LoginSignup
23
33

More than 5 years have passed since last update.

Windows での Python 環境構築から実行までのあれこれ

Last updated at Posted at 2017-08-11

Python の環境構築時に、「認証プロキシ設定も、共存環境も、実行確認も必要」となり色々な記事を渡り歩いたので、 1 つに纏っていると良いなと思い投稿します。

はじめに

内容

当記事で紹介する内容は以下です。認証プロキシや共存環境構築は必要に応じて読み飛ばして下さい。

  • Anaconda のインストール (Windows)
  • 認証プロキシの設定
  • 異なるバージョンの共存環境構築
  • 対話モードでプログラムを実行
  • Python スクリプトを実行

誰向けか

以下の何れかに当てはまる Python 初学者向けです。

  • 会社の PC (Windows) で Python を使う必要が出てきた
  • Python2 と 3 両方使用する等、異なるバージョンを共存させたい
  • サクッと環境構築から実行確認までをしたい

環境

動作確認済の環境は以下のとおりです。

  • Windows10(64bit) Version 1607
  • Anaconda 4.4.0 Python 3.6 Version
  • Python 3.6.1 と Python 2.7.13

手順

Anaconda のインストール

  • ダウンロードサイトから対象 OS に対応するインストーラをダウンロードします。
    (※) Python2 系メインの人でも、3 系のインストーラで OK。

  • インストールした exe をキックし、インストールを進めます。
    「環境変数PATHへ追加する」にチェックを入れる以外はデフォルト設定のままで OK です。

Anaconda.PNG

インストール時の設定情報確認

  • スタートメニューにある Anaconda Prompt を起動します。

AnacondaPrompt.png

  • 以下のコマンドより存在する環境の確認を行います。現在動作している環境には " * " が表示されます。
C:\Users\ユーザ名 >conda info -e

# conda environments:
#
root                  *  C:\Users\ユーザ名\Anaconda3
  • python と入力し、現在動作している環境の Python のバージョンを確認します。
    以下より、Python 3.6.1 であることが確認できます。
C:\Users\ユーザ名 >python
Python 3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (64-bit)| (default, May 11 2017, 13:25:24) [MSC v.1900 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
  • 以下を入力し、対話モードを一度抜けます。
>>>exit() 

認証プロキシ設定

(※) 認証プロキシ環境下の方は、先に認証を通さないと「共存環境の構築」が実行出来ません。

  • Anaconda3 の HOME ディレクトリ (通常は C:\Users\ユーザ名\Anaconda3) 直下に設定ファイル .condarc を作成します。
    .condarc にプロキシ認証に使用する「ユーザ名」「パスワード」「IPアドレス」「ポート番号」を以下の通り記述します。[^1]
proxy_servers:
    http: http://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号
    https: https://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号

(※) 直接作成出来ない場合は適当なテキストファイルを作成し、以下を実行して下さい。

# Anaconda3 の HOME ディレクトリに移動してから実行
C:\Users\ユーザ名\Anaconda3 >ren <テキストファイル名> .condarc
  • 以下のコマンドを実行して設定が反映されているか確認します。
C:\Users\ユーザ名 >conda config --show

add_anaconda_token: True
...

proxy_servers:
  http: http://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号
  https: https://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号

...
verbosity: 0

異なるバージョンの共存環境構築

  • 今回は例として、Python2.7 系の環境を共存させます。まずは、以下のコマンドを実行します。
    末尾に anaconda を付与すると、Anaconda インストール時に自動で含まれるライブラリを引き継いでくれます。[^2]
# 2.7 系の Python 実行環境を、「py27」という名称で作成
C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py27 python=2.7 anaconda
  • 「py27」という名称で環境が出来たことを確認します。
C:\Users\ユーザ名 >conda info -e

# conda environments:
#
py27                      C:\Users\ユーザ名\Anaconda3\envs\py27
root                  *  C:\Users\ユーザ名\Anaconda3
  • activate コマンドより Python2 用の環境に入ります。[^3]
C:\Users\ユーザ名 >activate py27
(py27) C:\Users\ユーザ名 >
  • python と入力して Python のバージョンを表示し、環境が切替わっていることを確認します。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >python
Python 2.7.13 |Continuum Analytics, Inc.| (default, May 11 2017, 13:17:26) [MSC v.1500 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
Anaconda is brought to you by Continuum Analytics.
Please check out: http://continuum.io/thanks and https://anaconda.org
>>>

対話モードでプログラムを実行

  • 2 系の環境に入ったまま、対話モードで "Hello, world!" と表示してみます。
    print('Hello, world!') と入力して下さい。
>>> print('Hello, world!')
Hello, world!
>>>

"Hello, world!" と表示されることが確認できました。

Python スクリプトを実行

  • 以下を入力し、対話モードを一度抜けます。
>>>exit() 
  • 以下の Python スクリプトを用意し、適当なディレクトリに保存ます。
helloWorld.py
print('Hello, world!')
  • 以下を実行し、"Hello, world!" と表示されることを確認します。
    <スクリプトの格納先>には、先程作成したスクリプトのパスを入れて下さい。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >python <スクリプトの格納先>\helloWorld.py
Hello, world!

(py27) C:\Users\ユーザ名 >

  • deactivate コマンドより 2 系の環境を抜けます。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >deactivate py27

C:\Users\ユーザ名 >
  • python と入力し環境が切り替わっていることを確認します。
C:\Users\ユーザ名 >python
Python 3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (64-bit)| (default, May 11 2017, 13:25:24) [MSC v.1900 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

以上で Python2 系の動作確認は完了です。
上記に続けて 3 系でも同様に「対話モードでプログラムを実行」「Python スクリプトを実行」すると動作確認が出来ます。[^4]

おわりに

当記事では以下の内容を紹介しました。

  • Anaconda のインストール
  • 認証プロキシの設定
  • 異なるバージョンの共存環境構築
  • 対話モードでプログラムを実行
  • Python スクリプトを実行

インストール ~ 実行確認まで非常に簡単だったと思います。

Java を主に使っていた自分としては、異なるバージョンの共存環境構築が簡単すぎて驚きました。

補足(共存環境構築について)

異なるバージョンの共存環境を構築した際の以下のコマンドに関連して、何点か補足します。

C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py27 python=2.7 anaconda

バージョン指定

  • python= で指定するバージョンは、3.X 系ももちろん OK です。
  • python= でマイナーバージョンを指定しないと対象系の最新版がインストールされます。
  • Anaconda のライブラリにないバージョンを指定すると、以下のメッセージが出力されます。
C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py21 python=2.1
Fetching package metadata ...........

PackageNotFoundError: Package missing in current win-64 channels:
  - python 2.1*
  • 2017/08/11 時点で確認した指定出来るマイナーバージョンは以下の通りでした。
指定できるバージョン
2.5以前 なし
2.6 2.6.8、2.6.9
2.7 2.7.3 ~ 2.7.13
3.1 なし
3.2 なし
3.3 以降 基本的にどれも OK

作成した環境の削除

  • 作成した環境を削除したい場合は以下のコマンドを実行します。
C:\Users\ユーザ名 >conda remove -n <環境名> --all

参考

[^1]: ユーザ/パスワード認証が不要な場合は @以前を削除して下さい。

[^2]: 末尾に anaconda を付与しない場合は、自身で conda install 等で後にインストールします。conda list で既に何がインストールされているか確認できます。

[^3]: Mac や Linux だと source activate
[^4]: print は 2 系と 3 系で大きく動作が異なりますが、当記事では両環境下で動作する書き方を紹介しています。

23
33
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
23
33