LoginSignup
46
48

More than 5 years have passed since last update.

IoT/M2M向け周波数・通信規格まとめ

Last updated at Posted at 2015-01-14

IoT/M2Mでは多種多様な周波数・通信規格が出てきてややこしいのでまとめてみた。

周波数

基本的にISMバンド(Industrial, Scientific and Medical Bandの略)が使われる。主に産業、科学、医療向け用途に割り当てられた周波数帯域で免許不要。 M2M/IoT では 2.4GHz と 920MHz が使用される。
※日本国内でも 2012/07/25 から 920MHz が使用できることになった。

2.4GHz

無線 LAN や電子レンジで使用される周波数帯。すでにかなり普及しているので、電波干渉に頭を悩ますことが多い。

920MHz

最近はサブギガ帯と言われることが多い。 2.4GHz に比べて電波干渉が少なく、回り込み特性があるため今後のメイン周波数と見られている。
ただし、 950MHz 帯を使用していた RFID が周波数移行したため、今後は電波干渉が発生しやすくなると思われる。

IEEE 関連規格

OSI参照モデルの物理層またはデータリンク層にあたる部分を定義する。

IEEE802.11

無線 LAN(WLAN)に関する標準規格。いわゆる Wi-Fi 。
802.11b/g/n が 2.4GHz 帯。 802.11n/ac が 5GHz 帯を使う。
OSI参照モデルの物理層にあたる部分を定義する。

IEEE802.15

無線PAN(WPAN)に関する標準規格。 M2M/IoT での中心的な通信規格。

IEEE802.15.1

Bluetooth のこと。 2.4GHz 帯を使う。

IEEE802.15.4

Zigbee で使われる通信規格。 2.4GHz と 920MHz 帯を使う。
802.15.4 = Zigbee と勘違いされることが多いが、独自プロトコルも存在する。OSI参照モデルの物理層とデータリンク層にあたる部分を定義する。

IEEE802.15.4g

Wi-SUN で使われる通信規格。 920MHz 帯を使う。
OSI参照モデルの物理層にあたる部分を定義する。

IEEE802.15.4e

Wi-SUN で使われる通信規格。
OSI参照モデルのデータリンク層にあたる部分を定義する。

通信プロトコル

Bluetooth

Bluetooth SIG が策定するプロトコル。最新バージョンは 4.2 。
バージョン 4.0 で省電力機能が特徴の BLE(Bluetooth Low Energy) を統合した。 iBeacon は BLE を使った技術。ビーコンと名乗る製品は何種類かあるが、ただの BLE 機器のことがあるので注意。
バージョン 4.2 で 6LoWPAN をサポートし、 IPv6 アドレスを持てるようになった。
このようにバージョン毎に機能追加し、通信速度も異なる。

ECHONET Lite

エコーネットコンソーシアムが策定した通信プロトコル。
従来の ECHONET を作り直し、アプリケーション層のみを定義している。
下位層は特定していないが、事実上 Wi-SUN スタックが想定されている。

EnOcean

ドイツにある同名の会社が開発したプロトコル。
最大の特徴は「エナジーハーベスト」と呼ばれるバッテリーレス技術。
周波数は 315MHz、928MHz (日本国内の場合)。

IEEE1888(FIAP)

日本の東大グリーンICTプロジェクト発のBEMS・スマートグリッド向けプロトコル。
HTTP/XMLの通信方式を採用しており、フレームワークに近い規格。

Wi-SUN

日本の情報通信研究機構(NICT)が中心となって開発されたプロトコル。
Wi-SUNスタックでは物理層に IEEE802.15.4g を、データリンク層に IEEE802.15.4e を使用する。ネットワーク層には 6LowPAN を使用し、アプリケーション層に後述する ECHONET Lite を想定している。
通信速度は 200kbps 程度だが、 500m 近い到達距離やマルチホップ通信
が大きな特徴。

Wi-SUN Alliance が対応機器の相互接続性の試験や製品の認証を行う。
東京電力のスマートメーターとHEMSコントローラ間の通信(Bルート)に採用されている。

Zigbee

ZigBee Alliance で策定するプロトコル。 Zigbee スタックではOSI参照モデルのネットワーク層以上にあたる部分を定義する。通信速度は 250kbps で、低消費電力である点とメッシュネットワークが大きな特長。

Zigbee PRO

Zigbee の仕様で、 Zigbee 2007 のこと。現在 Zigbee といえば この仕様を指す。

Zigbee Green Power

Zigbee 2012 で Zigbee PRO に追加された仕様。 EnOcean と同様にバッテリーレスが最大の特徴。

Zigbee IP

IEEE802.15.4g および IEEE802.15.4e を採用し、 6LowPAN で IPv6 アドレスを持てるようにした Zigbee スタック。 ECHONET Lite の下位層として採用されることを想定している。

Z-Wave

Zensys 社と Z-Wave アライアンスによって策定された通信規格。日本では920MHz帯を使う。
海外ではメジャーらしいが、日本では2012年7月に使えるようになった。その時話題になったくらいなので、今後の普及は難しいと思われる。

46
48
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
46
48