freeeのユニークなキャリア制度「巨匠」になってみた

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こんにちは、 freee でエンジニアをやっている 土佐 と申します。
この記事は freee Engineers Advent Calendar 2016 の 22 日目の記事です。

freee のエンジニアチームには、「巨匠システム」 というユニークなキャリア制度があります。

巨匠システムとは、

- その技術力で「freeeに絶大なインパクトを与え得るエンジニア」を、チーム内投票で選出する
- 投票で選ばれた「巨匠」は1カ月間、通常業務から離れ自由を与えられる
- 巨匠は、期間内でサービスや会社に「非連続な成長」をもたらす施策を考え、実行するのをミッションとする
- 期間終了後、その結果を全社へフィードバックする(ここで“巨匠タイム”は終わり、再び通常業務に戻る)

という仕組みの制度です。

そしてこの私が恐縮ながら3代目として選抜され、まさに今この12月をその巨匠タイムとして従事しています。

この記事では巨匠システムの巨匠本人として、一体何をやっているのか、このシステムがどのようなものなのかを紹介したいと思います。

巨匠システムのゴールと、その道のり

巨匠システムは前述の仕組みだけが決まった状態でスタートし、そのゴールは何であるかは初代の寺島が以下のように定義してくれました。

  1. 技術的なチャレンジでチーム全体をエキサイトさせる
  2. プロダクトに「非連続な成長」をもたらす
  3. スペシャリストとしてのロールモデルを社員に示す

私が今この巨匠期間に何をやっているかについては、この3つのゴールに沿って説明したいと思います。

1. 技術的なチャレンジでチーム全体をエキサイトさせる

今回、特に重要視したゴールがこの「チームをエキサイトさせる」ことです。

実は2代目の開始が遅れて、2代目と3代目が今同時並行で巨匠をやっているところなのです。つまりシステムの稼働としてはまだ2回目で、まだまだ試行段階にあります。この巨匠システムがエンジニアの成長を狙ったキャリア制度である以上、エンジニアがこのシステムで盛り上がらない限り続きようが無いのです。

私はエンジニアが最もエキサイトするのは、新しい技術がその手元に届けられた時だと考えました。エンジニアとは自分の普段の仕事を発展させ、キャリアを開いていくための武器となる技術を探し求めて学習する人達です。しかしその過程には相応の時間と体力、そして気力がいるものです。これらを飛び越えて新しい武器をもたらしてくれるのであれば、エキサイトせずにはいられないのでしょうか。

そこで前職時代から培ったビッグデータ技術を freee のエンジニア達にもたらすことを第一の目標としています。具体的には Spark on EMR 、そしてその中でも私が得意とする GraphX 等の技術です。これらの技術を freee のエンジニアがすぐに使えるように、手順やチューニングポイント、実装ポイントなどのノウハウをまとめて共有する予定です。

この武器を新たに freee のエンジニアチームにもたらし、エキサイトさせていこうと考えています。

2. プロダクトに「非連続な成長」をもたらす

そしてエンジニアにもたらす新しい武器によって、ビジネスに非連続的な成長をもたらすことができれば、さらにエンジニアをエキサイトさせることができるのではないでしょうか。さらにエンジニア以外のチームもエキサイトさせられれば言うことありません。そこで、freeeが掲げる企業間取引プラットフォーム構想を新しいステージに引き上げる成果を出すことを目標としました。

freeeの企業間取引プラットフォーム構想とは、ユーザー同士がクラウド上でつながることで、単独で freee を利用するよりも更なる効率化が可能となる機能を提供していく構想です。今年の7月にはその第1弾となる、スマート請求書機能がリリースされました。これはfreeeのユーザ同士であれば、請求書をWEB上でワンクリックでfreeeのアカウントに取り込み、商取引・仕訳としての記録まで完了させることができる機能です。

freeeで企業間取引プラットフォームを成り立たせるためには、freeeのユーザ同士のつながりが重要になります。ビッグデータ技術の活用によってこの繋がりを見出す仕組みの土台を生み出し、その繋がりをより直接的にプロダクト上で活用したいと考えています。これにより、お客様に freee のプラットフォームとしての存在感をより一層感じていただけるようになればと思います。

これはfreeeを利用いただく全事業所の情報を取り扱うことによって、お客様に新たな価値を提供する取り組みであり、まさにビッグデータ技術の得意するところです。このようにして新しい武器でどういう価値を生み出せるか、良い例を示していきたいと考えています。

