2017/07/17 以降は Windows 7/8.1 をサポートしません
2016/01/12 以前のライフサイクル
2016/01/12 以前の Windows と IE のライフサイクルはこのようになっており、
Web 開発者は Windows と IE の組み合わせを幅広くサポートしなければなりませんでした。
Windows | EOL | IE7 | IE8 | IE9 | IE10 | IE11 | Edge |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Vista | 2017/04/11 | ◯ | ◯ | ◯ | |||
7 | 2020/01/14 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
8.1 | 2023/01/10 | ◯ | |||||
10 | 2025/10/14 〜 | ◯ | ◯ |
- EOL: Windows OS End of Life
- ◯: サポート
2016/01/13 以降のライフサイクル
古いCPUを搭載したPCのライフサイクル(2016/01/13〜)
- Skylake よりも古い CPU を搭載した PC は、新しいサポートポリシーの影響を受けないため 2023/01/10 まで IE11 が残存することになります
Windows | EOL | IE7 | IE8 | IE9 | IE10 | IE11 | Edge |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Vista | 2017/04/11 | × | × | ◯ | |||
7 | 2020/01/14 | × | × | × | ◯ | ||
8.1 | 2023/01/10 | ◯ | |||||
10 | 2025/10/14 〜 | ◯ | ◯ |
- ◯: サポート
- ×: サポート不要
Skylake以降のCPUを搭載したPCのライフサイクル(2016/01/13〜2017/07/17)
- Skylake 以降の CPU を搭載した PC のライフサイクルです
- 今後発売される PC は、こちらのライフサイクルが適用されます
Windows | EOL | IE7 | IE8 | IE9 | IE10 | IE11 | Edge |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Vista | 2017/04/11 | × | × | ◯ | |||
7 | 2017/07/17 (短縮) | × | × | × | ◯ | ||
8.1 | 2017/07/17 (短縮) | ◯ | |||||
10 | 2025/10/14 〜 | ◯ | ◯ |
- 2017/07/18 以降のライフサイクル
- Windows Vista/7/8.1 のサポート終了に伴い、一般向けのサービスでは IE をサポートする必要がなくなります
Windows | EOL | IE7 | IE8 | IE9 | IE10 | IE11 | Edge |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 2025/10/14 〜 | BtoBのみ | ◯ |
ポイント
-
2017/07/17 で Windows 7/8.1 のサポートは終了します(Skylake以降のPCのみ)
- Windwos のサポートが終了すると IE のサポートも終了します
- Windows 10 における IE11 は企業用(互換性の為)に残されています
- IE11 の開発は既に終了しており、新しい機能は Edge に実装されていきます
- IE11 は一般のユーザが使うべきブラウザではありません。デフォルトのブラウザも IE11 ではなく Edge になっています
-
IE 全体のシェアは 2016/03 時点で 12〜14% ほどです (参考: StatCounter)
- IE は年5%の割合で、急激にシェアを減らし続けている状態です
-
販売済みのPC(古いPC)のサポートは 2017/07/17 以降も残ります
- ただ、先述したように IE のシェアは減り続けており、2017年後半に 10% を割り込んでいる可能性は否定できません
- 古いPCにおけるIEのサポートも、そのサービスにおけるシェアを見ながら段階的に縮小していく事になります
-
IE は Webフロントエンドが進化する上での足かせになっています
- IE 11 は HTML / CSS / JavaScript の新しい仕様をサポートしていません
- Chrome や Safari が数年前から提供している先進的な機能を殆ど利用できません
- IE のサポートは開発者にとって大きな負担(コスト)となっており、時間を奪っています
- IE 11 は HTML / CSS / JavaScript の新しい仕様をサポートしていません
2018年以降は…
Web 開発の世界がとてもシンプルに。最新のブラウザと1世代前のブラウザをサポートするだけで良い世界になります。
ブラウザ/ランタイム環境が整備され、シンプルになることで余力が生まれ、生産性を高めるためのサポートツールの開発が活発になり、結果イノベーションも大幅に加速することでしょう。
誰も見た事がないサービスが Web ブラウザ上で多数展開される、そんな活気ある世界にしていきたいですね。
また、そのような時代において 「IE をサポートして欲しいんですが…」 「IE サポートしろよ!! (これまではサポートして来たんだから、これからもするんだろ? むしろ当たり前だろ!?)」 というクライアントからの要望は、別途相談(有償対応)の流れになって行くでしょう。
辛くても報酬がしっかり貰えるなら大抵の事はバッチコイ。大人はお金で解決、札束ビンタで Win-Win ですね。