VimConf 2016 に行ってきました。
感想です。
全体
沢山人がいた。これで VimConf に参加したのは前回(2015)、今回(2016)で2回目(多分)。
今回は発表もした。Vim の強者達が集まる場で発表出来たこと自体が良かった。
今後の自信になる。
k-takata さんと、tenntenn さんの go ツール群の話が面白かった。
自分はもう、Vim 自体をメインエディタとして使っていないので、vimrc や vim-plugin 自体への興味が薄れているので、あまり Vim に特化しない話が面白かったかのかも知れない。
以下、高速で振り返ってみよう。※ と言いつつ思いつきでガンガン書いてたら長くなってしまった。
Introduction to Vim 8.0
by Ken Takata
Vim 8.0 の新機能がざっと知れてとても有用だった。
Vim script はバリバリ書いていた頃があったので、channel 便利そうだなとか。lambda 入ったのは、とても良いと思った。
これで Vim プラグインの開発はさらに捗るようになるはず。
Vim Core への日本人の貢献度がここまで大きいとは知らなかった。Vim の日本人コミュニティは凄いと海外の人が思っているらしい、というのは良く耳にすることで、Twitter で直接メッセージで外人に理由を聞かれた事もある。
そういう時、僕は凄いプラグイン作者が日本に多いからだ、と思っていたが、Core にこんなにも貢献しているという事は知らなかった。あかんかったな。
そういうことが知れてとても良かった。素晴らしい。
Vim as the MAIN text editor
by bird_nitryn
Visual Studio Code から Vim への転向。本格的な Vim を使いたい思い。
ブラウザで、Vim ライクなキーバインドを提供するプラグインを入れるなどして、極力 Vim を使う機会を増やしたり、
設定ファイルをバージョン管理して変化を自覚することでモチベーションを高める方法等。
僕もそういう時があったのでわかる話が結構あった。
ただ自分はもう今は逆で、ブラウザのプラグイン vimperator, vimium, vrome 等を昔は使っていたが今は使わない。
メインエディタ以外は極力標準的な環境を利用して、プラグインとかは入れない様になってしまった。
ちなみに、Visual Studio Code の Vim パッケージは、Microsoft の人がコントリビューターとして入って、相当アクティブに開発が続けられているようで、
おそらく bird_nitryn さんが不満を感じて離脱した頃とは全く別モンに成長している可能性がある。というのをコミットグラフから見て思いました。
Denite.nvim ~The next generation of unite~
by Shougo
Shougo 氏はプラグインの開発に全精力を傾けており、プレゼン作成の時間がなかったとの事で、Markdown を表示しての発表。
Unite はバリバリ使っていたので、「 Unite はカオスでメンテが辛い 」という言葉が印象に残った。
neocomplete, Unite, neosunipet, vimshell, vimfiler 等、それぞれ巨大なプラグインを1人で受け持って保守していくというのはどんな感じなんだろか?
既存のもので我慢できないパワーは凄いが、ユーザーが多いと、issue 捌きだけでも大変そうだ。
今回発表のあった denite では Unite で学んだ事を設計に反映させて、保守しやすいように、UI と candidate provider が分離されていたり、python3 で書かれていて速度も早くなっていたり
ということで、良いことも沢山ありそうだ。
私が質問しようとして手を上げたが結局できなかった質問は、
「
一応他に、UltiSnippet や、ctrlp, Vundle 等の 類似プラグイン(後発、先発は別にして)がある中で、不満はあるにしても我慢して既存のもの使って PR 等でコントリビュートする道と、自分版を作り直す、という2つの道があると思う。
Shougo さんは後者の作り直す、という道を選んでいるように思う。これ大変じゃない?自分の大変さとのバランスどう取ってる?
