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Swift 2で追加されたエラーハンドリング

Last updated at Posted at 2015-06-09

Swift 2では新しいエラーハンドリング機構が追加されました。他言語でいうところの例外処理のようなものです。

エラーを投げる (throw)

まず、下記のようにしてエラーを定義します。エラーはErrorTypeを継承している必要があります。

enum MyError: ErrorType {
    case UnexpectedError
}

実際にエラーが発生する場所では、下記のようにthrowを使ってさきほど定義したエラーを投げます。

func myfunc() throws {
    throw MyError.UnexpectedError
}

このとき、myfunc()throwsと修飾されている点に注意してください。throwを使ってエラーを投げる場合、これがないとコンパイルエラーとなります。また、ErrorTypeを継承していないものを投げようとする場合にもコンパイルエラーになります。

エラーを受け取る (do/try/catch)

throwsで修飾された関数を呼び出す場合、呼び出し側でエラーハンドリング処理を準備しなければなりません。

エラーハンドリングを行うには、下記のようにdo句のなかでエラーが発生しうる関数にtryをつけて呼び出します。

do {
    try myfunc()
}
catch MyError.UnexpectedError {
    print("caught")
}

throwsで修飾されている関数を呼び出す場合、このtryがないとコンパイルエラーになります。逆に、throwsで修飾されていない関数にtryをつけて呼び出しても、警告は出ますがコンパイルエラーにはなりません。

エラーが発生すると、対応するcatch句が実行されます。発生しうるエラーに対して対応するcatch句が揃っていない場合、コンパイルエラーになります(が、現時点のBetaではmain()内に書いた場合はコンパイルエラーにならないようです)。

tryつき呼び出しをdo句の外で行ってもコンパイルエラーになりますが、これも現時点のBetaではmain()内に書いた場合にはコンパイルエラーにならないようです。

引数つきエラー

下記のように、エラーには引数をつけることができます。エラーの引数はcatch句で受け取ることができます。

enum MyError: ErrorType {
    case UnexpectedError
    case CountError(count: Int)
}

func thrower(c: Int) throws {
    if c > 0 {
        throw MyError.CountError(count: 2)
    }
    else {
        throw MyError.UnexpectedError
    }
}

do {
    try thrower(10)
} catch MyError.UnexpectedError {
    print("unexpected")
} catch MyError.CountError(let count) {
    print(count)
}

main()内ではこのようなドキュメント通りの記述ができますが、現時点のBetaでは関数内に記述する場合に、このような複数のエラータイプがあるケースですべてのタイプを網羅するcatch句を書いてもコンパイルエラーになるケースがあるようです(コメント欄参照)。

エラーを無視する

throwsで修飾されている関数を呼び出す際、絶対にエラーが発生しないことがわかっている場合には、下記のようにtry!をつけることでエラーハンドリング処理を実装せずに呼び出すことができます。

try! myfunc()

このような呼び出し方をした場合にエラーが発生すると、アプリケーションはクラッシュします。

おわりに

Swift 2で新しく追加されるエラーハンドリング処理について記述しましたが、現時点(Xcode 7.0 Beta 7A120f)ではコンパイラの挙動が不安定で、通るはずのないコードがコンパイルを通ってしまったり、またその逆もあったりします。Swift自体がよく仕様が変わる言語なので、常に最新のドキュメントを参照するようにしましょう。

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