目的
iCloudには、デバイスの容量を節約するために「ストレージを最適化」の機能がある。
この機能をONにすると、iCloud フォトライブラリがデバイス上のライブラリのサイズを自動的に管理し、iCloud にオリジナルの写真とビデオが保管され、デバイスには省スペースのバージョン(低解像度画像など)が保存されるようになる。
このとき、普通にフォトライブラリから写真を取得すると低解像度の画像が取得されるので、本来やりたいことができない場合がある。
この状態での動作確認を行うための環境構築手順を記述する。
なお、iCloud がどのように動作するかは公開されておらず、環境によってはうまく再現できない場合があることを了承されたい。
環境構築手順
- 共通で使える Apple ID を用意する
- https://www.icloud.com/ にアクセスし上記IDでログイン後、「写真」を開いて写真 / 動画をできるだけ削除する(すべて削除できるなら削除した方が良い、iCloudの容量を空けるため)
- テスト用の2つの端末(テストしたい端末をA,もう一つの端末をBとする)を用意しそれぞれに以下の操作を行う
- 写真アプリを開いて、画像 / 動画をできるだけ削除する(iCloudとの通信を最小限にするため)
- Wi-Fi に接続する
- 設定アプリ → iCloud → Apple ID を入力 → サインイン で iCloud にサインインする
- 同じ画面で 写真 → iCloudフォトライブラリのスイッチをONにする
- 「iCloud フォトライブラリ」の下に進捗状況が表示されるのでアップロード / ダウンロードがすべて完了するまで待つ
- 同じ画面で「iPhone のストレージを最適化」を選択する
- 端末Aの残容量を300MB未満にする(数字は目安)
- http://qiita.com/matsuokah/items/17329c90a4dec9a76ece などで行うと良い(写真や動画で一杯にすると iCloud のほうが埋まってしまうため)
- 端末Bで写真を2,3枚撮影する
- 端末B(Wi-Fi接続済み)で 設定アプリ → iCloud → 写真 を開き、「iCloudフォトライブラリ」の下の表示が「アップデート完了」になるまで待つ
- 端末Aで写真を2,3枚撮影する
- 端末A(Wi-Fi接続済み)で 設定アプリ → iCloud → 写真 を開き、「iCloudフォトライブラリ」の下の表示が「アップデート完了」になるまで待つ
- 写真アプリを確認し、写真 / 動画に雲のマークがついていたらOK
- ついていない場合、端末Aの容量をさらに減らし、5.~8. を繰り返す
補足 : iCloud フォトライブラリの仕組み
公式はコチラ → iCloud フォトライブラリ - Apple
要点をまとめます。
- iCloud へのアップロード / ダウンロードには Wi-Fi 接続が必要
- 同じ Apple ID で iCloud フォトライブラリ を ON にしたすべての端末の写真 / 動画が iCloud上にアップロードされ、iCloud上に保存されている他の端末の 写真 / 動画 がすべてダウンロードされる
- アップロード / ダウンロードの状況は 設定アプリ → iCloud → 写真 を開かないと確認できず、通信速度が遅いとメッセージが全然変わらないため、状況がわかりづらい
- ダウンロード中も「アップロード中」と表示される
- 自端末の残容量 < iCloud 上の写真 / 動画容量 の場合、iCloudからダウンロードができなくなる
- iCloud を無料で使える容量は5GBのため、複数の端末でフォトライブラリをONにするとあっという間に上限に達する
- (16GBだと特に)端末容量もiCloud容量もすぐいっぱいになるので、満足に使えない状況になりがち
- スムーズに使うには、iCloud に保存している写真 / 動画を減らす & 同期が不要な端末のフォトライブラリをOFFにする のが良さそう