」
みたいなことを聞いてみたかった。俺自身が結構作り直してしまうタイプなので、類似の趣向を持つ人間として、どうなのかな、、と。
Go、C、Pythonのためのdeoplete.nvimのソースの紹介と、Neovim専用にpure Goでvim-goをスクラッチした話
by zchee
補完が速かった。これは良い。あと、go 界の有名人も使っているらしく、「それは励みになりますよね!??」と思った。
プラグイン作成って、いうても無償のコントリビューションなので、見返りは自己満足と、ユーザーからのフィードバックなのだ。褒められたり、良かった、良くなかった、ここをこうして欲しいとか、フィードバックは嬉しいし、スーパーなユーザーが使っているとやる気もでるというもんです。
(ここは完全に俺の勝手な感想。そういう事を zchee さんが言ってたわけではないよ。)
エディタの壁を越えるGoの開発ツールの文化と作成法
by tenntenn
自分の発表前というのもあって、準備もあって、ちゃんと全部注意深く聞けていた訳ではない。あと、go 特有の話しについていけ無い部分はあった。
しかし、これは聞く前からもう大体イメージが出来ていて、はっきり言って自分的には「一番羨ましい環境、これが正しい、長期的にメリットが有る」という方法だと思っていたし、その通りのお話だったと思う。
要は go は標準的なツール郡(code formatter、Linter, static analysis)が充実していて、エディタプラグイン側で独自に頑張る必要が少なくて済むので、「どのエディタ使っても恩恵受けられる」「どういう手法でこのツール作ろうか」という時に、「基本的なライブラリ選択等では迷わない」等。
エディタのプラグイン層が薄くなるということ。
利点は、プラグイン作者の趣味趣向に振り回されたりするような、プラグイン作者への依存度が少なくなる(俺の勝手な意見)とか。
僕はプラグイン入れなくても、カスタマイズ全然しなくても、標準でかなりいい感じで使える、ということ程最強な環境はないと思いますんで。
羨ましい、の一言に尽きる。
というか羨ましがるってのは変か。。Go ってそういうとこも良いよね?という話だな。。。
vim-mode-plus for Atom editor
by t9md(俺)
質問もなかったし、説明している時も静かだったので、内容が伝わったのかどうか、不安だったが、飲みの場や、twitter で vimconf の感想や、ブログ等を見てみると良かったと言っている人も多く、良かった。
嬉しかった。励みになった。
一年以上相当精力的に時間つぎ込んでやっていて、それをこういう場で発表することで一つ区切りとなった。
あーよかった。
Vimの日本語ドキュメント
by MURAOKA Taro
日本語ドキュメントを保守してきた当人からの、翻訳参加の呼びかけと、これまでの歴史の振り返りや、有用ドキュメントの紹介。
有用ドキュメントの紹介は僕が Vim 初心者の頃に知りたかったことだった。これから始める人にはとても参考になるだろう。
俺は、ある時点からプログラミング系の資料で、日本語ドキュメントに頼る事自体を意識的に止めるようになったので、日本語を充実させようというモチベーションが
ない。英語のドキュメントを英語のまま理解できる方が長期的には自分の得になるという考えを今は持っている。
だだ、それでは大多数の日本人ユーザーを切ってしまうことになるだろうから、俺みたいな考えの人ばっかだったら日本の Vim ユーザー、コミュニティは今日の様に成熟していない訳だ。
そういう意味ではとても意味のある活動で、やっぱり頭が下がる。。ということになるな。。
Vim script parser written in Go
by haya14busa
内容が高度でついていけず。しかし、懇親会で本人に色々直接質問できて良かった。
自分の勉強の為に自分でやってみよう、という姿勢で、実際ゴールまでたどり着く所が信頼の haya14busa さん印だと思う。
haya14busa さんの活動にはいつも刺激を受けている。
発表内容は 「3つの候補があったが、一番マニアックなやつを選んでしまった」そうだが、高速に3つ全部説明しても良かったと思う。
僕の友達を紹介するよ
by aiya000
自作プラグインを含む、便利 Vim プラグインの紹介。
Vim 自体をメインで使っていないので、あまり身を入れて聞けなかった。。
自分でプラグイン作って出して、そこは素晴らしい!
Best practices for building Vim plugins
by thinca
資料としてとても有用。もっと早くからこういう資料があっても良かったのでは。
これをちゃんと英語でプレゼンをして、幅広く世界に広めれば、Vim プラグイン界にとって長期的に大きな良い効果をもたらすはず!
発表者として思ったこと。懇親会の感想など
発表者が前を向くと、残り時間が大きくスクリーンで見られるようになっていて、やりやすく、素晴らしかった。
Shougo さんが気づいておらず、おもしろかわいそうだった。
司会について、思ったこと。後で Youtube の動画を見て思ったこと。
「発表終わりです。」の "拍手お願いします"の部分は無い方が良いのではないだろうか。
理由は、拍手する時に、「拍手して」と言われるとちょっと興ざめしてしまうので、リアルな反応が得られにくくなるという事。
発表者としてはリアルなフィードバックが受けられう方が良いし、拍手する側も気持ちのままに強弱をつけられる方が良い。
司会者は発表の終了を示すために、「〜さんの発表でした。ありがとうございました」的なことで、"区切りを示す" ことだけやって、拍手は自然に任せた方が、
リアルな反応になると思う。拍手するタイミングが分からないので、"終わりを示す"という事は重要だけど。
そうすると拍手がない場合もあるかもしれんが、それはそれで良いフィードバックだ。
懇親会で、haya14busa さんの Vim プラグインソムリエぶりは異常だった。色々妄想アイデアをディスカッションしてる時に、それは Vim プラグインでは実現不能だろうというものも「ooとxxの組み合わせで云々」見たいな返しが返ってくるのだった。
プラグインを知っているという知識のストックと、それを組み合わせて提案するというクリエイティブな脳内シミュレーションの両方が必要な、相当高度な事が出来ないとあそこまでの Vim プラグインソムリエにはなれない。
とにかくすごかった。
mixi さん、スタッフの方々、参加者の皆さん、楽しかったです。ありがとうございました!