tracとは
tracとは、ソフトウェア・プロジェクトを管理するwebアプリケーションです。
類似の代表的なOSSとしては、redmineがあります。
前提条件
- webサーバ: apache
- webアプリケーションインタフェース:WSGI
- db:sqlite3
tracのインストール
tracのインストールについては、Trac on Ubuntuに記載されています。
今回は先の紹介ページに記載がないUbuntu 14.04 LTSへのtracの導入について記事にまとめています。
packageのインストール
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apacheのインストール
tracには認証が必要となります。そこで、htpasswdを梱包している
apache2-utilも同時にインストールしておきます。$ sudo apt-get intall apache2 apache2-utils
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WSGIのインストール
$ sudo apt-get install libapache2-mod-wsg
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sqlite3のインストール
$ sudo apt-get install sqlite3
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tracのインストール
$ sudo apt-get install trac
tracの設定
以下の手順は、tracのパッケージと同時に配布されるREADME.Debian.gzを参考にしています。
trac環境の作成
プロジェクト用のtrac環境を作成します。trac環境には、バックエンンドのDB、ログ、設定ファイルなどが格納されます。
$ sudo mkdir /var/local/trac
$ sudo trac-admin /var/local/trac initenv
trac-adminのinitenvサブコマンドを実行すると、インターラクティブでプロジェクト名とデータベースの質問されます。この記事では、以下の値を採用しました。
- プロジェクト名: SandBox
- データベース接続文字列:sqlite:db/trac.db(デフォルト値のまま)
apache用ユーザであるwww-dataからtrac環境にアクセスできるようにパミッションを設定します。
$ sudo chown -R www-data: /var/local/trac/sandbox
apacheの設定
trac環境をapacheから参照できるよう展開します。
$ sudo trac-admin /var/local/trac/sandbox deploy /var/www/sandbox
そして、展開したコンテンツの所有者をapache用ユーザであるwww-dataに設定します。
$ sudo chown -R www-data: /var/www/trac/sandbox
次にtracにログインするためユーザを作成します。以下のコマンド例では、 -cオプション を指定することで、パスワードファイル: /var/local/trac/.htpasswd の作成も指示しています。既にパスワードファイルが存在している場合は、そのパスワードファイルをトランケートすることになりますので、 -cオプション の指定に注意してください。
$ sudo htpasswd -c /var/local/trac/.htpasswd admin
そして、ファイル: /etc/apache2/conf-enabled/trac.conf に以下の内容を記述して、WSGIでtracと連携するよう設定します。
WSGIScriptAlias /trac/sandbox /var/www/trac/sandbox/cgi-bin/trac.wsgi
<Location "/trac/sandbox/login">
AuthType Basic
AuthName "trac"
AuthUserFile /var/local/trac/.htpasswd
Require valid-user
</Location>
以上で、tracの設定は終了です。
動作確認
最後に動作確認を行ないます。
まず、apache2の再起動を行います。
$ sudo service apache2 restart
そして、webbrowserから、tracのURLである http://localhost/trac/sandbox にアクセスします。
次回は、tracからgitのソースが参照できるプラグインの設定などについて説明する予定です。