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TPI NEXT®導入による品質管理のプロセス改善について

Last updated at Posted at 2016-12-13

はじめに

12/14の投稿を担当させていただきます株式会社 ノハナで品質管理を担当している田井です。 
ノハナでは毎月1冊無料(送料別)で作成できるフォトブックアプリや、スマホから簡単に作成できる年賀状アプリを提供しています。
テスト専門会社に7年ほどいましたが、今年の4月からノハナの品質管理グループで働いています。
今回はプロセス改善モデル「TPI NEXT®」の弊社への導入事例についてお話ししたいと思います。

TPI NEXT®とは?

TPI NEXT®とはオランダのSogeti社が提案したもので、日本語訳の本も発売されており、日本でも認知度が徐々に高まっているプロセス改善モデルです。
簡単に概要を説明しますと、大きなグループが3つあり、それぞれにキーエリアがあります。その中にチェックポイントがいくつかあり、チェックポイントに答えることにより、自社の到達レベルを確認することができます。
レベルは初期レベル、コントロールレベル、効率化レベル、最適化レベルと4つあります。チェックポイントにもAからMまで優先度がついていて、Aの方が優先度が高くなります。内容によっては当てはまらないチェックポイントもあるので、弊社では「N/A」としています。

以下は弊社で管理しているスプレッドシートとなります。チェックポイントを達成すると色が変わり、到達率などがわかるようにしています。

名称未設定.png

TPI NEXT®との出会い

弊社の品質管理グループがTPI NEXT®を知ったきっかけは、私が入社する前の2016年3月に開催された「JaSST'16 Tokyo」でした。品質管理グループのメンバーが参加し、TPI NEXT®を使えば品質管理業務が改善できるのではと検討を始めました。また、上層部へ品質管理グループとしての任務を明確に示せるのではないかということも導入の理由です。
それからTPI NEXT®の日本語訳本を購入し、関連セミナーやイベントに参加し、徐々に準備を進めていきました。

最初にしたこと

TPI NEXT®導入にあたり、弊社でまず何をしたかというと、現状把握を行いました。 
そもそもTPI NEXT®の指標だと自分たちはどのぐらいの位置にいるのだろうかと。

結果として、以下のようになりました。
レーダーN.png

レーダーチャートを見ていただくとわかると思いますが、コントロールレベルに達しているのは「テストケースデザイン」と「手法の実践」の2つで、偏りもとても大きいことがわかりました。メトリクスについては全く対応しておらず初期レベルであることも判明しました。
スマホ向けアプリというリリースサイクルが短い特性上、ガチガチにテスト計画から行って行くことも工数的に厳しいので、自分たちの現場にあった改善策を優先的に検討することとしました。

メルカリ社のテストチームとの連携

改善していくにあたり、メルカリ社のテストチームと連携も行っています。定期的にミーティングを行い、お互いの現状報告を共有したりしています。
そこで見えてきたことは、先ほどあったレーダーチャートの形が全く違うことでした。自社でまだコントロールレベルのところが、最適化レベルだったり、会社ごとの文化などが大きく影響しているようでした。
従って、メルカリ社側でまだ改善が必要な点があれば、弊社で実施していることを提案してみたり、逆に自分たちに改善が必要な点はメルカリ社からのアドバイスをもらったりしています。
お互いに切磋琢磨して品質向上に努めています。

改善策

自分たちがやらなくてはいけないことがわかったら、次は改善策を検討しなくてはいけません。
今回はテスト業務に密接である「テスト管理」と「テスト業務の専門性」内のDレベルまでを、半期で全てコントロールレベルにすることを目標としました(スプレッドシート参照)。Eについては半期での目標とするには工数が不足するため、余力があれば行うということにしました。
チェックポイントに優先度はAからついていますが、必ずしもAから実施するのではなく、自社でどの部分を強化したいかを検討して実施していくのが良いのかなと感じました。
各チェックポイントに対して達成するにはどのような施策を行えばよいかをグループ内で検討し、実際に施策を1つずつ実施しています。

最後に

TPI NEXT®は継続していくものなので、すぐに結果が出るものではないと思います。 
ただ、自分たちがどこに向かっているのか、目標はどこなのかが明確になりましたし、目標達成には何に取り組めばよいかということもわかりました。
そういった点で、TPI NEXT®に取り組んで良かったと感じています。

また、TPI NEXT®だけで判断するのではなく、その他の判断基準も併用することにより、より一層業務改善ができるのではと感じています。

TPI NEXT®に興味のある方、ぜひ協力していきましょう!

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