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フローチャート導入時のベストプラクティス〜2016年まで【サンプルファイル付き】

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はじめに

ネイティブゲームアプリのディレクターになった際、ブラウザゲーム時代と違い、「動いているものが仕様だ」という文化から、「ドキュメントが仕様だ」という文化に変化する必要があった。

その際にはじめてフロー図(フローチャート)を使いはじめ、色々と開発をしながら改善していった。その成果を記す。体系的な学習はしていないので、誤った情報があれば指摘してほしい。

この記事が「フロー図を利用したいが、なかなかよいツールやサンプルがない」という人の後押しになれば嬉しい。

工夫している点

ネイティブアプリや、JavaScriptなどで遷移せずに画面を切り替える場合に対応

後述するが特定の記号に、自分独自の意味を持たせている。フロー図はあくまで伝達するツールなので、多少の改変はしてもよいと考えている。

無料で全員が閲覧/編集ができる環境づくり

ツールに関しては、Cacooなどを含めいくつか試したが、無料でずっと使いつづけられるものを選んだ。これにより必要なメンバー全員が、閲覧/編集できるようにし、疑問点や要望があればフロー図でコミュニケーションが取れるようになった。

利用しているツール

yEdというグラフエディターを利用している。編集している様子はこの動画が分かりやすい。
yEdを利用するメリットは以下のとおり。

  • Windows / Mac OS 対応
  • 完全無料なので、全員が気軽に利用できる
  • ローカルファイルを編集するので、Web上での編集ツールに比べ軽い
  • png,html,pdfなど別フォーマットに書き出し可能

Windows Visioもいいが、導入に高い金額を払う必要があるので、気軽に導入するという意味ではyEdをオススメする。
LucidchartSketchなどもよさそうだけど、一定以上利用すると金額が発生するようなので利用経験はない。

各記号と意味

作成するすべてのフロー図に記載している図をそのまま載せる。
各記号と意味は、すべてのフロー図を記載したファイルに入れておくことをおすすめする。
作業を任せる人が、そのフロー図だけで概要を理解してもらうためだ。

flow_matome.png

僕個人のオリジナルで利用しているものは、以下の2つ。

記号 意味 背景
local.png サーバにデータは送らないが、端末上でデータを保存する ネイティブアプリなどの場合サーバに送らないデータがあったり、特定のタイミングでしかデータを同期しない場合が多い。そういう際に必要だったため作成した。
gdd_only.png 同一ファイル内に指定したサブルーチンの記載ないときに、サブルーチンが記載されたファイル名とともにサブルーチン名を記載 共通の処理などをすべてのファイルに入れているとファイルサイズが膨大なものになるため作成

サンプル

実際に使わなかったものから、公開してもいいものを見せる。

サンプル1

画面表示の多い処理を書く場合は、各要素ごとにフロー図を書くと一つのファイルで全パターンを閲覧できる。たとえばボタンそれぞれをフロー図の起点にしたりするなどしている。
このファイルのサンプルデータは以下からダウンロードできる。
サンプル1.graphml

app_dialog_item.png

サンプル2

動きをつけたフロー図を書きたい場合、以下のように縦長になってしまう。
動きは通常、別の仕様書で管理することが多いけど、面倒なときはフロー図にまとめて書いてしまうことも多い。
party_serve.png

yEdですぐに使えるフローチャート用ファイル一式

フローチャート一式をパレットに追加することで、簡単にフローチャートの作成ができるようになる。以下からダウンロードできる。
flow_chart.graphml

使い方は、yEdの「Edit > Manage Palette... > Import Section...」から、ダウンロードしたファイルを選択する。Importされた「flow_chart」をPaletteに追加すると、すべての記号と各記号の意味をまとめたデータがドラッグ&ドロップするだけで反映できる。
yed_pref.png

まとめ

自分もフロー図は独学で始め、他のメンバーと仕事をしていく中で現在の形になっている。
きっとそれぞれの開発に使いやすい形があると思うので、あまりルールに囚われず使いやすい形を模索していけばよいと思う。

また、フロー図はあくまで仕様をうまく伝達するための手段の一つなので、文章で伝えることもあるし、絵コンテで伝えることもあったし、動作イメージのアニメーションを作ったこともあった。フロー図でうまく表現できなければ、他の手段の検討もしてみるのも大事だ。

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