3. スペシャリストとしてのロールモデルを社員に示す

ところで、Google出身の初代や、大手外資ベンダーを渡り歩いた二代目と比べると、某金融機関のシステム子会社出身の私はキャリア的にも技術力的にも見劣りするのに、どうして巨匠に選抜されたのでしょうか。

実は巨匠選挙の方式が3代目はこれまでと少し変更されました。これまでは単純に「誰に巨匠をやらせてみせたいか」という問いかけに対して、「人を選出する」という形式でした。今回は事前に「俺が巨匠だったらこれをやる」をエンジニア達に事前に提出させ、そのテーマと合わせて「人とテーマの組み合わせ」を選出するという方式に変更されました。

私もエンジニア定年説の年齢をいくつか超え、いつのまにか四十の声も聞こえるようになって来ました。エンジニアが、エンジニアとしてエンジニアらしくキャリアを全うするためには、技術に根ざしビジネスを拓けるようになることが、その答えのひとつだと考えており、私自身が目指している姿でもあります。今回選抜されたのは、そうした姿を見せることに期待を寄せられたのだと考え、今回の巨匠期間で少しでもその姿に近づき、また仲間にも示していきたいと思います。

巨匠システムはキャリア制度としてどうなのか

お祭にすることに意味がある

フェロー(特別研究員)のようなポジションを用意するとか技術統括部門を用意するとこではなく、期間限定にすることでエンジニアチームの中にはちょっとしたお祭り雰囲気が出ます。特に今回は2代目と3代目が同時並行しているため、開発本部長が「対決感」を演出したがって一層お祭り雰囲気が出てきています。(当人にとってはさらにプレッシャーが高まって、勘弁して欲しいところですが.. )

特に試験的な取り組みにおいては、こうしてお祭り雰囲気を出すことは freee にとってはすごく有効なことなんだなと思います。freee のエンジニアチームは、一人の例外もなく全員一丸となって事業の成長に直接立ち向かっています。これにより強い一体感が生まれるわけですが、その中で長期的・間接的な取り組みをいきなり始めるのはなかなか難しいです。

特別な勤務体制の中にあるエンジニアが常時いるというのは、少なからずチーム感に歪みを生むのではないかと思います。私自身、当初計画通りではあるものの、別の大型のプロジェクトから途中離脱し巨匠期間に入り、横でプロジェクトの追い込みを見ていると申し訳ない気持ちになります。まだ freee の規模感・ステージにおいては全員一丸となって事業に直接的に取り組むことが大事で、それ以外のことは少なくても試験期間においては、こうしてお祭りにすることがうまく運用できるコツなのではないかなと思います。

エンジニア達が自ら目指したい姿を決めていく仕掛け

そもそもキャリア制度というのは、事業とチームが求めるキャリア像を定義し、社員をそこへ導くためにあるものです。間違ったキャリア制度を作ってしまうと、事業とチームが本当に必要としている人材が育たなくなったり、逆にそこに向かって行こうとする社員が少なくなってしまったりします。

巨匠システムが面白いのは、エンジニアに自由を与えてその成果をエンジニア達自身が評価させることによって、あるべきキャリア像をエンジニア達自身で見つけ出して行こうとしているところです。組織として非常に重要な問題を民主的に決定して行こうというのは、いかにも freee らしい独特な文化ですが、最終的には納得感の高いキャリア制度が生まれるのではないかと思います。

課題と今後に向けて

巨匠システムはまだまだ試行段階です。課題は、これを継続開催していけるかということ、この期間に生まれた成果を事業に定着させることができるか、そしてfreeeが求めるエンジニア像の到達点の一つとしてきちんと定義できるまでに至るかというところにあると思います。このあたりは、巨匠期間終了後、社内で様々に議論していくことになると思います。

求む!4代目巨匠!

freeeの中途採用エンジニアは巨匠システムによって、たとえ自分がこれまで培ってきた技術が現時点で活用されていなかったとしても、一発逆転的に事業に活用し社内でプレゼンスを発揮することができます。ぜひ4代目巨匠として、freee が未だ見ぬ技術を事業にもたらし、事業の非連続的な成長をもたらすエンジニアからの応募をお待ちしています。まずはカジュアルに夕食のお弁当を食べながら話をするということもできますので、気軽に声をかけてください。

明日は

若手ながら抜群の安定感で能力の高さを発揮し、彼を見ていると「こういうヤツをちゃんと獲るところがウチの採用チームの凄さだよな」と脇道それて採用チームにリスペクトを感じてしまうほどの逸材中の逸材。女性への贈り物はこの男に相談すれば間違いなしと全幅の信頼を集めている、至高のスイーツエンジニア @ryosukeYamazaki がお送りします。お楽しみに!