Pixar USD の Windows ビルド方法(2017/9 版)

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Pixar USD https://github.com/PixarAnimationStudios/USD
は着実にバージョンアップを続け、SIGGRAPH 2017 の時点で 0.8.0 となりました。

今では Linux, Windows, OSX ともに 一年前 より飛躍的にビルドが楽になっています。

この記事では 0.8.0 を Windows でビルドするための方法を紹介します。
CEDEC2017 での PixarUSD の解説は、こちらのスライドをご覧ください
ピクサー USD 入門 新たなコンテンツパイプラインを構築する

準備

以下のソフトウェアを事前にインストールしておく必要があります。

必須ではありませんが、Maya プラグインをビルドするためには Maya が、usdview で embree レンダリングをするためには embree のインストールが必要です。Maya は現時点では 2017 までサポートされています。2018 でも namespace 部分の微修正でビルドできます。

embree は https://embree.github.io/downloads.html こちらから。

nasm, python, cmake などにはパスを通しておいてください。一般的には以下の通り。
embree は bin ディレクトリにパスを通しておいてください(DLLを読みに行きます)

標準的なインストール先
CMake C:\Program Files\CMake\bin
NASM C:\Program Files\NASM
Python C:\Python27
Pip, Pyside C:\Python27\Scripts
Embree (任意) C:\Program Files\Intel\Embree v2.16.5 x64\bin

コマンドプロンプトで pip install pyside して、
C:\Python27\Scripts に pyside-uic.exe があることを確認してください。

ソース取得

適当な場所に、USD のソースをクローンしてきます。ここでは C:\dev\usdにします。 ちなみにビルド先は別の場所になります。

git clone https://github.com/PixarAnimationStudios/USD C:\dev\usd

ビルド

VisualStudio の、x64 Native Tools Command Prompt を開きます。
image.png

クローンした場所で、次のスクリプトをコマンドプロンプトから実行すると、依存ライブラリのダウンロードとビルドが始まります。プロキシ環境下ではうまくいかないこともありますので、ネットワーク管理者と相談してください。引数はインストール先(クローンした場所とは別にする)です。ここでは C:\usd としました。

cd c:\dev
python usd\build_scripts\build_usd.py "C:\usd"

この時にいくつかフラグを指定するとビルド構成を変更できます。-h でヘルプがでます。

C:\dev>python usd\build_scripts\build_usd.py
usage: build_usd.py [-h] [-n] [-v | -q] [--build BUILD]
                    [--generator GENERATOR]
                    [--build-shared | --build-monolithic] [--src SRC]
                    [--inst INST] [--force FORCE_BUILD] [--force-all]
                    [--tests | --no-tests] [--docs | --no-docs]
                    [--imaging | --usd-imaging | --no-imaging]
                    [--ptex | --no-ptex] [--embree | --no-embree]
                    [--embree-location EMBREE_LOCATION]
                    [--alembic | --no-alembic] [--hdf5 | --no-hdf5]
                    [--maya | --no-maya] [--maya-location MAYA_LOCATION]
                    [--katana | --no-katana]
                    [--katana-api-location KATANA_API_LOCATION]
                    [--houdini | --no-houdini]
                    [--houdini-location HOUDINI_LOCATION]
                    install_dir

たとえば alembic と maya のプラグインをビルドして、embree サポートも入れる場合、次のようにします。

python usd\build_scripts\build_usd.py --alembic
 --embree --embree-location="C:\Program Files\Intel\Embree v2.16.5 x64\bin" 
 --maya --maya-location="C:\Program Files\Autodesk\Maya2017"

ホストの性能によりますが、大体15~30分くらいでビルドが終わると思います。

環境設定

usd のツールをコマンドプロンプトから使うには、いくつか環境変数を設定する必要があります。ビルドの際に指定したディレクトリに合わせますが、c:\usd の場合、次のようになります。

環境変数
PATH c:\usd\bin, c:\usd\lib を追加
PYTHONPATH C:\usd\lib\python を追加

また Maya プラグインの場合、次の変数も必要です。

環境変数
MAYA_PLUG_IN_PATH c:\usd\third_party\maya\plugin を追加
MAYA_SCRIPT_PATH c:\usd\third_party\maya\share\usd\plugins\usdMaya\resources を追加
XBMLANGPATH C:\usd\third_party\maya\share\usd\plugins\usdMaya\resources を追加
PATH c:\usd\third_party\maya\lib を追加

詳しくはこちらもご覧ください
https://graphics.pixar.com/usd/docs/Maya-USD-Plugins.html

実行

usdcat で usd ファイルの中身を表示できます
image.png

これができたら、 usdview で同じ usd ファイルを開いてみましょう
image.png

無事表示されれば、成功です。