LoginSignup
27
32

More than 5 years have passed since last update.

ESXiとvCenter Server間の名前解決

Last updated at Posted at 2014-10-31

概要

ESXiとvCenter Server間では、DNSによる名前解決が動作要件になっている。要件を満たさない形にはなるが、ワークアラウンドとしてhostsによる名前解決の設定方法もナレッジ化されている。

詳細

ESXiとvCenter間では、DNSによるFQDN、短いホスト名の両方の名前解決が要件となる。ただしDNSによる解決が不能の時、ナレッジレベルでは代替手段としてhostsでの解決方法も解説されている。

名前解決の要件

おおまかには、ESXi、vCenter Server、vSphere Web Client(vCenterと別のOS上に構築するとき)間で、DNSによる名前解決が必要になる。「vSphere 5.5 Update 2 vSphere のインストールとセットアップ」のシステム要件に、DNS要件という項を設けてまとめられている。

ほかのネットワーク サーバと同様に、vCenter Serverは固定IPアドレスとよく知られているDNS名を持つマシンにインストールし、クライアントが確実にサービスにアクセスできるようにします。
vCenter Serverシステムを導入するWindowsサーバに、固定IPアドレスとホスト名を割り当てること。このIPアドレスは、有効な(内部)ドメイン名システム(DNS)に登録されている必要があります。
ESXiホスト管理インターフェイスが、vCenter ServerとすべてのvSphere Web Clientから有効にDNS解決されていることを確認してください。vCenter Serverが、すべてのESXiホストとすべてのvSphere Web Clientから有効にDNS解決されていることを確認してください。

これに続いてvCenter ServerがDHCPでIPアドレスを割り当てられている場合などについても言及があるので、必ず上記ガイドの該当箇所を確認すること。

この他に、vCenter Server等が自分の使用するデータベースに接続するために名前解決が必要、などが各構築手順に個別に書かれている。また経験上、vSphere Clientを使用する端末からESXiホストの名前解決ができないと、仮想マシンのリモートコンソールに接続できなかった。

hostsによる名前解決

hostsによる名前解決の構成方法もナレッジとしては提供されている。

ただしどちらも、以下のような但し書きがあり、また「要件はこれで代替できる」「DNSで名前解決ができなくてもいい」とみなせる記述は見当たらないので、利用時は注意する。

環境でDNSサーバを使用しない場合やDNSサーバが誤って構成されている場合の、hostsファイルの正しい構成についても詳細に記載されています。

hostsによる名前解決のリスク

以下は私見として。DNSが利用できないときのこれらのリスクは、構築者側で抱えるか、利用者に制限(制約)事項として承知しておいてもらうか考えたほうがよさそう。

要件を満たさない

  • ドキュメントでは「DNS要件」を明記しており、hostsには触れていない。公式見解は、DNS必須だと思われる。
  • 公式見解に合わない構成は、(1)動作に不具合が起きる可能性、(2)サポートを断られる可能性がある。

リンクモード時のレプリケーション機能を使用できない

「vSphere 5.5 Update 2 vSphere のインストールとセットアップ」に、リンクモード使用時の要件として「レプリケーション機能を実行するには、DNSを使用する必要がある」と改めて明記されている。この機能をDNSなし(hosts)で試したことがなく、動作するか不明。

vCenterのIPアドレスを変更できない

vCenterのインストール時に指定する「システム名」はインストール後変更不可のため、IPアドレスを指定してしまうとvCenter環境のIPアドレスを変更できないことになる。実際、変更すると動作しなくなった経験がある。IPアドレスではなくマシン名を指定するには、インストール中の指定時点でDNSにより名前解決できることが必要になる(nslookupコマンドで確認できる)。

ESXiホストが切断される

KB 1033033に以下のように注釈されている。

ESX/ESXi ホストが vCenter Server から切断される一般的な原因は、DNS(正引きと逆引きの両方)が機能していない、または正しく構成されていないことです。

hostsによる名前解決でvCenter管理下に入れることができるが、利用中の影響の有無については判断しがたい。

そのほかの不具合・不都合

要件を満たさない環境なので、上記のほかにどういった機能制限が生じるか、不具合が起きるかは明らかにできない。ベンダーから情報が提供されることはおそらくない。

参考

27
32
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
27
32