この記事は Product Manager Advent Calendar 2016 の15日目の記事です。
株式会社クラウドワークスでプロダクトオーナーをしています。@tenbrotherです。
クラウドワークスには社員数50名規模の2015年にエンジニアとしてJOINし、社員数が現在の約150名に拡大する中でプロダクトオーナーに転身しています。
この記事では、プロダクトオーナーを務める上で個人的に大事にしている3つのことを紹介したいと思います。
「NO」と言う習慣を作る
クラウドワークスもサービスリリースから5年が経過するとともに、
多くのユーザー様からの声、不具合報告など「やった方が良いこと」は積み重なっていきます。
社内でも議論を重ねる中で「これやった方がいい」というアイデアは様々出てきます。
当然その中でできることは限られているので、偉い人の意見だろうが自身のチーム外の領域であろうが、重要でないものを切り分け「NO」を伝えていく必要があります。
「NO」と言っているものは以下の2パターンが多い印象です。
1, 戦略なき戦術
「やった方がいいのはわかるけど、全体として注力すべきは別の方向」
2, 表面的な課題解決
「そのユーザーの課題を根本的に解決するなら別の施策の方が良い」
もう一つ別の観点で、プロダクトオーナーだけなく、チームメンバーが自分自身で考え重要でないものに対してNOと言えると、プロダクトオーナーは非常に楽です。
例えば、プロダクトオーナーの作成した戦略や施策の穴をチームメンバーが指摘し、ブラッシュアップされていくようなチームで働いていると、プロダクトオーナーの緊張感も増しますし成果が出やすくなります。
(クラウドワークスは、本質を考えNOと言えるエンジニア・デザイナーが多い印象です)
このようなチームを作れるかはプロダクトオーナーの腕の見せ所だと思っています。(日々模索中)
テリトリーの外まで変えていく
クラウドワークスではプロダクトオーナーは現在4名おり、クラウドワークスという1つのプロダクトに対して、それぞれの担当を持つ体制となっています。
そういった体制では、プロダクトオーナー同士の意識の統一が図れず、全体性を失ったちぐはぐな組織あるいはプロダクトになってしまうことがしばしば起こりがちな印象です。
(例えば、このプロダクトのUX全体としてちぐはぐだな・・・と感じるプロダクトはこのような組織的な問題を抱えているのかもしれません)
クラウドワークスのプロダクト開発では、あるべき人材像として「チェンジ・エージェント」を掲げ、自身の担当領域外であろうが全体の成果に向けて変化を起こしていく人材を賞賛する風土を作ろうとしています。
私自身も、プロダクトオーナーではありますが、データ分析のあり方に改善の余地があると感じていたため、データ分析チームにJOINし改善を進めています。
また、全体性の中から重要なポイントを見極め、自身のテリトリーを超えて変化を起こしていけるメンバーをもっと増やしていきたいなと日々試行錯誤しています。
最後は...執念
最後は精神論かよ...という感じですが、プロダクトオーナーとして成果を出す上で最も重要なのは執念だと思っています。
- 「この機能を実装するのにまぁこれくらいの時間はかかるだろう」と思っても、もっと早くリリースできる方法がないか模索する
- 複雑で大量なデータをこねくり回し、事業をドライブさせる上で攻めるべきポイントがどこなのか粘り強く見つけ出す
- ユーザーが真に求めるものは何なのか、ユーザーの動き・ヒアリングから貪欲に把握する
など、
「現状よりもっと良い方法があるはず」という執念で、行動量・思考量を増やしトライアンドエラーを繰り返せた時が、個人的には成果が出ている印象です。
(「この施策はうまくいくだろう」と慢心し粘り強く考えられなかった施策が、中ヒットレベルで終わったりなど自身の失敗経験もあります)
綺麗に勝とうとせず泥臭く進めて行こうと思います。
まとめ
プロダクトオーナーを務める上で大事にしていることを3つ紹介しました。
とはいえ日々模索中なので、1年後にはまた別のことを言っているかもしれませんが、参考になれば嬉しいです。