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EC2 Classic から VPC へのオンラインマイグレーション

Last updated at Posted at 2014-12-03

先月、ラスベガスで開催された re:Invent 2014 のセッションの中でさらっと VPC ClassicLink なる機能が発表され、すでに賞味期限切れ感のある内容ですが、せっかくなのでまとめておきます。

背景

  • 移行以前は EC2 Classic と VPC が混在
    • EC2 Classic と VPC 間の通信はセキュリティグループで制御
  • 移行するモチベーション
    • VPC でないとできないことが増えつつある (例: T2 インスタンス)
    • セキュリティグループが煩雑になりがち

移行するコンポーネント

  • Amazon EC2 (web/app)
  • Amazon RDS (master & slaves)
  • Amazon ElastiCache

ElastiCache はキャッシュとしてしか使っておらず、単に両書きすればよいだけだったので、今回の話からは省略します。(なお、簡略化のため ELB なども省略してます) 参考までに移行前の構成を図にしておきます。

migration-01.png

1. RDS のレプリケーションをセットアップ

とりあえず VPC 側に RDS を用意して、EC2 Classic の RDS からレプリケーションを組みます。やり方は "Using Replication to Export MySQL 5.6 Data - Amazon Relational Database Service" や、"Replication with a MySQL Instance Running External to Amazon RDS - Amazon Relational Database Service" を参考にしましたが、簡単にまとめておくと下記のような流れです。

  • old-master (EC2 Classic の master) で下準備
    • binlog の retention hour を 24 hour に変更
    • repl ユーザを作る
    • リードレプリカを作成
      • stop slave して、show slave status の結果を控える
      • mysqldump を取得
  • new-master (VPC 内の master 昇格候補) を用意
    • old-master や web/app から接続できるようにセキュリティグループを設定
    • 先ほど取得した mysqldump を流し込む
    • dump 時の情報を元に mysql.rds_set_external_master する
    • mysql.rds_start_replication でレプリケーションを開始
    • new-master のリードレプリカ作成、old-master のリードレプリカを削除
  • web/app の参照先を切り替え
    • VPC 内のリードレプリカを参照するよう変更

migration-02.png

なお、EC2 Classic の EC2 から VPC の RDS にアクセスするため、EC2 インスタンスの Pubilic IP をセキュリティグループに追加する必要がありましたが、これはプルリクベースでセキュリティグループの管理ができる Piculet にお世話になりました。

2. RDS のマスタを切り替え

1 の手順で、すでにアプリからの参照先は VPC 内の RDS を向いているので、マスタを切り替えていきます。タイトルにオンラインマイグレーションと書きましたが、正確には DB を readonly にしてマスタ切り替えという流れになるので、深夜に 1 分程度、アプリの設定変更が行えない (ユーザへの影響は軽微) 状態になっています。

やることは DB を readonly にした上で、更新先を new-master に切り替え、new-master で call mysql.rds_start_replication;call mysql.rds_reset_external_master; をした上で、readonly を解除するだけです。

ここまで来れば、移行はほぼ終わりです。

migration-03.png

3. アプリサーバの移行

VPC 内にアプリサーバを立ち上げ、[Route53 の Weighted Routing] (http://docs.aws.amazon.com/Route53/latest/DeveloperGuide/routing-policy.html) で DNS の参照比率を変更していきました。

migration-04.png

EC2 Classic のインスタンスに Env=classic、VPC のインスタンスに Env=vpc みたいなタグをつけておくと、Datadog でこのようなグラフが簡単に作れ、CPU 使用率やエラー数などを環境毎に確認しながら作業を進めることで、安心して作業が進められました。

web_datadog.png

4. EC2 Classic 環境を削除

旧環境への参照がなくなったところで、EC2 Classic のインスタンスをお片付けして完了です。

migration-05.png

まとめ

ということで、無事に EC2 Classic から VPC への移行が完了したというお話でした。めでたしめでたし。

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