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Kubernetes: コンテナが起動するまでの各コンポーネントの流れ

Last updated at Posted at 2016-04-20

kubectl create -f x.yamlでReplication Controllerを作成しコンテナが起動するまでに、各コンポーネントがどのように動作するかまとめてみました。Kubernetes 1.2時点での情報です。各コンポーネントの概要は、Kubernetes: 構成コンポーネント一覧をご覧ください。

シーケンス図

image

各コンポーネントはAPIサーバーのリソースを監視(watch)して非同期に動作するので、実際のアクセスの方向はコンポーネントからAPIサーバーになります。

kubectl createによるReplication Controller作成

kubectl create -f x.yamlでReplication Controllerを作成を実行すると、内部ではAPIサーバーのPOST /api/v1/namespaces/{namespace}/replicationcontrollersというAPIに対して、Replication Controllerの情報をPOSTします。APIサーバーでReplication Controllerのリソースが作成できた段階(コンテナはまだ起動していない)で完了(created)が表示されます。

ファイルはyaml, json形式の両方が指定できますが、一度内部オブジェクトに変換しバリデーションを行った上でPOST時にJSON形式にエンコードされます。

下記のように--vオプションでログレベルを指定すると、APIへのアクセスをログで追うことができます。

$ kubectl create --v=10 -f frontend-controller.yaml

APIサーバーの処理

APIサーバーは各コンポーネントからリソースの情報を受け取りetcdに保存します。あくまでリソースの情報のみを管理していてAPIサーバーが直接Nodeやcontrollerに命令することはありません。各コンポーネントはAPIサーバーのリソースを監視(watch)しているので、非同期にイベントが通達されます。

controllerの処理

kube-controller-managerの立ち上げるコントローラーの一つに、Replicatoin Controllerを管理するReplication Managerがあります。(ややこしいですがReplication Controllerはリソース名です)

Replication ManagerはAPIサーバーのGET /api/v1/watch/replicationcontrollersGET /api/v1/watch/podsを使ってReplication Controllerとpodのリソースの変更を監視(watch)しています。

Replication Managerは、指定されたreplica数とアクティブなpod数の差分を計算し、不足または余剰分のPodを生成・削除して調整を行うのが仕事です。

よって、新規でReplication Controllerが作成されると指定されたreplica数分、APIサーバーのPOST /api/v1/namespaces/{namespace}/podsを使ってpodが生成されます。この時点ではあくまでリソースとしてのPodができるだけで、どのノードにも割り当てられていません。

参考: アクティブなPodの条件

pkg/controller/controller_utils.go
func IsPodActive(p api.Pod) bool {
	return api.PodSucceeded != p.Status.Phase &&
		api.PodFailed != p.Status.Phase &&
		p.DeletionTimestamp == nil
}

schedulerの処理

スケジューラーは、APIサーバーのGET /api/v1/podsを使ってノードに未割当のPodを監視しています(割り当て済みPodも監視しています)。このAPIにはfieldSelectorというパラメータでPodのfieldに対する条件が付けることができ、これを使って未割当、割り当て済みのPodを指定しています。

未割当のPodはNodeSelectorなどの条件と優先度を見てNodeが選択され、APIサーバーのPOST /api/v1/namespaces/{namespace}/bindingsを使ってNodeの割り当て(Binding)を行います。
(参考: plugin/pkg/scheduler/generic_scheduler.go)

参考: 未割当のPodのselect条件

pkg/scheduler/factory/factory.go
// Returns a cache.ListWatch that finds all pods that need to be
// scheduled.
func (factory *ConfigFactory) createUnassignedNonTerminatedPodLW() *cache.ListWatch {
	selector := fields.ParseSelectorOrDie("spec.nodeName==" + "" + ",status.phase!=" + string(api.PodSucceeded) + ",status.phase!=" + string(api.PodFailed))
	return cache.NewListWatchFromClient(factory.Client, "pods", api.NamespaceAll, selector)
}

参考: POSTするBindingの例

{
  "kind": "Binding",
  "apiVersion": "v1",
  "metadata": {
    "name": "frontend-yai9k",
    "namespace": "default",
    "creationTimestamp": null
  },
  "target": {
    "kind": "Node",
    "name": "172.17.4.99"
  }
}

Kubelet

kubeletは、APIサーバーのGET /api/v1/podsを使って自Nodeに割り当てられたPod(fieldSelectorパラメータNode名を指定)を監視(watch)しています。そしてPodに定義されたコンテナをdocker(rktも選択可)起動します。Pending, RunningなどのPodのステータスはPUT /api/v1/namespaces/{namespace}/pods/{name}/statusを通して更新します。

また、Node自身の情報をPUT /api/v1/nodes/{name}/statusを使って定期的(デフォルト10秒。kubeletの--node-status-update-frequencyオプションで指定可)に更新します。

参考: 自分のノードに割り当てられたPodの選択

pkg/kubelet/config/apiserver.go
func NewSourceApiserver(c *clientset.Clientset, nodeName string, updates chan<- interface{}) {
  // spec.nodeNameが自Nodeのものを選択してwatch
	lw := cache.NewListWatchFromClient(c.CoreClient, "pods", api.NamespaceAll, fields.OneTermEqualSelector(api.PodHostField, nodeName))
	newSourceApiserverFromLW(lw, updates)
}

Docker, rkt

kubeletは割り当てられたPodのコンテナを、kubeletの起動オプション--container-runtimeで指定したコンテナランタイムで起動します(デフォルトはDocker。rktも選択可)。ここでやっと実際のコンテナが起動します:tada:。Dockerの場合ネットワークネームスペースを保持共有するための仕組みとして、Pauseコンテナも一緒に起動します。

参考: Kubernetesコンポーネントのログ

Kubernetesのコンポーネントは共通してglogというログライブラリが使われています(参考: master/docs/devel/logging.md)。どのコンポーネントも--vオプションでログレベルが指定でき、内部の動作を確認するのに便利です。コード中で使われているの最大のログレベルは10でした

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