はじめに
インフラエンジニアにとって、ネットワーク帯域の計算をすることは大事ですよね。ネットワーク帯域の計算ができないと、基盤の構成を考えることができません。ちょうど物理サーバーを導入する案件に携わる機会があり、構成を考える上で必要になった計算方法を備忘録的にまとめたいと思います。
やること
データを転送するのに、どのくらいの時間がかかるのか計算する。
必要情報
- 通信でやり取りするデータ容量
- 利用する回線速度
- 伝送効率
前提
- 通信でやり取りするデータ量: 300kb(写真一枚) × 120(利用ユーザー数) = 36000kb ≒ 36mb
- 利用する回線速度: 1Gbps
- 伝送効率: 70%
計算式
データ容量 ÷ 回線速度 × 伝送効率 = 転送にかかる秒数
計算手順
1. データ容量をビット数に変換
36mb × 1024 × 1024 × 8bit = 301,989,888bit
2. 回線速度をビット数に変換
1Gbps × 1000 × 1000 × 1000 = 1,000,000,000bit
3. 転送にかかる秒数の計算
301,989,888bit ÷ {1,000,000,000bit × 0.7(70%)} ≒ 0.4秒
4. 結果
1Gbpsの回線速度で、36mbのデータ量を転送する時間は約0.4秒
おわりに
インフラの構成を考える際は、なぜその構成にするのかの根拠が必要です。
その一つの方法として、データ転送時間を求める計算方法を今回記載しました。
提供するアプリ、サービスで許される時間なのかどうかを判断するのに、転送時間の計算は必要です。
このくらいの転送時間がかかるから、利用する回線速度を上げないといけない等の判断も可能です。
クラウドでの構築ばかりだと考慮しないことが多いですが、この辺の知識はインフラエンジニアとして押さえておいて損はないと思います。
追記
伝送効率に関して
TCP/IPを使う場合、specの7割程度が最大転送速度になるようです。
今回はこれを想定して伝送効率を70%に設定しています。
この辺はあまり詳しくないので、機会があればまとめていきたいと思います。